東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2010/9/5

オビンの”B級”街道その9〜ポール・バーリソン  Rock N Roll

自分はお金の匂いがする音楽を好きになれません
マーケットリサーチをして 旬のプロデューサーやスタジオ
メンを起用して、、、といったような

口の悪い友人たちは冗談半分に「オビが推薦する音楽はこと
ごとく売れないねえ」などと言ってくれますが(笑)
今更 世間の流行に合わせて生きていくのも 私に言わせれ
ば逆に「いい大人が、野暮だよなあ〜」なのです

というわけで今日も行きます ”B級”街道(笑)

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みなさんは「Train Kept a Rollin」というロックの古典曲を
きっとご存知のことと思います 古くはヤードバーズが取り上
げ 私の世代だと何といってもエアロスミスのカバーで有名に
なったナンバーですが そのオリジネイターは黒人ジャンプ
サウンドのタイニー ブラッドショウです サンハウスが改竄
した「レモンティ」でおなじみの方も少なくないでしょう

しかしです ヤードバーズやエアロがお手本としたのは明らか
に50年代のロカビリアン、ジョニー バーネット トリオに
よるヴァージョンではないかと思うのです
いやエアロはやはりヤードバーズ経由かな

そのジョニー バーネット トリオでアグレッシヴなギターを
弾いていたのが 今回の主人公であるポール バーリソンです
そんな彼が97年にリリースしたCD(写真)が すごぶる良い
出来なのです 再編ザ バンドの要だったジム ウェイダーを
プロデュースに迎え レヴォン ヘルムやキム ウィルソン
(ファビュラス サンダーバーズ)そしてロス ロボスの面々
を局面局面に配しながら50年代よりも緩やかなアプローチで
ロックンロール〜ルーツロックしている樣が
伝わってきて嬉しくなってしまいます

今年始めに惜しくも亡くなったパイレーツのミック グリーン
が敬愛していたギタリストがバーリソンだった、、、と書けば
一気に視界は50年代のロックから英国のパブ ロック
へと広がっていきます それだけパブ ロックがオリジナル
ロックンロールに愛情を注いできたことの所作でもありましょ
う 原稿でも書いてきたのですが ウィルコ ジョンソン→
ミック グリーン→ポール バーリソンと溯っていくルーツを
すくっと見渡していくことが出来るのです

そんな水脈を受け止めていくようなこの97年作には 叡智が
溢れ出ています むろんかつてのシャープさは望むべくもな
いのですが 1997年にバーリソンが伝説から抜け出してきて
ザ バンド、ファビュラス サンダーバーズ、ロス ロボスと
いった”解っている連中たち”と邂逅したことのほうに 私は
大いなる意味を感じるのです

バーリソン:「俺、しばらくスタジオなんか入ってないよ」
デヴィッド ヒダルゴ&セサス ロサス:「いいんです 僕ら
はあなたの音楽で育ってきたのです 自信を持ってください」
といった会話が聞こえてくるような

もちろんこのCDはまったく売れませんでしたが
今もこうして聞いている私のような聞き手もいるのだから
人生悪くないかも、、、

う〜ん、男は黙ってサッポロビール!(笑)

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オリジナルの10インチ盤(57年)は立派なレア アイテム
となっているジョニー バーネット トリオ”一家に一枚”
の伝説的な名盤 (筆者が所有しているのは70年代に英MCA
が発売したリイシューLP)
「Train Kept a Rollin」「All By Myself」「Drinkin Wine,
Spo Dee O Dee, Drinkin Wine」などロック古典を収録す
るが バーリソンの雷のようなギターは時代を超えている



2010/9/9  13:04

投稿者:obin

大したテキストではありませんが お役に立てたみたいで嬉しいです
よく安易に「音楽は理屈じゃない!」などと言う人もいますが
屁理屈や単なる自己主張はともかく やはり”副読本”は道筋を照らす
ものだと思いますし ”あと半歩の好奇心” のための指南だと信じ
ています
良かった良かった!^0^

2010/9/8  18:51

投稿者:NOAH

obinさん

ありがとうございます。輸入盤で解説もなく
よくわからなくて聴いていたんですが
Obinさんの言葉を聞いてようやく

このアルバムのご機嫌な完成度がわかりました。なんでブログを読みながらCDを聴いていました。

ありがとうございます

http://asakusa-kingyo.at.webry.info/

2010/9/7  10:12

投稿者:obin

noahさん、おはようございます
いやあ、”B級”というのは私が勝手に命名しているもので
バーリソン先生のようなロックンロールの開拓者に対して失礼だった
かもしれません(笑)
でも本当に素晴らしいCDでした! 自分は少しラテン〜トロピカル
の風合いを感じさせる「lonesome tears in my eyes」なんかも好き
です これは50年代のオリジナル ヴァージョンもまた秀逸ですな

2010/9/7  9:01

投稿者:NOAH

obinさん、おはようございます。

今、島根から戻りHPをみたら・・・・

B級街道で初めて我が家のCDが登場!感激です。THE BAND関連ということで探しに探し見つけ、期待を裏切らなかった。名盤です。

LEVONのHOUND DOGが染みます

http://asakusa-kingyo.at.webry.info/

2010/9/6  7:15

投稿者:obin

エル・テッチさん、おはようございます
おっしゃる「Memphis Blues」はそのままキャメロンが歌い出しても
不思議じゃないようなナンバーですね
デイル ホウキンス同様ジョニー バーネット トリオもキャメロン
フォガティに影響を与え、その甥がバンドに加わっているというのも
素晴らしい!

2010/9/6  2:17

投稿者:エル・テッチ

obinさん、こんばんは (またはおはようございます)
すぐに感化される私は、紹介されているアルバムを久々に聞き返してみました。購入したときは、一度さっと聴いただけで、そのままにしていたと思います。ほとんど初めて聴く感覚で新鮮に聴けました。
通して聴いて、やっぱりBurnette Familyが参加している曲が気になりました。Billy Burnetteは、JohnnyかDorsyの甥じゃなかったですかね。
今では、すっかりJohn Fogerty Bandの2nd Guitarとして、なくてはならない存在です。そして、今だにリーゼントに、フルアコを使ってたりする頑固者だったりするのでした。
Memphis Bluesという曲で、Paul Burlisonのクレジットが、Swamp Electronic Rhythm Guitarとなっているのが面白いです。


http://fanblogs.jp/eltetti1/

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