2007/3/18
もっともらしさへの抗い〜小池真理子 文学
とある版元の方と談笑していた際
話題に上ったのが 小池真理子「恋」(95年 早川書房)のことだった
なんでも彼にとってフェイヴァリッツ小説のひとつだという
政治の季節における恋愛小説
結論から言ってしまえば そういう内容である
何しろ舞台設定が72年の冬であり
僕らの世代には あの忌まわしい浅間山荘事件と同じ時期を
作者はわざわざ選び 対比させているくらいなのだ
主人公の矢野は女子学生で
セクトに属する過激派の男と同棲しているが
ふとしたきっかけから 大学教授夫妻のブルジョワな世界に惹かれ
アルバイトとして華麗で甘美な世界に溺れていく
イデオロギッシュなものと官能的なものとの対比
そこの狭間に立ち尽くす矢野
ここがポイントだ
そして後半には戦後日本史の闇までが現出してくるという
ダイナミズムがある
「政治の季節」を懐かしがる団塊の世代は とても多い
僕はもう嫌になる位 そういう人たちに悪いお酒を
飲まされてきた
彼ら曰く「俺たちは熱かった 今のお前らは駄目だ」
彼らはいつも群れていた
だから僕は ひとりぽっちになりたかった
「誰もがみんな難しい顔をして ジョン・コルトレーンを聞いていればジャズなの?」
(村上春樹「ノルウェイの森」より)
僕たちが学ぶべきことは たくさんある
彼らのそんな「貧困」に まったく別の視点から立ち向かった作品が
小池真理子「恋」だと思う
思想という名の袋小路のことも
理屈が奪っていく鋭利な感じ方のことも
ここには描かれているのだ
最後になってしまったが
体裁はあくまで「犯罪サスペンス」
娯楽性もたっぷり盛り込まれていて 飽きさせない小説だ
ちなみに95年の直木賞を受賞した
話題に上ったのが 小池真理子「恋」(95年 早川書房)のことだった
なんでも彼にとってフェイヴァリッツ小説のひとつだという
政治の季節における恋愛小説
結論から言ってしまえば そういう内容である
何しろ舞台設定が72年の冬であり
僕らの世代には あの忌まわしい浅間山荘事件と同じ時期を
作者はわざわざ選び 対比させているくらいなのだ
主人公の矢野は女子学生で
セクトに属する過激派の男と同棲しているが
ふとしたきっかけから 大学教授夫妻のブルジョワな世界に惹かれ
アルバイトとして華麗で甘美な世界に溺れていく
イデオロギッシュなものと官能的なものとの対比
そこの狭間に立ち尽くす矢野
ここがポイントだ
そして後半には戦後日本史の闇までが現出してくるという
ダイナミズムがある
「政治の季節」を懐かしがる団塊の世代は とても多い
僕はもう嫌になる位 そういう人たちに悪いお酒を
飲まされてきた
彼ら曰く「俺たちは熱かった 今のお前らは駄目だ」
彼らはいつも群れていた
だから僕は ひとりぽっちになりたかった
「誰もがみんな難しい顔をして ジョン・コルトレーンを聞いていればジャズなの?」
(村上春樹「ノルウェイの森」より)
僕たちが学ぶべきことは たくさんある
彼らのそんな「貧困」に まったく別の視点から立ち向かった作品が
小池真理子「恋」だと思う
思想という名の袋小路のことも
理屈が奪っていく鋭利な感じ方のことも
ここには描かれているのだ
最後になってしまったが
体裁はあくまで「犯罪サスペンス」
娯楽性もたっぷり盛り込まれていて 飽きさせない小説だ
ちなみに95年の直木賞を受賞した

