本稿はVRMovies BBSに投稿した拙文をリライトしたものです
何を今更だがVRMは「鉄道模型シミュレーター」である。鉄道模型趣味において、車輛自作は欠くべからざる一分野である。然るにVRMでは車輛を自作することができない。したがってVRMはけしからん、云々。
というのが、これまで繰り返し語られてきたVRMに対する不満の最たるものである点については、読者諸氏にもご同意いただけよう。ところで、諸君は「本当にVRMに車輛自作機能が必要だ」とお思いか?
やや曖昧な問いなので表現を改めよう。VRMに車輛自作機能が実装された暁には、他ならぬ貴殿自身が自作車輛を作成し、それをネット上に流すつもりがおありか?
答えがYesの方にもう1つ。では、貴殿はI.MAGiC HOBBY WORLDで公開されているVRM2仕様の車輛製作に挑戦したことがおありか、或いは少なくとも
その仕様書(要AcrobatReader)を読んだことがおありか?
結論から申し上げると、拙者、VRMユーザーに「自分で車輛を作りたい」というニーズはないと思っておるので御座る。より厳密に言うと、誰もが「自分が欲しい車両を誰かに作ってもらいたい」と他力本願しているのであって、自力でなんとかしようなどというユーザーは皆無か、いても一人か二人だろう。
いや、それはVRMに車輛自作機能がないからそういう気骨のある人が出てこないのだ、と貴殿は思うかも知れない。それは半分は正しいが半分は間違っている。本当にやる気と実力のある人間は道具の良し悪しを問わない。弘法、筆を選ばずとか。
Tatsuo氏のVRM3レイアウト作品群が既にVRM4の車輛(視点)制御を先取りしていたことを想起すべし。
リアル鉄道模型の世界も同様である。初めから車輛自作の環境が整っていた規格などありはしない。自腹を切ってでもあらゆる部品を自作してこだわりの車輛を作ろうと挑み、そして完成させる愛好家が登場して初めて、メーカーは「あぁ、この市場なら部品を投入しても商売になる」と考えるもの。こうして台車やカプラー、パンタグラフといったパーツが誕生し、車輛自作の環境が整っていくのである。
これをVRMに訳して言うならば、I.MAGiCから現行の3Dモデリングツールを聞き出して、自分で同じモノを買って、I.MAGiCにとりあえず作ったものを送りつけて実力示して、仕様を聞き出して準拠したものを作り直して、再度送りつけて追加車輌として売り出してもらって、その売上の一部をいただく、といったところだろうか(V2の車輛仕様公開はこれを狙っていたようだが、少なくとも拙者は実現した例を知らない)。
そこまでするユーザーが現れないということは、先に結論を書いたように、VRMユーザーに「自分で車輛を作りたい」というニーズはない、と考えざるを得ない。少なくともI.MAGiC社はそう考え、車輛自作用の環境を整えるよりは、もっと他のユーザーに訴求効果がありそうな事柄に投資して当然であろう。
逆に言うと、もし貴殿が本当にVRMには車輛自作機能が必要だと思うのであれば、上に書いたようなことをすればよろしい。すなわち(1)I.MAGiCから現行の3Dモデリングツールを聞き出す(2)自分で同じモノを買う(3)とりあえず作ったものを送りつけて実力を示す(4)仕様を聞き出して準拠したものを作り直す(5)追加車輌として売り出してもらってその売上の一部をいただく、である。
気の長い話に見えるかも知れないが、最初にやることは(1)要するにI.MAGiCにメールを書くだけだ。今すぐにでも出来る。時間とカネがかかるのは間違いないが(5)までたどり着けば投資分は回収できるだろう。こういったことが2例、3例と発生すれば、車輛自作機能についてI.MAGiCも手をこまねいてはいまい。
と言うワケなので、気骨ある御仁は挑戦してくだされ。拙者は、成功の暁に(5)の成果物を購入し、貴殿の収益にささやかながら貢献申し上げ候。切腹ッ!!