それは3月5日の事でした。いつものようにチャリで走っていると前方でお婆さんがガードレールから身を乗り出して土手下に向かって何か話しかけている。気になったので止まって「どうしたんですか?」と声をかけたら…
そこにはうずくまっている「さん」の姿…どうしたんだろうねぇ?とお婆さんはとても心配している。さん〜と声をかけるとにゃあとか細くなく声が聞こえる。具合でも悪いのかな?とその場はそのまま「頑張ってね」と声をかけて通り過ぎた。その夜、1cmぐらいの積雪があった。
翌日、もうどっかに移動しているだろうと思ったら…向きを変えこそすれ同じ場所にうずくまっていた。何?夕べからそこにいたの?今夜は雨降るって予報だぞ…。どこか下に降りれる場所は??と捜し10mほど先から下に下りさんのところへ。そのにいたのは、風邪でもひいたのか?猫エイズなのか?汚い顔になって両目とも目やにで埋ったさんだった。
とりあえず風のあたらない土手脇に移動して体に乾いた葦の葉っぱをたくさんかけて側にあった発泡スチロールの箱を斜めにかけて顔の側にカリカリを置いた。にゃあ…と鳴くさんに、頑張れよ…と声だけかけてその場を離れた。でも家に帰ってもバイト中もさんの事が頭から離れず、あれやこれやと色々考えた…
3月7日、車で行ってさんを連れて来た。自分では立てないぐらいに衰弱していたさん…飲まず食わずでいったいどれだけの日数をここで過ごしていたのだろう。さんは死んでしまうんだろうと思った。死ぬにしたってあんな所でのたれ死にさせるのはあまりにも酷だと思い連れて来た。
それでも看病をしてあげようと軒下にトロ箱を置きさんをねかせた。あまりにもひどい顔なので画像は小さくしてます。病院へすぐに連れていければよかったけど、その時点で手元に万単位のお金がなかったので、できるだけの事はしてあげるけど、回復するかどうかは猫にまかせる事にした。ひどいようだが仕方がなかった。
枕元にカリカリと水を置いたが自力では何もできそうもないので、ホームセンターへ行き猫用のミルクを買い針のない注射器で飲ませた。嫌がったが無理にでも飲ませた。さんが何の病気なのかがわからないのでビニール手袋をしての給餌。さんを看病するたびに漂白剤で手袋や注射器を消毒してトロ箱のある地面も消毒をした。
ミルクは1日2回。7日〜15日までの間におしっこ2回、うんちは1回。とても濃い色のおしっこ。うちに来て4〜5日は全然しなかったので濃くても出た時はよかったね!でした。
3/16 自力で猫缶少々。3/18 ふやかしたカリカリ。体を拭く(画像)尿の色が薄い♪。3/21 ふやかしたカリカリをあげたが食べないので普通のをあげたらハウハウふがふがと鳴きながら食べてくれました。良かった自分でカリカリを食べられるようになって。片目も見えるようになり、箱から外にでて庭の土を掘って用を足そうとするのでトイレを設置上手ににトイレをした。体力が戻ってきたかヨロヨロと庭を歩いて隣の家の植木の下に横になっていた。が、まだパタッっと倒れる。
トロ箱の後ろにスノコを立ててそれにビニール袋を止めて雨風寒さよけにしていた。3/23、そのスノコで爪とぎをしていた。猫って凄いな…。あれだけひどくて死ぬんだろうと思っていたのにここまで回復して。毎日、毎日なんらかの良くなる兆候がでて…おしっこして、うんちして、猫缶食べて、カリカリ食べて、歩けるようになって、顔のカサが取れてきて…
あのさんが居た場所はチャリからでは死角になってて見えない場所。あの日、あの時、お婆さんがあそこに居なければ、あの時話しかけなければさんはそのまま死んでいたでしょう。さんを飼うのは運命だったのかもしれない。本当は私ははセルジを飼いたかった。ジルヲが度々留守にするようになりその気持ちも強くなり、明日ジルヲが戻らなければセルジを連れて来ようと決めた翌日にはジルヲが戻り、そんな事を繰り返していたら2匹でどこかへ行ってしまった。そういう運命だったのだろう。
つづく…
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