※以下の内容は現在調査検証中の知見です。必ずしもVRM4の仕様を正しく反映していない場合がありますので、その点は割り引いて読んでください。
【課題】
テンプレートの試作を通して以下のことに気付きました。
VRM4レイアウターで部品をグループ化した場合、それぞれの部品の高さとは別に、グループ自身も「高さ」を有しているようです。あるグループに所属する部品すべてに対して「高度固定設定」をおこなっていても、そのグループのオプションにおいて「高さを変更しない」にチェックが入っていなければ、ビュワー上でそれぞれの部品はその固定された高さ+グループが積み重ねによって得た高さの位置に表示されます。
上記の説明だけではわかりにくいと思いますので、以下に図解します。
なお、検証対象となったのはVRM4レイアウター4.0.2.3です。

<図1:高架区間を作る>
図1は、橋脚2つに高架プレートを渡した状態の模式図です。言うまでもなく左側がレイアウター画面、右側はビュワー画面を真横から見たものだと考えてください。テンプレートを作るにあたっては、これらの部品に対し高度固定設定をおこなうのが定石である、と現時点でボクは考えています。
利用者の便を考え、これらの部品を一旦グループ化し、その上に架線柱を配置したのが図2です。グループ化をおこなったのは、テンプレート利用者が、このテンプレートから橋脚+高架プレートのみを含むグループを抜き出すことで、簡単に非電化区間へ転用できるように考慮してのことです。

<図2:架線柱を配置する>
架線柱を配置すると、オプションで高さを指定しなくても、高架プレートの影響で架線柱には自動的に高さが設定されます。つまり、図2右のように高架の上に載ります。この高さ(図2の@)がコピー&ペースト後も継続するように、ここでもこれらの部品に高度固定設定をおこないます。
続いて、この架線柱についても利用者の便を図るべくグループ化をおこなってみました。すると図3に示すように、架線柱があらぬ高さへと舞い上がってしまいます。

<図3:グループ化すると・・・あれ?>
これがこのエントリで述べている「グループにも高さがある」の具体例です。いろいろ試してみたところ、どうも以下のようなことが起こっているようです。
(1) それぞれの架線柱は、たしかに@の高さで固定されている。
(2) 架線柱をまとめたグループにも、部品同様の高さ設定がある。
(3) グループの高さも、それ置かれている場所に存在する他の部品のコリジョンや地形の影響をうける。
(4) この結果、図3ではグループに高架プレートの影響でAの高さが与えられる。
(5) このグループに含まれる高度固定設定された部品については、それ自身の高さ@にグループの高さAを加えたものが、最終的な高さになる。
(6) こうして図3右のように、ビュワーで見ると、あらぬ高さに浮き上がってしまう。
先に結論を書いてしまうと、この問題は決して致命的ではありません。要するに、テンプレートを作るためにグループ化をおこなった場合は、グループ1つ1つについて必ずオプションで「高さを変更しない」をチェックさえすれば、ここで述べた「浮き上がり問題」は発生しません。
が、問題なのは、この流れがわかりにくいことです。少なくとも、レイアウター上では上記(5)で言う「高さ@にグループの高さAを加えた」数値を得ることが出来ません。ボク自身、初めてこの現象に出くわした時点ではワケがわからずに随分と時間を無駄にしました。さらには、グループの「高さを変更しない」という考え方それ自体が直感的ではなく、よほど意識していないと作業中にこのことを見落としてしまうと考えられます。
【解決策】
VRM4レイアウターの部品高度の解決については、かなり複雑なロジックが適用されているように見えます。一般的に、こういったある程度以上に複雑なルールの組み合わせによる系に対しては、ささいな修正が一見影響を与えそうにない他の部分に波及する可能性が高いですから、「この場合に困るからこうして!!」といった直截的な改善要望は逆効果となることもありえます。それを覚悟の上で、比較的他事に影響しにくいのではないかと思われる解決策を2つ書いておきます。
第一には、グループ作成時の高さ固定の有無のデフォルト設定を、環境設定ダイアログで選択できるようにしてしまうことです。一般的なユーザーは「高さ固定なし」にしておいた方が何かと都合が良いでしょう。テンプレート作成者は、ここまで述べてきたように、グループ化=高さを固定する段階、と考えるのが妥当と思われるので「高さ固定あり」にしておけば無駄な作業が省けます。
第二には、ポップアップメニューの「高度固定設定」の適用対象をグループにまで広げることです。レイアウター4.0.2.3の時点では、グループを選択した(白色反転した)状態でポップアップメニューから「高度固定設定」を選択しても、そこに含まれる部品には「高さを変更しない」が適用されますが、グループ自身にはその効果が及ばないようです。これをグループに対しても適用可能にしてしまえば、テンプレート作成者は『その作業の最後の仕上げとして「編集−全選択」をしてから「高度固定設定」をすれば良い』というシンプルな原則に従うだけで良くなります。
上記のいずれかが実装されれば、とりあえずはレイアウターの複雑な高度設定解決ルールに手を加えずに、この問題(と言うほどでもない)が解決できそうな気がします。
【回避策】
既に述べたように、テンプレートを作るためにグループ化をおこなった場合は、グループ1つ1つについて必ずオプションで「高さを変更しない」をチェックさえすれば、ここで述べた「浮き上がり問題」は発生しません。面倒臭いですし、作業精度が落ちそうですが。
むしろ問題なのは、このケースのような「テンプレート作成のために遵守すべき非直感的な流儀」が多数積み重なることで「なんでそんな面倒臭いことしてビギナーのためにテンプレート作ったらなアカンねん」という考え方がVRMエキスパートの中で支配的になることのように思います。
【派生課題】
このエントリでは、
・グループ化された部品の高さの扱い
について議論します。以下は派生課題です。
・テンプレートのレギュレーション