東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2008/8/26

welcome to the cruel world  

とあるレコード会社と
とある広告代理店を巡るお話し

「楽曲原作者への報酬はどうしましょうか?」
「無視 無視 こうしてTVCMに使ってやるだけで十分宣伝じゃ」
「そうっすね むしろありがたいと思えよな」
「わっはっは!」

かくのごとくのやりとりがあったかどうかはともかく
原作者に一銭も支払われないとは!

さる音楽家が僕に嘆きの連絡を入れてきた

心が塞ぐような思いだ






2008/8/24

東京発、噂のバンド  

がサドルズ(Saddles)

音はここで聞けます かなり良いです!

http://www.myspace.com/saddlestheband

2008/8/24

@代々木DJ、無事終了しました!  

というわけで昨夜はサイコーでした 来ていただいたみなさん、増渕さん、
ありがとうございました
以下 私のプレイリストです(何と30曲! ^0^)

スカタライツ/フェニックス シティ
ディズ&ドアメン/マルデイグラ イン ニューオーリンズ
ボブ ディラン/こんな夜に
クリス ジャガー/スタンド アップ フォー フット
コースターズ/チャーリー ブラウン
オイリー ラグス/ホーリー カウ
ジェライント ワトキンス/マン スマート ウーマン スマーター
クリフトン シェニエ/オールナイト ロング
ギター ジュニア/クロウル
ブライアン セッツアー オーケストラ/ロック ディス タウン
エレクトリック ブルーバーズ/アリゲイター マン
ジョー ターナー/シェイク ラトル &ロール
ロニー マック/メンフィス
ポール バタフィールド ブルース バンド/ボーン イン シカゴ
レイ チャールズ/アイ ガット ア ウーマン
ジョニー ジョンソン/タンキーレイ
インメイツ/ ザ ウォーク
エリ ”ペパボーイ” リード/テイク マイ ラヴ ウィズ ユー
ダン ヒックス/ワン モア カウボーイ
タージ マハール/マインド ユア オウン ビジネス
デヴィッド リンドリー&エル レイオー エクス/レイヴ オン
チリ ウィリー&レッドホットペパーズ/チュー チュー ブギ
ボトルロケッツ/ニッティ グリッティ
サー ダグラス クインテット/メンドシーノ〜ダイナマイト ウーマン
サー ダグラス クインテット/レインズ ケイム
オレンジ カウンティ ブラザーズ/ブーツ ソング
ロス ロボス/アンセルマ
レーナード スキナード/ティー フォー テキサス
ジェシ エド ディヴィス/ナチュラル アンセム
クリス デューシー/ デュース オブ ハート




2008/8/22

明日はいよいよ  

増渕さんとDJです 昨年末惜しまれつつ店を閉められた
西早稲田ジェリージェフのママさん繋がりで僕は初めて
代々木にお邪魔しますが みなさんもぜひ遊びに来てく
ださい
http://www.zoono.co.jp/


国境の南の羽田野さんが 前回に続いて拙書を紹介して
くださいました  ありがとうございます
http://www.kokkyo.net/diary/


2008/8/21

グレイトフル デッド〜鷹揚なスピリット  Rock N Roll

「おっ何だ このスレンダーなお姉ちゃんは スカル&ローゼズ(註1)の
Tシャツを着てるよ」と思ってよく見たら 女優の三船美佳さんでした
これで交際など申し込んだら 私は間違いなく警察に突き出されていたことでしょう(笑)
しかも人妻だし(笑)

というわけで デッドグッズも本体の音楽と離れたファッションとして独立しているので
デッドのシャツを着ているからと言ってうっかり話しかけ「きみ 72年の西独ライブの
サウンドボード音源持ってる?」などと訊いたら 変態ジジイ扱いされること間違いなしの
世知辛い昨今です

それとは対照的に 今から思えば70年代は暢気な時代でした  互いにデッド好きだと
判るとアイ コンタクトしたり 「お兄ちゃん、これ食べるかい?」などと言ってくれ
たり そんな光景は日比谷の野音あたりでは当たり前だったのです 紫の煙も漂ってき
たし(笑)

とまあ 嘆いていてもしょうがないのですが デッドを聞いていつも思うのはある種の
鷹揚さです 私が初めてサンフランシスコに行ったのはもう随分前のことですが 第一
印象はとにかくアメリカはでかい、広い、ということでした これは単に物理的なこと
ではなく 音楽にもそうした広い心、スケール感のようなものが確実に反映されている
のです

グレイトフル デッドはアメリカのそんな広さを最も雄弁に感じさせたグループでした
音楽的な語彙の豊かさは言うに及びませんが いわゆるお勉強色は皆無であり 基本
的にはだらだらと(笑)いつまでも演奏し続けること 聴衆と音楽をシェアすること
に最大の価値を見出したバンドでした 

私が今聞いているのは ライノが04年にリリースした3枚組の『Rockin The Rhein
With』というCDで 嬉しいことに1972年の4月24日に西ドイツのラインホール
で行われたライブの模様がフルで収録されています

72年の彼らと言えば 古くからのファンであれば『ヨーロッパ 72』を思い起こす
ことでしょう ミッキー ハートの一時的な離脱でツイン ドラムス(パーカッション)
の一角を失うというハンデはあるのですが 全体的に安定した演奏で初期デッドの評価
を高めた忘れ難い時期です まだピッグ ペンも健在でブルージーな歌声を披露してい
ますし 新メンバーであるキース&ドナ ゴドショウもバンドにうまく溶け込んでいます

しなやかに飛翔していくガルシアのギター 軽やかにアクセントを付けていくボブ ウエア
のギター 弾力豊かなフィル レッシュのベース、、、こうした恒久の流れを感じさせる
雄大な演奏をまえにすると 音楽にとって古さも新しさも関係ないといった考えに及びま
す いやむしろそうした時間軸をあえてぶらせていくような覚悟さえ デッドの音楽には
感じられます 

「デッドの音楽は長い旅のようなものだ」とは けだし名言だと思います 私はデッドの
ことを思う時 果てることなく流れる川をイメージします きれいな水を運びながら
多くの支流を作り山々を下りながら やがて大海へと辿り着く そんな川のことです
そしてその川は朽ちることを知りません


(註1)「スカル&ローゼズ」
 デッドが71年にリリースしたライヴ盤『Grateful Dead』(Warner Bros. 2xs1935)
 のジャケットには  Kellyによる骸骨と薔薇をあしらったアートワークが使用されて
 おり ファンの間ではやがて通称『スカル&ローゼズ』として定着した 数あるデッド
 のデザインのなかでも 古くから親しまれてきた 人気の高いデザインである




2008/8/20

読書の夏  文学

とてもためになる書評サイト、ブックジャパンは
以前もご紹介させていただきましたが
今回僕が書いたのは城山三郎の代表作『毎日が日曜日』です
よろしかったら 読んでみてください

http://bookjapan.jp/



2008/8/19

活字にもっと夢を  

しかし昨日今日と大きく出ますが(笑)
最近の音楽雑誌はつまらな過ぎです
広告収入を得ている商業誌であるからにはレコード会社の発売状況に合わせて
特集を組むことは当然理解出来るのですが
それも やり過ぎはどうかと思いますし
60s〜70sのビッグネイムに頼るという傾向も
これまた若い人には まるで今の音楽を否定されている気になりましょう

ただのおっさんの嘆きだと言われると困るので
もう少し具体的に希望例を書くと

1 テクノ〜トランス〜レイヴはいかにロックを超えたか

2 ソニック ユースの実験精神〜そのルーツとなる『メタル
マシーン ミュージック』が問いかけるもの

3 ヒップホップ以降のR&Bシーンを俯瞰する

4 レゲエ界の鬼っ子、リー ペリーを徹底特集!

5 ニユーウエイブ オブ ヘヴィメタル(NWOHM)の果たした役割

6 オルタナ カントリーの歌詞からアメリカのダークサイドを分析する

など私の専門外でも これだけのアイディアがすぐに出てきます(笑)
まあ 解りやすく断片図を知りたい事項でもありますけれど、、、

それとも今の若い人は音楽雑誌なんか もう読まないのかな?






















2008/8/18

環境保護団体、なれの果て  

南極海で日本の調査捕鯨船に 米国の環境団体シーシェパード(SS)が
過激な妨害行動を繰り返した問題で 警視庁公安部は18日 SSのメンバー
の米国人と英国人の男計3人を 威力業務妨害の疑いで逮捕状を請求した
一連の妨害のうち 昨年2月に日本鯨類研究所の海幸丸が発煙筒などを投げ
つけられるなどした事件が対象 公安部は「組織的で危険性が高く悪質だ」
と判断し 立件に踏み切った

SSは海幸丸の甲版などに発煙筒18発を投げ込み 係留用のロープを流して
スクリューに絡ませ 同船の業務を妨害した疑いがある また酪酸とみられる
液体入りの瓶を投げ込むなどしたことに関しても 映像の解析などで調査を
進めている

町村官房長官は18日の記者会見で「犯罪の事実ありと判断して逮捕状を請求
するのは当たり前 いかなる主張があるにしても 物理的な妨害で関係する人
たちが怪我をしたり生命の危機に脅かされたりする事態は許されるべきではない」
と語った

なお街頭インタビューで練馬区在住の小尾隆さん(49)は以下のようにコメント
し  怒りをマイクにぶつけた                                               「欧米人のヒステリックな反捕鯨運動には本当にうんざりしています
今回の暴力的な事件にしても 彼らの行動原理や ”よすが ” というものが破綻
していることを計らずとも示すものではないでしょうか 鯨が果たす海洋学的 
生命体的な位置付けや 漁業的な立場を無視してクジラが可哀想という主張だけで
は到底納得出来ません」

また小尾さんは 音楽の素晴らしさとその人の社会的な発言とは必ずしもイコール
ではないとしながらも こう続けた「西洋の音楽家たちがクジラを救おうとするメ
ッセージは70年代からありましたし なんとなくそれに同調する風潮も僕らには
ありました しかし自分なりに勉強していくと矛盾に気が付いたんです 結局
西欧人というのは免罪府というか隠れ蓑を欲しているんじゃないかって ありていに
言えば 他の魚や植物や肉食動物の問題はどうする? っていうことです」

単に捕鯨賛成の立場からの発言というだけでなく
文明史的な見地から考えても 小尾さんのコメントは重い








2008/8/17

演奏家の孤独  

「レコードコレクターズ」最新号に鈴木茂のインタヴューが
掲載されているのだが これが存外に面白かった
話しの核心は
1 鈴木としてはもっとはっぴいえんどを続けたかったこと
2 ソロ第一作『バンドワゴン』(75年)は不撤退の覚悟で臨んだこと
3 以降自分の興味がギターソロよりもジャズ的な和声感覚へ移行したこと
4 同時に自分の仕事も歌謡曲のフィールドへと流れていってしまったこと

などに大別出来るのだが とくに4の問題に関して
いったんそっちに流されてしまうと歯止めが効かなくなってしまうことなど
インタヴュワー側の力量もあるのだろうが
かなり正直に語っていることに驚かされた

むろん今だからこそ 自分の半生をやっと振り返られるという
心の持ち様の変化もあるだろう
75年あたりを境にロック ギタリストが喰えなくなっていったこととも同期
する辺りが まさに時代背景を物語っている

バンドでリハーサルをしながらヘッドアレンジでスタイルを考えていく
ザ セクションやマスルショールズの連中のスタイルが
自分の性に合っていると告白しながらも 一方でロックじゃない人たちとの
仕事も増えてくると「自分もそれに引き摺られてロックから離れてしまうんですよ」
という具合に

こんな衝撃的な述懐もある

「僕ら(註:スタジオミュージシャン)は基本的に仕事を選べないから
歌謡曲というか芸能界チックな世界な方に どんどん引きずり込まれて
いくわけです 泥沼みたいに 当時はディレクターからの具体的な要望が
多くて 下手をすると誰かのレコードを持ってきて こういう感じでやって
くださいと言ってくる (中略) だから自分も知らず知らずに影響を受け
ちゃって 手軽に使えそうな曲を探すようになってくる それで自分の作品
も 如何にもアレンジャーが作った楽曲という雰囲気になってしまったんです
お膳立てばかりで中身がない というようなね」

個人的に改めて痛感したのは
アレンジャーやコンポーザーといった才能以上に
鈴木は人一倍演奏家という意識が強い人だということ

作家性を振りまくメンバーばかりのはっぴいのなかで
己の立ち位置や矜持を示すことがいかに困難だったかは
この僕にさえも判る

はっぴい時代の「12月の雨の日」には
そんな鈴木の他の誰のものでもないギターが唸りを上げている







2008/8/15

8月14日  

七ヶ月ぶりに西川の店http://upset-the-apple-cart.net/index.html
に行った お盆時は暇だと睨んだこともあるかもしれない
しかも飲食業にとっては天敵とも言える木曜日
彼とは互いの葬儀に行くことだけは約束している不思議な関係だ
私は自分の金銭的苦境を彼に聞いてもらったり

それはともかく
アリス クラーク「ドント ユー ケア」(ポール ハンフリーと思しき
ドラムスのブレイク部分が悶絶級)に始まり
スピナーズ「ゲットーチャイルド」やハロルドメルヴィン「二人の絆」
アイザック ヘイズにステイプル シンガーズ ベティ エヴェット
そして共通のアイドルであるボビー ウーマックを集中リクエストして
店はまさにソウル大会となった
ホール&オーツも  ブレンダ ハロウェイも
五臓六腑に染みる 染みる

途中で 私のしらない女性客が現れる
その彼女が急に 私を名指したメモを振ってきた
そもそも何故私の名前を(しかも漢字で)知っている
のかが不明である(IQが50しかないような男であれば
勘違いをしかねない状況だが 私はもう女性はこりごりだ=註1)
返答に窮した私は
おなじみの猫のイラストを書いて笑いを取った
猫が夜空で尻尾を振るの図
これが受けた(笑)


「またいつか」

その言葉が持つ責務とでも言うべきものを
考えるようになったのが
計らずとも
私の年齢と通過点を示し始めている


註1「もう女性はこりごりだ」

賢明なる男性諸氏であるならば 実感を伴って思
い起こされる方々も
少なくないだろうが 男女の間に恋愛(もしくは
それに類する短期的躁状態)はあっても いわゆ
る友情と呼ばれる何かは 極めて成立し難いとい
うのが 私なりの経験的な見解である







2008/8/14

8月13日  文学

本日 福永武彦『忘却の河』(新潮文庫)を読了
今年の20冊めだった

書き始めた頃にある方から言われたことが忘れられない
「音楽馬鹿だけにはなるなよ」








2008/8/13

ご紹介が遅れてしまいましたが  

前回『US』の時も好感の持てるレヴューを書いていただいた
レシーブ二郎さんが 拙書を紹介してくれました

ありがとうございます

http://blog.livedoor.jp/gentle_soul/archives/51482523.html

2008/8/12

そしてここにも  

佳き読み手が一人

どうもありがとう

http://blog.livedoor.jp/mickbanzai/archives/51094566.html

2008/8/11

判る奴は  

編集方針も作者の意図も
きちんと汲んでくれる

どうもありがとう

http://blog.livedoor.jp/yamadacake/


2008/8/10

8月10日  

もともと朝日新聞(左派)とは食い合わせが悪い文藝春秋(右派)だが
楊逸(ヤンイー)の芥川賞受賞作の掲載や
同誌の論客である櫻井よしこ(当然右派)が参加した論争もあって
久しぶりに購入した(奇しくも中国ネタ満載〜笑)

チベット問題にしても鋭く語られているが
いわゆる自治区で漢民族主導の近代化を
享受するチべット人勢もいて 複雑だ

だから私も いわゆる先進国の”免罪”として
チベット問題を運動化する図式にも馴染めない
(むろん中国当局の暴挙は無視出来ないが)
それはどこか欧米に於ける捕鯨反対運動のエゴに
も似ている
(ジャクソン ブラウンやデヴィッド
クロスビーの音楽は素晴らしいが 彼らの反捕鯨運動は
海洋学的にも 認識(*)が明らかに間違っている)

*鯨一頭自身が食べる他の魚の量が膨大であり 海の生命体系的にも
漁業としても 深刻な影響を及ぼしているという認識の欠如















teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ