えーっと、これは別に派手な絵とかないので。っつーか、あったらおかしいので。
『「冷淡な一面」に疑問を持つことなく、そのまま突きつけている』のは、foxさんの記事だけではありません。ビギナーから見るならば、思うにスクリプト禅問答も形は違えど同じであります。
長いスクリプトの“羅列”が“専門用語”(メソッドとか変数とか)と共に並べられているのを見たら、何の疑いもないビギナーはVRMに(少なくともVRM4に)冷淡で乗り越えがたい壁を感じるでしょう。
と言ったご指摘を1月15日に賜ったワケですが。先だって少し触れたように、VRM4EGの脱稿期限は1月10日でして、その最終の調整をやっていた1月3日から3日間、延べ12時間くらいかけて一気に書き上げたのが「スクリプトの教科書」です。驚くなかれ、全部で20万字強の本に対し、この教科書だけで5万字弱ある超大作(?)です。
そういうワケで、上引用の指摘を食らった時点で「あぁ、ちょっと突っ込むのが早いよ!!」とか「スクリプトの解説を一番書いてるオレにそれ言って、で、どうしろってんだよ?」とか、いろいろ脳裏には渦巻いていたワケですが、まぁ、別に私自身は困らないので黙ってました。いや、まぁ、ネタですから気にしないでください。>45-50s殿
VRM4スクリプトについては、VRM4EGのプロジェクトメンバー(啓明さん、しおじさん、ghost)の中でも、2005年初夏のキックオフの時点から、どう扱うかについて議論の的になっていたものの1つでもあります。
これは、I.MAGiCの中の人にインタビューした記事にも出てくるのでご精読いただきたいと思いますが、スクリプトはVRM4の数ある要素のほんの一部でしかないんですけれども、やはりVRMユーザーは大半がコンピューティングのメインストリームの人ではなくて、鉄道ファンで、かつPCも触る人ですから、そのギャップの差から過剰反応を受けてきた経緯があります。
で、エキスパート級のVRMユーザーはかなり早くからこのギャップを意識していて、2005年の6月13日に啓明さんが書かれた・・・
「スクリプトは初心者ですので」というのは全く意味がありません。なぜなら、スクリプトはVRM4になって初めて登場したもので、この1月より前にはこの世に存在しないものだったからです。つまり、私を含めて誰もが全員初心者なのです。
なんかが端的にこれを表現していると思います。
不愉快に感じる方もおられるかも知れませんが、当時、そして今も、スクリプトは面白そうだから興味はあるんだけども、実際にサンプルコードレベルで示されると取り付く島がなくて、で、理解できない自分と直面するのはしんどいので、とりあえず「スクリプトなんてクソだ」「VRM4なんか嫌だ」って発言して合理化している人は、少なくないワケです。で、下手すると、善意でサンプルコードを示している人間が「冷淡だ」って非難される。
我々VRM4EG執筆陣もここに頭を悩ませていて、スクリプトで面白いことがいろいろできるのは明らかで、本の読者にも解説したいんだけれども、これにどんな反応があるかは未知数だと。特に、ちゃんと解説しようとするとどうしても字数が増えて、しかも紙面が難解なスクリプト命令だらけになる。で、やはり、これには感情的に反応する人が結構いるだろう、という我々の懸念は妥当であったろうと思います。
そこで、当初方針としてはあまり積極的には取り上げないでおこう、と。とりあえず、VRM4の情景を作る面白さを前面にだそう、という流れになったんですね。とは言え、それでは皮相的に過ぎるので、私は様子見も兼ねて
VRMスクリプト禅問答の連載を開始し、どのレベルまで読者の皆さんが受け入れ得るのか探りを入れて来たワケです。
同時に、スクリプトがまったくわからないワケではないけれども、何か骨のあるテーマに挑みたいと思っているある意味「ハッカー的」な指向を持った人が結構潜伏しているのは明らかだったので、敢えてちょっと難し目のテーマ設定をしてきたんです。この時点では初心者向けのガイドは、そのうちスーパーバイザーとかから出てくるだろうと思っていた、というのもあります。
で、VRM4EGの脱稿直前になって、はたと、スクリプトの入門的読み物が、
一部の例外を除きほとんどネット上にも存在していないことに気づいたんですね。こりゃマズいし、何よりもVRM4のスクリプト機能が活用されないのはもったいない。で、一気に書いたのが「スクリプトの教科書」です。
これは基本編/実践編/発展編からなってまして、大体それぞれ分量は同じくらい、1万5千字ちょっとずつです。で、基本編は「メソッドって何」「イベントって何」という概念の説明に費やしています。実践編は「こんなときどうする?」をキーワードに、3つの事例について具体的に着想からスクリプトを書くまでのチュートリアルになっています。発展編は有り体に言えば
VRMスクリプト禅問答の中から、特に応用の広い事例を抜粋して再編集したものです。
で、私は、プログラミング言語の学習に際しては、極力「たとえ話」を排して本質だけを整理し淡々と書くべきだ、という立場の人間ですので、すごく無味乾燥な5万字強になっています。が、わからないながらも繰り返し読んでいただくと、じわじわとボクシングのジャブのように、遠足の友の都こんぶのように効いてくると思いますので、VRMスクリプトにこれから挑戦しようと思っている方には必携の書になると自負しています。
なお、やはりこれもオンラインドキュメントとして収録しました。紙じゃないと読めない、とおっしゃる方がおられるのは承知していますが、こんなもんで紙面の大半を占めるのはバカげていますし、何より、紙でないと読めないとおっしゃる方は、紙で読んでもわからないことが多いです、残念ながら。この点は、本を現実的な価格に抑え、かつ、持ち歩ける厚さ・重さに収めるための措置ですのでご容赦ください。