東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2006/10/31

10月の捕獲日誌  

(レア グルーヴ編)
lou donaldson/cole slaw (argo) 7s
shirley scott&the soul saxes(atlantic)
johnny hammond smith/the stinger meets (prestige)
the joe thomas group/comin home(cobblestone)
the packers/high it up(imperial)
music from lil brown(ode)
james brown/the apollo theatre(king 826)
booker T&MGs/union extended (stax)
herbie hancock/watermelon man(blue nore) 12s〜DJ edition
charles kynard/your mama dont dance(mainstream)
miles davis/live evil(colombia)
the isley bros/work to do (t-neck) 7s
kenny rankin/like a seed (little david)


(uk soul〜ground beats編)
soul 2 soul/back to life (10 records)
caron wheeler/livin in the light (bmg)

(ロック編)
rolling stones/beggars banquet(uk export 〜london)
bob dylan/the freewheelin (uk cbs)
lesley dancan/earth mather(uk cbs)
leon russel&marc benno/asylum chior(mercury)
the who/magic bus(us decca)
the who/magic bus&my generation (us decca)
the who/pictures of lily(german polydor 7s)
southside johnny&the jukes/walk away renee(atlantic 7s)
steve forbert/arriving live(nemperor 7s)
佐野元春 tonight (epic 12s)
佐野元春 99 blues (epic 12s)


(新譜CD編)
brian setzer/13(ビクター)
bert jansch/the black swan(sancctuary)
big al anderson/afterhours(colombia legasy)
los lonely boys/sacred(epic)
jerry lee lewis/last man standing(artist first)

(その他)
武道館の野坂昭如(kiva)

and so on another more!!















2006/10/31

10月の報告  


今月は珍しく原稿書きまくり状態でした
今夜今月最後のエルヴィス プレスリー原稿を仕上げてオシマイです
ジョージー フェイム関連のレコードをお貸しするため
久しぶりにレココレの寺田くんや祢屋さんと会ったり
昨夜はストレンジの藤井女史と打ち合わせと称して江古田倶楽部で
軽く一杯

レコードも買いまくりました(約80枚)
ほとんどがレアグルーヴ〜オルガンものです 
相変わらず病気デス
新譜CDではジェリー リー ルイスが良かった
音の良さに腰が抜けそうになったのがジョージー フェイム
のアメリカ インペリアル盤「getaway」
ザ フーもそうですが UK盤よりややブライトで派手な音が
新鮮です

小川洋子さんのことを書いていたら
タイミング良く彼女の新刊「海」が出たので
迷わず購入

11月は遂にスペンサー ディヴィス グループの初期3枚が
初CD化です
フェイムの紙ジャケとともに まさに感無量!
思わずディスク ユニオンで予約してしまった


メインの原稿が終わったあと ここ数日は
調子に乗ってたくさん飲んだ
ビールが旨かった!


2006/10/29

佐野元春ツアーファイナルのDVDに寄せて  Rock N Roll

今年のツアー最終日 4月2日に
国際フォーラムで行われたライヴを
完全収録

僕も当日その会場から声援を贈っていたのだが
佐野は自身のキャリア25年を3時間強の演奏に
凝縮させた ホーボー キング バンドの懐が
深い演奏が 古い曲であったとしても新しい生命を
激しく叩き込んでいく

ロック音楽の可能性とロマンティシズム
たとえ退屈な町でもビートが聞こえてくる
冒険者たちの凱旋が聞こえてくる







2006/10/29

渚十吾さんのこと   

あるバーで渚さんから声を掛けられたことがある
「初めまして 小尾さん 昨日何を聞かれましたか?」
僕はそっとメモを彼に渡す

渚さんの著書「エコー マウンテン レコード ブック」を読むと
至福の時間を感じる
雲の流れが 読み終わった時に僅かに変わっているような


エリック アンダーソンのことを知るにはインターネットで検索すればいい
エリック アンダーソンのCDを買うにはアマゾンで買えばいい
僕は渚さんがどういう気持ちでアンダーソンを聞いているのかを知りたい
そんな時 渚さんの文章を読む

雪解けの朝に
長い冬の向こう側に
渚さんは エリック アンダーソンの歌を感じ取っている
そんな時だ 僕の窓に光が差し込んでくるのは











2006/10/29

彼女が彼に会いに行く  Rock N Roll

私がプレゼントした花束を胸に抱き じっと見つめ
香りをかいでから 「ありがとう」と
言ってくれた佐野元春

花束なんて数えきれないくらいもらっているだろうに
今生涯で初めて
こんなにも美しいものを手にした とでもいうような
表情を見せてくれた佐野元春

エレベーターの扉が閉まる
最後の最後まで見送ってくれた
礼儀正しい佐野元春、、、


   ☆作家の小川洋子さんが佐野元春に会った時
   の話を彼女自身が「ユリイカ」04年2月号に
   書かれた文章を引用させて頂きました☆



2006/10/26

ジョン ヴァランティ〜LAソウルを見つめて  

デヴィッドT、ジョージー フェイムに続く朗報です!
ブルーアイド ソウル ファンの家宝ともいうべき
ジョン ヴァランティのアリオラ盤(76年)が遂に
PヴァインからCD化されます!

昨日サンプルCDを聞いていたんですが
文句なくカッコイイです
「白いスティーヴィー ワンダー」とも謳われた彼は
LAに拠点を移してからのモータウンのスタジオ集団〜
パズルでドラムスを叩いていた経歴の持ち主

確かに歌声はワンダーから着想を得たのだろうが
模倣に終わってはいない
心を次第に温めて明るい空気のなかに投げ込むよう
なオリジナル曲
与えられた人生を祝福していこうとする歌詞
彼はそういうスピリチュアルな次元で
ワンダーから多くのものを学び取っているような
気がする

そんな意味で彼はまさにソウル音楽の優れた表現者
であり 僕はフェリックス キャヴァリエと同様の
情熱を感じる ジェイ グレイドンやエド グリー
ンといった西海岸の腕利きたちによる演奏も
その音楽に柔らかい色彩を加えている

アルバム タイトルは「エニシング ユー ウォント」
彼のソウル音楽は 他者を励まし
毎日を 人生を見守っている
 
 




2006/10/23

ムーンライト マイル〜今宵のストーンズ  Rock N Roll

ここに書くんだったら原稿早く書け〜との声も聞こえますが
そうはいかないobinの習性よ(涙)

ストーンズの7sが だいぶ集まってきましたが
最近購入した2枚を紹介します

◎I Wanna Be Your Man b/w Not Fade Away(米London 9657)
◎IDont Know Why b/w Try A Little Harder (英Decca F13584)

前者は英盤では秀逸な(ほとんど)インストゥルメンタルのStonedがB面に
米盤では自国のバディ ホリーを選んでいることに アメリカの業界の
思惑も感じられたりして?
後者は編集盤の名盤「メタモフォーシズ」から
A面がスティヴィー ワンダー
B面がジャガー=リチャード

A面のスティーヴィー曲をこいつらジャガー=リチャード=テイラー名義に
している
まったく悪い人たちだ(笑)


2006/10/23

ワン インチ ロックのおやじは良い!  Rock N Roll

フェロウズのサトウ氏にも勧めて頂いたCD屋、ワン インチ ロックは
いい店だ アナログは何故かレアなシングルが3列くらいあるだけなのだが
これがまさに宝の山!
店主様(音楽業界長し!)としばしの雑談を楽しんだのでした
ヘンドリクスのトラック盤の音の良さについて熱く語られていた!
何でも知っているような印象でした 凄い人!


同店で掘ったシングル盤は以下の通り
(原稿料より高い? です 赤字です 収支報告が出来ません〜苦笑)
 
1 Load Kitchner / Dr.Kitch (Jump Up)〜カリプソです
2 Magic Notes/Album Of Memory ( Blue Beat) 〜いい感じのスカ! 和みます
3 Gaylads/ You MAde A Mistake(DL Inter)〜ジャマイカの名グループのいい曲
4 Walter Wanderley/Summer Samba(Verve)〜軽音楽の手帳? 的なモンド オルガンもの
5 Little Milton/Help Me Help You (Checker)〜興奮! ミルトンは熱い

買いすぎたな 今年の9月 10月は
                     





2006/10/22

吉田美奈子〜Bells  


すっぽりと包まれていく感じ
冬の夜空に星を探すようなイメージ
こんなことを書くのはとても恥ずかしいのだが
吉田美奈子の「ベルズ」アルバムを聞くと
沈黙の時間について考えさせられる
あるいはストーブの残り火のことを思う


リズムセクションが入る曲もあるが
ほとんどが「声」とわずかのピアノに彩られた静かな世界だ
12月はこのアルバムしか聞きたくない という人を僕は知っている
僕はそこまで徹底出来ないものの
「ゴナ テイク ア ミラクル」の針を上げたあとに
この「ベルズ」を無性に聞きたくなる時がある 

音楽を信じていなければ こういう ふくよかな歌は生まれない
鍛錬を重ねたヴォイス 気品に満ちたハーモニー
随分と神経質そうだった初期の「扉の冬」をまるで昨日のことのように
思い出す
どっちが良かったということではない
どちらも 吉田美奈子その人なのだから













2006/10/22

戻ってきたプラマン  

紛失してしまった水性ペンのプラマンが戻ってきた
嬉しいというか ほったらかしにしてごめん という感じだ

ぺんてる社のプラマン シリーズのtradio styio TRJM93
残念なことに 市場からあっさりと消えてしまった
品番なのだが 形といい 書きやすさといい
まさに 僕のベストの水性ペンだ
(現に新しく購入したペンは重さも憂鬱だった)

右手に握ってみると ほんとうにかけがいのないペン
ということを実感する
幸いなことに 交換芯はカタログに生きている

入院中に書いていたのも(美人の看護婦に惚れつつ)
退院してから(美人さんとの別れを惜しみつつ)書いていたのもこのプラマンだ
僕はこのペンで キャロン ウィラーの物語を書いた
彼女の音楽から UKブラックの現在を伝えておきたかった

キャロンがガール グループのブラウンシュガー時代に
こんな歌を歌っている
「知らない人に こんにちわ」 hello stranger と
歌詞は続く 「違う人種を理解するためには 長い時間がかかるかもしれない
けれど」 と

彼女の両親はジャマイカからロンドンに渡ってきた
今日も彼女はブリクストンの窓から
ジャマイカのことを思っている
彼女はまた 自分たちのロンドンのことも
思っていた

プラマンとノート
そういう営為しか僕には出来ないような気がする
それでもいいじゃん! という声が聞こえてくる









2006/10/22

月は満ちて 時間がない  Rock N Roll

@狭山フィガロでDjをやりました
狭山の素晴らしい皆さんに 改めて感謝を!

小尾のプレイリストです

1 佐野元春 月夜を往け(ライヴ ヴァージョン)
2 桑名晴子 あこがれのサンダウン
3 ボズ スキャッグス スローダンサー
4 キャット スティーヴンス ムーンシャドウ
5 エリック アンダーソン ムーンチャイルド リヴァー ソング
6 ロバート パーマー スパニッシュ ムーン
7 エディ ヒントン シュート ザ ムーン
8 ボビー ウーマック フライ ミー トウ ザ ムーン
9 松任谷 正隆  月に照らされて
10 ロリー ギャラガー ムーンチャイルド
11 仲井戸「チャボ」麗市  月夜のハイウェイ ドライヴ
12 クラシックス フォー トラフィック ジャム
13 佐野元春 雪〜世界は美しい

and so on it felling Better

14 佐野元春 エンジェル
15 佐野元春  彼女の隣人


おさむさんからは佐野の激レア12s「99ブルース」を頂きました
おさむさん、 本当に奇遇ですね デニー奥山画伯によろしく!












2006/10/20

藤井さんのこと  

ストレンジデイズ編集部の藤井さんから
いつもの快活な声で原稿依頼が
彼女とは最近うまくコミュニケイションも取れてきたし
人を不愉快にさせない 素晴らしい方だ

そういえば藤井さんからも誕生日にメールを頂いた
僕とは20年以上も年下の方なのに
音楽の話が出来る幸せを
噛み締める

いつかお酒でもみなさんで飲みましょう
中目黒あたりで




2006/10/20

お知らせ  

明日10月21日は狭山フィガロで恒例のノンジャンルDJ会です
高校生から古本屋店主、教師から写真家、主婦、編プロ、音楽ライターまで総勢14名が
午後の3時から深夜まで延々と回すという恐ろしい会なのです^0^
今回の「縛り」は1曲「月」にちなんだ曲を入れるというもの
各人のユニーク極まりない選曲が楽しめますので
是非遊びにきてください!

狭山は新宿から急行で約45分ほど
詳細はリンク集から「ロック レストラン&バー〜figaro」を
クリック!
フィガロは酒も旨いし姉ちゃんも綺麗だ
私も30分ほどDJさせて頂きますのでヨロシク!


2006/10/18

ビーフハート、フーリッシュハート  Rock N Roll

安い中古LPでビーフハートをユニオンで買い続けている
総じてどれも800円くらい(オリジナルは桁違い〜当たり前か)
俺が今年購入したのは
「クリア スポット」(72年)
「ブルージーンズ&ムーンビームズ」(74年)
「アンコンディショナリー〜」(74年)
「シャイニー ビースト」(80年)
「美は乱調にあり」(80年)
「カラスへアイスクリームを」(82年)

編集盤なんかも混ざっているのだろうが
全部良い! ある意味 オレなんかはローウェル ジョージと
イアン デューリーのミクスチュアを感じる
そしてむろんハウリン ウルフ的なダミ声と威厳

CDでは「シャイニー〜」のリマスターも購入したし
ややブートまがいの80年のアムステルダム公演音源は
間違えなく今年のベスト ディスカヴァリーです

以前も書いたけれども
最近のトム ウェイツがやっていること やろうとしていることは
すべて牛心隊長がやってきたことの翻訳かもね
ロス ロボス(新譜が枯れていて良い!)のヒダルゴ=ペレス路線も
隊長に多くを負っていると思う

ザッパとの「ボンゴ フューリー」(75年)も久しぶりに
引っ張り出してきたりして
これはテキサスはオースティンのアルマジオ ワールド
ヘッドクォーターズでのライヴ

同会場ではダグ サームはむろんのこと
クラッシュも演奏した(ロンドン コーリングのジャケを参照)
そんなわけで 書かなきゃいけない原稿を尻目に
今夜も見事に脱線してしまったのだ(苦笑)



2006/10/18

ポール コゾフよ、永遠に  Rock N Roll

レココレ最新号のフリー特集が面白い
とくに今回はロジャーズ、カーク、フレイザーと3人のインタヴューが
取れたものだから フリーファンは必読でしょう

でロジャースが「カムトゥゲザー イン ザ モーニング」でのコゾフの
ギターが素晴らしい、と回想しているのだが 個人的にも大納得だ
フレイザー曰く「僕はレゲエも好きだった」にも激しく頷く
あの間合いのあるベースは なるほどレゲエからの痕跡ありか、、、
もともとフレイザーは父親がガイアナ人でカリブ方面の血も入ってるしね
それと英国とレゲエとのやはり密な関係
(フリーは末期にメイタルズとのセッションがある〜ボックスセットで
初めて明かされた!まあアイランド所属アーティスト同志ということも
あるけれど)

フリー ファミリー トラフィック フェイセズ
ここら辺が俺にとっての正調ブリティッシュ ロック
ほんと あんたら若かったのにこんなシブイ音楽を演奏してたんだねえ

フリーのLPはけっこう若い時に集めたのでオリジナル云々を問わなければ
全部聞いた 陰鬱な音に情けない青春がどんぴしゃとハマったものさ
あと意外と忘れられた名盤が「コゾフ カーク テツ ラビット」

フリーのアルバムは全部好きだが
ひねくれた私は地味めの「ハイウェイ」と「ハートブレイカー」に
激しい思い入れがある
ある意味 ディープなアメリカロック好きも大納得の2枚なのだ

フレイザーはけっこう冷静にコゾフのことを解析
「ソロ プレイは最高だが コード弾きに難点があった」みたいなこと
を友情のうえで語っている 確かに

しかし誰もコゾフのようには弾けないのも また事実



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