私にゃ、実在の鉄道風景をVRMレイアウトで作る事自体が、なんとも無理なご様子です(T T
fox-hobby-blog/西伊場第1踏切 より何と言うか・・・
作っておいて、
なんとも無理もないだろうに(苦笑)
という気もしますが、それはさておき。
ここでfox氏は謙遜気味(ですよね?)に「実在の鉄道風景をVRMレイアウトで作る」のが、fox氏にとってはなかなか難しいテーマであると表明されているワケですが、ここで難しいとされている「実在の鉄道風景をVRMレイアウトで作る」というのが、具体的に何であるのかについては、自明なようで、実は未定義のままであることに、読者諸兄はお気づきでしょうか?
VRMレイアウトというものは所詮PC上のデータに過ぎないワケで。それが、どういう条件を満たせば「実在路線再現レイアウト」になるのか、というのが今日のお題です。
先に結論を書くと「作った本人がそうだと主張すればそうなのだ」というのがボクのスタンスですが、それではあまりに芸がないので少し追求してみましょう。と言っても「コレコレの条件を満たさなければ実在路線再現とは認めない」なんて主張は不毛です。
そこで、ghost的には毎度のお約束パターンですが、クリップ済みの「自称実在路線再現レイアウト」の傾向を分析し、それぞれのレイアウト作者が何を以って「実在路線再現」と自認しているかを抽出してみることにします。どうやら、大きく分けて3つのアプローチに集約されるようです。
●デフォルメアプローチ最大派閥となるのは、実在路線から印象的な構造を抜き出し、それを随所に散りばめつつも全体としては実在路線とは異なるものに仕上げる、というアプローチです。
●ファインスケールアプローチ
これが最も顕著に見られるのはまゆきち氏としおじ氏の作品群で、特に、作品タイトル無しでもモチーフとなった路線を知っていれば、見る者をして「あ、これアソコだ!」と気付かしめるにも関わらず、レイアウトの多くがエンドレスループ完結している(つまり、実在路線そのものではない)という共通点があります。リアル鉄道模型施工を前提にデザインされた拙作碓氷峠風レイアウトは、このアプローチの極北に当たると言えるかも知れません。
これが最大勢力になっているのは、もちろん、まゆきち氏がそうしているからですが、実はこのアプローチは実在路線再現という意味では最も難しい、極めて高度な抽象化とデフォルメセンスが要求されるもので、簡単だから多数派なのではない、という点は強調しておくべきでしょう。これに対する正反対のアプローチとして、実在路線をNゲージスケールにスケールダウンしてそのまま作ってしまえ、というものがあります。永鉄氏のモジュール作品や、拙作動画の一部がこのアプローチを採用しています。一般論的に「実在路線再現」という言葉がイメージさせるのはこのアプローチであり、おそらくfox氏が「無理」と言ったのもこれではないか、と思われます。
●両者折衷的アプローチ
このアプローチには、前述したようなデフォルメセンスが要求されない(永鉄氏がナンセンスだ、という意味じゃないですよ、念のため)と同時に、正確な地図さえ入手できれば製作も容易だ、という特徴があります。一方で、VRMのシステム的な特性の制約を受けやすいアプローチでもあります。
その最たるものはレイアウトサイズです。VRMでは最大20m四方のNゲージレイアウトを作成できますが、Nゲージでは巨大に過ぎるこの大きさも、実寸スケールに換算すると僅か3Km四方です。また、この面積を部品で埋め尽くすのは、実運用上はPCのパワーが不足してあまり賢明ではありません。
加えて、カーブレールの曲率制約もあります。VRMのカーブレールは鉄道模型に準じて超急カーブですから、有り体に言えば実景のファインスケール再現にはあまり向いていません。
現時点では具体的な作例を存じ上げませんが、将来的には、啓明氏が唱導しておられるビネット的手法とこのアプローチが融合することで、デフォルメ系作品とは一線を隔てた何かが生まれる可能性があると期待されます。最後に、前述両者の折衷的なアプローチがあります。拙作動画の大半や、おそらくjunichi氏あたりもこの線に落ち着くのではないかと想像しているのですが。つまり、ファインスケールは狙わないけれども、まゆきち氏やしおじ氏の作品ほどにはデフォルメせずに、むしろ写実的な描写をおこなったレイアウト、ということになるでしょうか。
言うまでもなく、ボクの意図は、これらのアプローチの優劣を論じることではありません。それぞれに一長一短がありますし、モチーフとなる実在路線との相性もあるでしょうから、適時使い分けるものだと思っています。また、本稿で取り上げていない、まったく別のアプローチもあり得るでしょうから、そういうカウンターアタックの誕生にも期待したいところです。
思うに、デフォルメ(エンドレス)アプローチとこのアプローチの差異というのは、リアル鉄道模型レイアウトにおけるエンドレスループ化の採否に通じるテーマのような気がします。つまり、模型としてのデフォルメには甘んじるが、レールの敷き方をも模型に準じるか、あるいは走行継続性を放棄してでも実景寄りに仕上げるか、というスタンスの違いです。この点については、別の視点からまとめた拙稿がありますので、そちらもご参照ください。
一方で、ここまで書いて気付いたのですが、これらのアプローチを混合的に使い分けている人は意外にも少なく、皆さん「これが俺流」というこだわりをお持ちのように思います。そして、これらを普段から混合的に使い分けるVRMユーザーを想起したとき、啓明氏、しおじ氏、そして私と、VRM4EG執筆メンバーが思い浮かぶのは、決して偶然ではないような気もします。
で、この分析を通じて言いたいことは、要するに、
スーパーバイザーが安易に「無理」なんて言ってんじゃねーぞ、ゴルァ(w>fox氏
ってことです(笑)。投稿者: ghostトラックバック(0)