フランスの電気機関車は、形式毎に塗装が決まっているのではなく、同じ形式であってもその運用区域や用途によって塗装されるらしい。が、それも後述するように、必ずこうでなければならない、といった教条的なものではないみたい。以下、個人的な備忘がてらのまとめ。

<標準塗装>
betonとも。betonはコンクリートの意。
明るいグレーにオレンジの配色が、もっともスタンダードな塗装のようだ。貨客共に牽引している。この配色以前は明度違いのエメラルドグリーン(?)が標準色だったらしく、模型製品にも多く見られる。が、すくなくともオイラが旅をしている間については留置されているものを除き、エメラルドグリーンの機関車が運用に供されているのを見たことはない。

<パリ近郊塗装>
パリ近郊でプッシュプル列車を押したり引いたりしているのに多い塗装。「イル・ド・フランス[ile de france]」塗装と呼ばれることもあるらしい。イル・ド・フランスというのはパリを含むフランスの地方名。
やや青みがかったクリーム色をベースに赤と青がアクセントになる。お世辞にも格好良くはない。

<マルチサービス塗装>
「マルチサービス」と呼ばれるのは知っているが、なぜそうなのかはよくわからない。
シルバーに赤の塗装は、かつてのTEE[Trans Europe Express]を牽引したCC6500型全盛期「ミストラル」塗装(の場合、さらにオレンジが加わるのだが)を思い起こさせ、個人的にはお気に入り。

<フレ塗装>
FRETは貨物の意。
グレーに鮮やかな緑と白帯にFRETの文字が共通する意匠。この塗装を施された機関車は車番が40万番台になっている。てっきり貨物専用機だと思い込んでいたのだが、上掲写真のように旅客列車を牽引することもあるらしい。それともこれは我が国で言うところの「甲種回送」だったのだろうか?

<ボヤージュ塗装>
voyageは旅の意。「ボン・ボヤージュ(よい旅を)」のボヤージュね。
シルバーベースに水色から明るい紫へのグラデーションで彩色され、最も華やか。この塗装を施された機関車は車番が50万番台になっている。見た目の印象は写真以上に爽やかな印象を受ける。さしずめ、我が国において鉄道の旅のイメージアップを図って485系の派生塗装がいろいろ生まれたのと事情は同じなのではないかと。