以下は、個人的な経験則に拠っているので、人によっては異論がある話だと思いますが。と言うか、異論を伺いたい、というのが主旨です。

<殺風景なのもアレなので、仕掛かり中の作品から一葉>
ボクのVRMレイアウトの作風は、かなり多岐に渡ります。極端な写実をするかと思えば、大胆に抽象化もしますし、リアルNゲージ施工前提の設計もやりますし、ベタな冗談もやります。
それぞれに、レイアウトの作り方は大きく異なります。レールの敷き方ひとつ取っても、動画化前提の写実作では審美的な配置となるべく(特に留意しているのは、走行車両が視界から途切れる瞬間でしょうか?)何度もビュワーを起動してカーブ半径等を調整したりしますが、リアルN施工前提の場合は、ことトラックプランについては、作業中は一切ビュワーを起動せず、パズル的にエンドレスループを組み上げることにのみ注力します。
一方で、これだけ異なる手法を手がけつつも、すべての作業に共通する“クセ”というか“ツボ”というか、とにかく、共通傾向があることに最近気づきました。で、どうもコレは、ボクの個性というよりは、VRMのあり方がそうさせているような気がしたので、ネットVRM界隈に問うてみたくなった、というのが本稿の執筆意図です。
着目点としては、
こちらの拙稿で述べたことに通じる話です。これはリアル鉄道模型レイアウトの話ですが、要するに、一連の作業の中で、サクサクと進むステップと、やたら時間がかかってストレスフルな局面とがある、という話です。多分これは、どんなレイアウトを作るか、とは関係ありません。
で。どうも、VRMレイアウト作りにも同じような波があるようで、これもどんな作風/手法を取ろうとも、だいたい同じようなところでストレスフルになり、それを通過すると、やたらサクサク進んでアッという間に仕上がる、ということがあるように思います。
リアル鉄道模型とは異なり、VRMには必ず守らなければならない作業順序というのがないか、あっても弱い制約です(
拙著「鉄道模型シミュレーター・レイアウト設計と製作」で論じた“縦展開依存”問題)。なので、必ずしも常に以下の順序で作業しているワケではないのですが・・・
線路敷設
↓
主役部品配置(駅など)
↓
架線敷設
↓
地形造成
↓
地形表面処理
↓ ←冒頭写真のレイアウトは、マクロ的に今ここ
脇役部品配置
↓
植林・小物配置
概ね、上のような流れで進む作業(繰り返しますが、これは“概ね”の話であって、実際は順序が入れ替わったり繰り返されたりします)のうち、どうも「架線敷設→地形造成」の段と、「地形表面処理→脇役部品配置」の段が、ボクにとってはやたらとストレスフルであることに気づきました。
ちょっと説明しにくいのですが、「地形造成」がしんどいワケではありません。「架線敷設→地形造成」と進もうとする瞬間に、強いストレスを感じて止めたくなる、とみたいな意味です。なぜか「架線敷設」と「地形造成」のそれぞれ自体には、特にストレスを感じるワケでもなく、やり始めてしまえばサクサク進みます。
まぁ、なんでそうなるか、ということについては“仮説”ならあるんです。つまり、前述したように、大枠においてVRMレイアウト作りは、リアル鉄道模型レイアウト作りと比べると、作業工程間の依存関係が低いので試行錯誤が容易(要するに“やり直し”が可能)なんですが、一部に例外的なものがあって、第一には「架線敷設と地形造成の成果物を水平移動できないこと(完全不可能)」であり、第二には「部品密度が高まった領域の調整に際し、部品選択が困難(不可能ではないが面倒)」であるワケです。
前述した「架線敷設→地形造成」「地形表面処理→脇役部品配置」の段がこれにそれぞれ対応していて、次工程へ一旦踏み込むと容易に戻れないことが明に暗にわかっているから、踏み込むのに躊躇し、それがストレスになる、っつーことなんじゃないか、と。
が、他のVRMユーザー諸兄も同様に感じているかどうか、がわからないのでイマイチ自信がないです。ネットVRM界隈に氾濫する書き物を見ても、こういう視点(まさに“マクロ”視点なワケですが)で論じているものをあまり見ないので。逆に言うと、この問題に触れることの困難さが、ネットVRM界隈のミクロ指向の遠因である可能性もあるかも知れませんし、ないかも知れません。
* * *
と、今日は火種だけを置いて終わります。おおまかなマイルストーンを示しておくと、
(1) 本稿で述べた仮設は妥当か。この仮説の是非を検証する方法はあるか。
(2) 仮説が是であるとして、この問題を回避するためにVRMに期待される改善点は何か。
(3) 仮説が是で、かつ、VRM自身に改善が期待できないとした場合、VRMユーザーがこの問題を上手く回避するにはどうすればいいか。
みたいな派生議論があろうかと思います。で、誰も食いつかなかったら「なんだ、オレだけが製作作業中のストレスに負けるヘタレかよ」と嘯いて不貞寝します。