Willi氏が拙Weblog英語版にこんなコメントを残しておられました。
[原文]And now I'm working on my first layout :)
[訳文]そして今、私は最初のレイアウトに取り組んでいます。
Bahnsim PROが世に出た時点で、何よりもボクが期待していたのは、欧州のユーザーがVRMをどのように使うか、が見れることです。いよいよ、その実例にお目にかかることが出来そうです。モノが公開され次第、何らかのレビューを書くつもりですのでお楽しみに。また、ボク以外のネットVRM諸兄におかれも、氏の作品を受けてのリアクションに期待しています。一言感想でもいいですし、本格的な批評でもいいですし、氏の作品を改造して送り返す、というのも一興です。日本語で書かれたものは、漏れなく英訳するつもりですので。
おそらくは我々からすると「えっ、そんな風にしちゃうの?」と言いたくなるようなものが出てくるんじゃないか、と思います。それくらいに、我々と欧州の人たちの間には、普段は取り立てて意識していないけれども、本質的な部分で思考や行動を大きく左右する“文化”に違いがあるということです。そして、その違いを、たかが「汽車ぽっぽゲーム」を通してとは言え、感じることは、非常に刺激的な体験になるだろう、と思うワケです。
また、洋の東西を問わず普遍であること、も当然あります。Willi氏はスイス人ですが、「あぁ、スイスの人もそうなんだ!」という発見がきっとあると思います。こういうところにも注目してもらえると、よりこのムーブメントを楽しめると思います。
ちなみに。彼の作品やその後に続くアッチの人の作品のレビューを、日本語とは言えネット上に公開することについて「おかしなことを書いて嫌われたらどうしよう」とビビって書けない方もいたりするのかな、と思いますが、そういう心配は無用です。
一般的に、欧米人は自分自身の人格に対する評価と自分の作品に対する評価を混同しません。このへん、自分とは異なる見解を示されると自分のすべてが否定されたと思い込んでヘコんだり、あるいは自分とは異なる見解を示す人に対して人格攻撃をしてしまいがちな日本人とは大きく異なる点です。
と言うか、仮に怒らせたとしても、あなたをぶん殴るためだけにわざわざ来日するような暇人はいないでしょうし、それを理由に「日本人はけしからん!」なんて一般化するバカもいないでしょう。せいぜい「日本に一人、嫌なヤツがいる」と思われるだけの話です。最悪、「オマエの使った翻訳ソフトがアホなのだ!」と強弁して誤魔化す手もあるし(笑)。
* * *
以下、余談になりますが。
過去のボクのささやかな海外の人たちとの交際経験を省みるに、最も気が合った(ように勝手にボクが思った)のはスペインの人たちでした。これはボクが関西人であることとも関係するように思うのですが、彼らは一言を発する際に、ともすれば「相手を楽しまそう、笑わそう」という意図を感じさせます。わーっと騒いで楽しむのに、彼らほど愉快な人たちはいませんでした。
一方で、オランダの人とスイスの人には、共通して論理的な議論を好む傾向を感じていました。意見の違いも含めて、お互いの見解が議論を通じて明確になっていくことを好む雰囲気、という意味で、しばしば日本人のネットコミュニティで見られる「勝ち負けにこだわる議論」とは大きく異なるものです。
勝手な想像ですが、これはオランダもスイスも極端にマルチリンガルであることと関係が深そうに思います。
スイスには公用語が4つもあることは先に紹介しました。オランダは、公用語はオランダ語ですが、ボクの知り合った人たちのほとんどが英語、仏語、独語を当然のように使いこなしていました。多分、オランダはそうでないとやっていけない国なんだと思います。で、こういう国では、そもそもお互いが何を考えているのかを言葉を介して理解し合えること、それ自体が喜びなのかも知れません。このへん、普通に暮らす限りにおいて単一の言語を使っていれば「わかりあっている」という幻想に浸れてしまう我々とは違うのかな、と。
以上は、前述したようにボクの僅かな体験に基づく見解ですので、決して鵜呑みにしないでください。鵜呑みにしてしまうと、それは単なる偏見になってしまいます。
で、敢えてボクがこの余談を書いた理由は、願わくは読者諸兄に、今般のVRMを介したコミュニケーションを通じて、一人一人の中に「ドイツの人はこんな感じ」「スイスの人はこんな感じ」というイメージを育てて欲しい、と思うからです。他人からの受け売りではなく、自分で感じたそれを、です。
良し悪しはさておき、世の中には時節柄「北朝鮮はこのようにけしからん」「中国人はこのように無礼だ」「韓国人のここがムカつく」といったような言説が溢れています。これらは、誰かがそのように感じた、という意味では、決して嘘ではないと思います。が、個々人がどう考えるか、どう感じるかはまったく別問題であり、直接かの国の人々と接することがないままにこのような言説を鵜呑みにすることは、相互の理解を阻害するのみでまったく建設的ではありません。
まぁ、たかが「汽車ぽっぽゲーム」ではあるんですが、それを通じて、読者諸兄個々人に、そういう世の中の声とは違う、自分なりの国際感覚の一端を肌で感じてもらえれば、たとえビジネス的に失敗に終わったとしても、Bahnsim PROにそれなりの存在意義を見出せるのかな、とか思ってます。