カテゴリ“VRMナノ?”を新設しました。読んで字の如く、
ここで提唱した“ナノ−タネ”を自ら実践する企画です。要するに「VRMレイアウト作りに役立つ技術記事ではあるけれども、実はVRMの話ではない」という内容になります。ゆえに“VRMなの?”です。うまいこと言うなー、我ながら。
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VRM4第5号ユーザー限定になるんですが、とりあえず
ここで紹介したポータブル編成“EF65+14系「あかつき1号」”をダウンロードし、ビュワーで見てください・・・というか、聴いてください。スハネフ15に近付きますと、オハネからは聴こえないノイジーな音が聴こえてきます。特に機関車次位だと、EF65の機械音も混ざっていい感じです。
要するに、12系・14系の床下の発電用ディーゼルエンジンの音を表現してみたワケですが、今回、これを実車からの録音を使うのではなく、PC上で純粋にデジタル合成した音でやってみました。
上野は地下ホームだから反響で音が割れる。東京は騒がしすぎてきっと無理。
ボク自身はいわゆる「録り鉄」経験がないのでアレなんですが、上引用のmoko氏や、やはりその筋の作例を出してくれている
toukaidou211氏の話を聞くと、鉄道車両のピュアな音だけをVRM用に切り出すのが容易ではないことがわかります。
無論、本物サウンドに越したことはないですから、その筋はその筋で精進いただくとして、引き篭もりインドア派なボクとしては、PCの前に居ながらにしてピュアな音だけを作りたいな、と思い、実験的にやってみた次第です。
今回使ったのは
コレです。

<DreamStation DXi>
アナログシンセサイザー(のエミュレーター)です。
既にこの時点で多くの読者が
ドン引きのような気もするのですが(VRMより高価だし)、
フリーのものもあるようですし、意外に直感的に好みのサウンドが作れるので、とりあえずは引かずに読んでください。
最初にやったことは
“スハネフ エンジン 音 mp3”でググって目指すべきサウンドを確認することでした。幸い、いろいろ出てきます。で、適当なヤツをダウンロードしてスタジオウェア(ボクの場合は
cakewalkです)に取り込みます。
あ、勘違いしないように。この音をパクったワケではないので。このトラックのパンニングバランスを右へ振り切って、片耳のみから聴こえるようにした上で、上掲のアナログシンセの音は左から鳴るようにし、両耳に聴こえる音が似るまでシンセの音色をいじくった、というのが今回の方法論です。先進的なのか原始的なのか、既にワケがわかりません。
音作りの戦略についてお話しておくと、アナログシンセサイザーというのは、モノにもよりますが、基本的な波形の音を積み重ねていって(synthesize=合成する、ですから)音を作っていきます。まず、エンジン音の奥底に聞こえる音程を100Hzくらい(とりあえず普通のドレミファの2オクターブ下、とでも思ってください)と見積もり、これをノコギリ波(音の強弱変化が直線的な波形、機械的な音になる)で出力しました。これが、パネル左上のOSCILLATOR1(oscillator=発振機の意)です。
これだと単に音程の低い「プー」という音がするだけです。よりノイジーな感じを出すべく、もう1つのノコギリ波を少しずらして重ね、音色を「ブー」に近づけます。これがOSCILLATOR2のお仕事。続いて、OSCILLATOR3にはいわゆるホワイトノイズを高い周波数で出力させ、「ブー」を包み込むように「ジャー」という音が出るようにしました。
この時点で既に雰囲気的には実物のエンジン音に近い感じにはなっているから驚きです。ここで改めて実音の方をよく聴いてみると、音程にゆっくりとした周期的なうねりがあることに気づきました。機械工学は門外漢なので詳しくはわかりませんが、おそらくはエンジン及び車体の構造に起因するものなのだと思います。これを再現すべくLFO(Low Frequency Oscillator=低周波発振機)を重ねます。これでゆったりとした音のうねりが加わります。
さらに、ちょっと音の厚みに欠けるような感じがしたので、歪み要素(パネル中のDIST=distortion)を加えてやります。いかにもコンピュータ音、という感じではあるのですが、かなり実音に近いものが出来ました。この時点で実音に対して欠けているのは、直感的には環境音のように思います。つまり、我々が鉄道車両の音を聴く際は、機器の発する音のみを聴いているのではなく、周辺からの反響音も合わせて聴いているワケで、シンセサイザーは純粋な音を発振する分、その環境音に欠けるワケです。
そこで、以下はアナログシンセの作業ではなくなりますが、ここにリバーブ(いわゆるエコー)を加え、さらに、より金属音っぽさを出すべくフェイザー(cakewalk付属のプラグイン的にはコーラスの一種なんですが)を、最後に実音のバランスに近づけるべくイコライザー(いわゆるグライコ)で高音部の悪目立ちを押さえたのが、今回リリースしたポータブル編成ファイルに収録されている“スハネフ発電機エンジン音もどき”です。
実際には、VRM4は音声リソースをループ再生しますから、ループ時の「ブッ」というノイズを押さえるべく、cakewalkが吐いたwavファイルを波形編集ツール(
コレを使いました)で頭とケツの音量が揃うようにトリミングしています。今回はこの行程がやや不徹底で、わかる人にはループのタイミングがわかってしまうと思います。この点は研究の余地ありです。まぁ、実音から音声リソースを作る場合もコレは問題にはなるんですが。
洒落のつもりで着手したワリに順調に作業が進んで、それらしい音を得ることが出来ました。所要、2時間程度。慣れればもっと早く出来そうです、目指す音にもよりますが。今回目指したのは純然たる機械音ですが、チョッパ作動音やVVVF駆動音なんかは、どっちかというとシンセサイザーの発音原理に近い電子音ですから、むしろこのアプローチの方が面白い音が作れるんじゃないか、とか思っています。
今回のエンジン音については、既にいくつか内々に改善を指摘するコメントを頂いてますので、近々リベンジするつもりです。また、何か他にテーマがあれば振ってください、挑戦してみますので。合わせて、読者諸兄におかれても、アナログシンセサイザーに限らず、他のツールで同様のアプローチを試みられた際は、是非レポートをお願いしたいと思います。