fox氏が先週末に公開された新作動画を拝見し、ふと思ったことを備忘のために書き留める也。
どうもVRM動画を作るアプローチは、大きく分けて二つあるように思う。1つは、まず完成されたVRMレイアウトがあって、それを紹介するべく魅力的なシーンを編集した動画。もう1つは、まず表現したいシーンがあって、それを実現するべく必要最小限のレイアウトを作り撮影された動画。言うまでもなく、fox氏のそれは前者に該当し、
しおじ氏の「爆荷シリーズ」や拙作動画は後者に該当する。
無論、これに優劣をつけるつもりは毛頭ないし、そんなことはバカげている。映画作りに喩えて言うと、前者は「映画作りのために魅力的な街をロケハンする」という方法、後者は「映画作りのために街のセットを組む」という方法、であろう。それぞれに一長一短があることは言うまでもない。
実のところ、拙者が最初に作ったVRM動画(VRM2による)は前者のアプローチによるものだった。しおじ氏も動画の初期作品は前者アプローチだったが、「爆荷シリーズ」を含む「音付ムービー」では拙作同様に後者アプローチへ移行されたように見える。
思うにこれは、先の映画の喩えからもわかるように、単純に「動画を作るコスト」だけで比較すると後者の方が圧倒的に効率が良いこと、さらには、動画作りに馴染むにしたがって、より演出へのこだわりが生じて映画的なものを目指してしまうこと、によるのかも知れない。
と、ここまで考えて、ふと、もう1つの可能性に気付いた。
映画産業黎明期のハリウッドにおいては、僅少ながらも豪放な製作者により「映画作りのための魅力的な街を作る」という、ブッ飛んだ発想で作られた伝説的な映画が存在する。ひょっとして、fox氏のアプローチはこれなのかも知れない。仮にそうだとすると、それを実現する胆力には驚嘆せざるを得ない。
そもそも拙者が
VRMovies開設当初から後者アプローチを採ったのは、ピリオディカル(拙者は自身に最低月2本の動画公開を課している)に続けるにはこのアプローチしかないと判断したことによる。当時、定期巡回に値する更新頻度のVRM系Webは
Tatsuo氏と
まゆきち氏のそれしかなく、そしていずれもVRMレイアウトファイル現物を公開するスタイルであった。
拙者のVRM動画製作は、このご両所のVRM唱導スタイルに対するアンチテーゼであったことはこれまでにもしばしば言及してきたことだが、ひょっとするとfox氏の動画は、さらにこれに対するアンチテーゼなのかも知れない。つまり、更新頻度を優先してある意味において「矮小化」されたアプローチに対し、胆力でもって正面突破を図っておられるのではなかろうか、と思い至ったので御座る。
真相や如何に?
ご本人からの斬り返しに期待しよう。