2018/7/5

身の毛もよだつプロの戦い  将棋

◆イ図を見てください。先日の▲藤井七段ー▽豊川七段の順位戦です。
(イ図)
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後手豊川が何気に垂らした▽5七歩。
これをタダじゃんとばかり▲5七角と取るとエライことになる。
以下▽1五角▲3六飛▽3七角成▲同飛▽4五桂!!(ロ図)
(ロ図)
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先手の陣形からして飛車は渡せない。かといって飛車が逃げれば角が全くのタダ。
おまけに▽5七桂成がそのまま銀取りの先手になる。怖ろしい狙いを秘めている。
◆そこはさすがに藤井七段、この狙いを看破して▲2四歩と突き捨て、▽同歩と取らせて▽1五角の飛び出しを未然に防いだと思いきや、後手は手抜きして▽4四角と飛び出す。以下目の上のタンコブとなりそうな歩を取り払う▲5七角に▽3五飛(ハ図)と飛び出してきた。
(ハ図)
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飛車いただき〜と喜び過ぎて▲同角は▽同角で飛車取りとなって後手を引く。
▲3六飛には得たりやおうと▽7九角打ち!王手だ。以下▲8七玉に▽6八角行成▲3二飛成(ニ図)となって後手が良くなる感じだ。
(ニ図)
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次に▽6九馬で先手が困る。先手玉の逃げ場所は9八しかない。そこで▽1四歩と突けば後手勝勢に思える。ヘボの読みですが(笑)
プロの狙いは怖ろしい。


2018/6/27

藤井聡太が右玉を指した!  将棋

◆先日の王座戦、何と藤井七段が右玉を指してくれた。右玉好きな私には絶好の
バイブルになる^^:(図)⇓
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ところが深浦九段の▲1八香に殺気を?感じたのか。藤井聡太の▽6一玉(A図)が波乱を呼んだ。
右玉の玉の遷都は有名な手筋である。右玉の玉は薄い。でも陣形内は広い。この利点を生かして危険地帯から玉を引っ越すのである。とりわけ桂馬を早く跳ねるので9筋は弱い。
先手の狙いは▲6八玉〜▲9九飛の端攻め。これを喰らったら右玉はひとたまりもない。
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だから後手藤井の▽6一玉は自然な一着と云えなくもない。
先手深浦のアンテナが「▽6一玉は疑問なり」と囁いた。先手猛然と▲2四歩▽同歩▲2二歩!(B図)
これで藤井の顔面蒼白かと思いきや、意外に涼しい顔(笑)
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玉が7二のままならこの手はない。地下鉄飛車の利きがあるから▽3三桂に▲2一歩成は▽同飛車でただの2歩損。
どうも深浦さんは9筋攻めを見せれば、後手は玉を移動するに違いない。その瞬間を狙って▲2四歩なら1ポイント取れるだろうという読みがあったようだ。
ところが後手藤井の読みはその上を行っていた。▽3三桂▲2一歩成に抜く手も見せぬ▽9五歩!▲1一と▽9六歩(C図)
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後手藤井の主張は「あなたはと金を作って先に香得したけど、私も▽9七歩成が約束されているし、私の方があなたの玉に近い。あなたの「と金」は随分離れているし、と金の使い方が難しいでしょう」
ヘボの私がいうのも失礼だが、深浦九段の完全な作戦負けですねぇ これは…


2018/6/19

名人に定跡なし  将棋

◆なにげに見た2年前のNHK杯、佐藤天彦名人ー永瀬拓矢六段の対局の録画。
こんな仕掛けがあるのか!と驚いた。素晴らしい着想!さすが名人。
こんな仕掛けがあるのか⇓
やにわに仕掛けた▲3五歩!
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▽同歩に返す刀で▲4五桂!護衛戦闘機なしの出撃である⇓
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最近の将棋の特徴だが、桂馬を鉄砲玉代わりに使って、その間に仕事をする。桂損をいとわない傾向がある。
以下▽2二銀(桂馬を歩で取りたいからこうなる)▲1五歩▽同歩▲2四歩▽同歩▲同飛▽2三歩▲3四飛となった(途中図)。
(途中図)
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飛車が狭苦しい。大丈夫なんだろうか?と心配していたら
以下▽5一金(将来の▲6六角〜▲2二角成▽同金▲3一銀がある。▲6六角の時▽4一金と寄っておけば▲3一銀の割打ちがない。永瀬らしい慎重な指しまわし)▲1三歩▽同香▲1二角▽3三桂▲2一角成▽4一金▲1五香▽同香▲2二馬!▽同金▲3三桂成▽同金▲1四飛!(結果図)で飛車成が受からない。
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玉を囲う手を省いての仕掛け。まさに名人に定跡なし。
<佐藤(天)名人ー永瀬拓矢六段 棋譜>


2018/6/10

藤井聡太の甘い誘惑  将棋

◆藤井聡太七段は先日の竜王戦5組の決勝戦における石田直裕五段との対局で、一体いつの時点で▽7七飛車成捨てを読んでいたのだろうか。
この”成捨て”という言葉も、歩だとか、桂馬に使うケースが多いから、飛車に使うのは違和感がある。しかし歩と刺し違えたんだから”成捨て”なんだろうねぇ。
6月7日の図面を再掲してみよう。
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上図の展開は▽7六飛と銀を取った時点で想定内だったと思う。
次の瞬間、解説者もビックリの▽7七飛成が敢行された。でも私のようなヘボにでも
飛車が逃げる手はないと思う。その瞬間、▲6三銀成で将棋は終わる。いわゆる「必死」の
代表形(参考図)になるからだ。例えば▽7五飛と逃げた場合はこうなる⇓
(参考図)
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どう見ても後手 藤井聡太の負けだ。

◆だから藤井聡太がいつの時点で飛車切りを読んでいたかを解明するには、5手前まで遡らなければならない。それが途中図だ。
(途中図)
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7二にキズを抱えながら藤井が指したのは、金を取りつつ指した▽4八と、だった。
私でも▲7二銀と指すでしょう。そして内心「勝った〜!」と叫ぶだろう(笑)
石田五段もきっとそう思ったはずだ。
しかし7二の地点は童謡の「ほ ほ ほたるこい あっちのみずは にがいぞ こっちのみずはあまいぞ」だったのである。
「甘いぞ甘いぞ」というから飛びこんだ石田ホタル?。実は激辛の水だったのである(笑)。

◆棋譜の進行を辿ってみよう。
途中図以下、▲7二銀、▽8六飛、▲8七歩、▽7六飛、▲7七歩、▽同飛成!(A図)
(A図)
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よくよく見れば▽印の指し手は、全て「詰めろ」になっているのだ。
例えば▽8六飛にシメシメと▲6三銀成と指せば、▽8八銀▲同金▽6八金▲同玉▽8八飛成で詰まされる。▲8八同金とせずに▲6八玉と逃げても▽5八金以下簡単な詰みだ。
藤井聡太は将棋界が生んだ最高の頭脳かも知れない。

2018/6/7

まさに魔手▽7七飛成捨て!  将棋

◆天才、天才と云われてはいるけど、間違いなく藤井聡太は天才の上を行く。
ビックリした。
昨日の竜王戦5組の決勝戦、対石田直裕五段との対局、優劣不明の熱戦ではあったが、76手目に一閃した藤井七段の▽7七飛成捨て!!!???(A図)が魔手だった。
歩と刺し違えですよ 歩と(ー_ー)!!
でもどう考えても先手の▲6三銀成が入らないのだ。
歩の成捨ては聞いたこともあるが、飛車の成捨てなんて見たことも聞いたこともない。
(A図)
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◆成捨ての図がB図
(B図)
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▲同桂なら▽7六桂が詰めろ。▲同金は手順に跳ねた▽8五桂が詰めろ…。
どう対応しても先手の一手負けなのである。飛車を入手しても後手玉は詰まない。
解説の屋敷九段に言わせたら”歴史に残る名手”らしい(^0_0^)
それにしても凄い手を考えつくもんだ。強いなんて平凡な言葉では表せないね。
藤井聡太の強さは・・・
<竜王戦六組決勝 ▲石井直裕五段ー藤井聡太七段>

2018/4/13

名人戦堪能しました(@_@;)  将棋

◇達人同士の真剣勝負は凄まじい。最後までハラハラドキドキ。これこそゼニの取れる勝負でした。
「斬り結ぶ刃の下こそ地獄なれ 踏み込みゆけばあとは極楽」・・・
確か宮本武蔵が云ったとかいう言葉を実践したような達人同士の斬り合いだった。
佐藤天彦名人の投げ時も潔くて気持ちがよかった。
それにしても羽生さん相変わらず強い!。
中盤から終盤にかけてまるで大山15世名人の将棋を見ているような「王の早逃げ8手の得あり」を地で行くような指しっぷりにも感嘆させられた。
中盤には羽生さんの玉はA図の5八、ところが終わってみればB図の1八玉。さすがの佐藤天彦名人も追い切れなかった。
(A図)
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(B図)
金がもう一枚あれば詰むが…
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やむなく佐藤天彦名人は龍入手の▽6二角!と打つ。龍を渡せば先手玉は詰む。
どうするのか手に汗握って見ていたら、ビシッと▲5二歩!(C図)ライオンの横腹に刺さった小さなトゲ!先手は痺れた。
(C図)
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逃げれば角がタダ。取る一手に返す刀で▲8一龍!。▽同銀は▲6四桂以下簡単な詰み。
以下▽7五馬と詰みを消すが、龍を取れないようでは勝ち目がない。続く▲7二龍で潔く投了した。素晴らしい戦いだった。
(投了図)
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<羽生ー佐藤(天)名人戦第一局>


2018/3/25

ミラクル!藤井聡太の将棋  将棋

◇今度ばかりは苦戦するだろうと思った。対糸谷八段戦である。
それがなんのその。藤井六段のサーカス将棋炸裂であった。
大豪糸谷八段の鼻面を持って振り回したのは15歳の藤井聡太だった。
<▲藤井聡太六段ー▽糸谷哲郎八段 王座戦棋譜>

◇糸谷八段が藤井お釈迦様の手の平の中の孫悟空に見えた。西遊記を読んだ方はご存知だろう。
筋斗雲に乗って何千里も飛んだつもりの孫悟空が行き着いた先はお釈迦様の手の中だったって話ですよ(笑)⇓。
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戦いの火ぶたを切ったのは先手の藤井だった。後手糸谷の▽4四歩に間髪を入れずに打った▲6五角(A図)には驚いた。しかし解説者も誰も予想しなかった角打ち。みんながみんな▲5六角の是非を論じていたのを嘲笑うかのような角打ち。一見無筋のように見えて案外受けにくい。
角を合わせるにしても場所が難しい。▽4三角には▲同角成▽同銀▲3一角が生じる。▽5四角は▲同角▽同歩▲2三歩▽同飛▲3二角で最悪。何とかしないと次に▲2三歩が見えるから忙しい。
(A図)
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解説者も私も観戦者もみんなが驚いた一着が85分の大長考で放った▲2五桂!(B図)全くのタダの桂跳ね・・・!?。
(B図)
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そして仕上げは▲4三歩!!!(鬼図)まさに闇夜から飛んできた手裏剣!
(鬼図)
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またしても盤側の観客は「ギョエ〜!」である。
銀取りをどうするか、金取りをどうするか、飛成を実行するか、の局面だ。
今、プロ棋士たちを「ギョエ〜!」と云わせるのはまさに藤井聡太と羽生マジックの羽生竜王くらいのものだ。
羽生さんのプレイオフの対豊島戦の▲4三角成放置の「▽4八と」ももの凄かったけど
(参考図)
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藤井聡太に勝ち切る棋士は存在するのだろうか?。
糸谷八段を手玉に取るこの対局を観終わったときに感じたことである。

2018/3/21

棋王戦第4局  将棋

◇いわゆる棋士はプロなんだから、私のようなヘボの厳しい指摘も甘んじて受ける義務がある。私にはその権利がある。そこのところを上手くやっていこうじゃないか(笑)
昨日の▲永瀬八段ー渡辺棋王は2勝1敗で渡辺のマジックナンバー1。永瀬にとっては絶体絶命の背水の陣。
永瀬八段は千日手が”得意”の”特異”な棋士だということは前から知っていた。そんな将棋は嫌いだから彼の棋譜すら見たことがなかった。
でも昨日はAbema-tvで1日中中継していたから1日中PCの前に座って観戦した。
結論から先に云うと、永瀬さんが勝った。でも私に言わせれば実につまらない将棋だった。

◇どこがつまらなかったかというとこの局面以降である。
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敗色濃厚な渡辺棋王は最後の歩を使って▽8六歩と金頭を叩いた。永瀬は待ってましたとばかり▲7七角の王手歩取り!渡辺の望みを打ち砕くような一着だ。
駒台にある駒を合い駒にするには、一番安い駒でも桂馬だ。合い駒を使えばこの終盤で大きな戦力ダウンは免れない。
渡辺はやむなく▽3二玉と躱した。ここで当然▲8六金と歩を払うものだと思っていたら、何と▲8六角!?。驚いたねぇ。角の睨みを1一に利かせたままでの▲8六金のどこがいけないんだろう。
腹が立った。何かイヤな筋があったんだろう。とは思うが、ここは藤井聡太のように▲8六金をトコトン掘り下げてほしかった。もう観る気がしなくなった。でも永瀬が勝って二勝二敗。
最後ぐらいは”ゼニの取れる将棋”を指してほしい。
<棋王戦第四局 永瀬ー渡辺>

2018/3/19

最先端「雁木」U  将棋

◇雁木囲いに至る駒の進め方を図示してみる(基本図)。後手の2手目が▽3四歩の場合も角道を止め、同じように組めばよい。
「雁木囲いが組みあがるまで」


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この局面から後手の指し手によってA、Bと二つの有力な作戦が展開される。
A.▽4三金の場合
(枝分れA図)
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図以下▲6五歩▽3一角▲9六歩▽7四歩▲4八飛(A.進展図)
(A進展図)
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雁木囲いと右四間飛車はワンセットである。雁木には右四間飛車が相性がよいと覚えるべし。

2018/3/18

羽生マジック健在!  将棋

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◇昨日は将棋ファンにとっては忙しい1日であった。
午前中はNHK杯決勝の▲山崎隆之八段ー▽稲葉陽八段の対局。
そして順位戦の▲豊島将之八段ー▽羽生善治竜王のプレイオフ第4戦。
こちらは持ち時間6時間の長丁場である。

◇NHK杯はギリギリの捩じり合いを制した山崎八段が'04年以来の2度目の優勝を飾った。
若い若いと思っていた山崎さんもはや37歳。23歳の時の決勝が当時全盛の羽生さんだった。
その羽生さんを破って優勝した時は末恐ろしいほどだったが低迷が長く続いた37歳の今、2度目のNHK杯優勝は感慨もひとしおだろう。

◇その羽生竜王が「羽生マジック健在」を満天下に示したこの一着!解説の深浦九段は「えええ〜!」と絶叫!「これはあり得ません!」といったが、”あった”のだ(笑)
先手豊島の▲3五桂は普通の勝負手だ。ところが羽生さんは何を思ったのか▽4八と!!!
そこで深浦さんの絶叫が飛び出たのである(笑)
「これが勘違いではなく読み切った手なら恐ろしい人ですね」ときた。
♪なにを今さら川端柳〜♪という歌詞があったけど、羽生さんの恐ろしさは今に始まったことじゃない。昔から恐ろしい(笑)。
▽4八とは藤井聡太六段も真っ青な鬼手なのだ。
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以下▲2三角成▽同銀▲4三角成(参考図)で勝った”はず”だった。
(参考図)
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ところが羽生さんはもっと深く読んでいた。銀を取っての▽4八とで先手に手番を渡しても自陣が受かると……
つまり▲2三角成に▽同銀のヒマはないけど▽スッと▽5一玉(結果図)と引く受けの妙着を読んでいたのだ。それには▽4八とで入手した銀が受けの切り札になる。
(結果図)
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以下▲4三角成▽5二銀(途中図)でどうあがいても後手玉に寄せが見つからない。
(途中図)
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◇あとは本譜で羽生さんの妙技をご覧あれ。
<順位戦プレーオフ四回戦>
▲豊島将之ー▽羽生善治




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