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小説 五話「愛と平和に向かって」  小説

ナイアトラルクローはリミットの言葉を聞いて逆上。表情は獲物を狙う蛇のように変わり、リミットに近づく。
「面白いこという小娘だ。私と思考がよく似ている」

だが、リミットも引かずにナイアトラルクローを睨み返した。
「そうね、でもあたしはあんたのようにひねくれたりしないわ。例え悲しいことがあろうと精一杯生きてやる!」

黄金の剣士「リミットちゃん!」

リミットに襲いかかるナイアトラルクロー。危ういところを間に入る黄金の剣士。ナイアトラルクローと黄金の剣士ハニーは真っ二つに組み合った。

黄金の剣士「5000年の恨み?器が小さいね!笑わせるんじゃないよ。5年だか10年だか知らないけどね!?あんたよりも、リミットちゃんは潔く生きてるわよ!」

ナイアトラルクロー「なに!?おまえはいったい…」

「地獄の土産に教えてあげるわ!あるときは、冒険を恐れぬ遺跡調査隊員。またあるときは光り輝く黄金の剣士………だが、その実体は!ハニーーーフラァァッシュ!!」

鎧兜を脱ぎ捨てた黄金の剣士。
そこには赤い髪の凛々しい女戦士が立っている。

「愛の戦士!キューティーハニーさっ!」

リミットはハニーの変身に驚き言葉も出ない。だがその驚きは憧れへと変わった。

リミット「これが、これがハニーさん!?すごいわ!!」

ハニー「驚かせてごめんねリミットちゃん。これが私の本当の姿。私は人間じゃないのよ。アンドロイド、ロボットなの。」

リミットはさらに驚いた。
「ロボット…ハニーさんには何か違う雰囲気があったけど、やっぱりそうだったんだ。」


ナイアトラルクローは隙をつき、杖から巻物のような物体を放った。巻物は、リミットとハニーの体に巻き付き、たちまち二人を締め上げる。

リミット「きゃああ!」

ハニー「うぐぐ……リミットちゃんしっかり!」

ナイアトラルクローは二人を縛り上げると、扉を開けまんまと奥の部屋に入っていった。

ハニー「いけない!奴は黄金の素体を手にするつもりよ。なんとかしてこれをほどかなきゃ…」

リミットは巻物の隙間から必死に腕を入れると、胸のチェンジペンダントを回した。
「ミラクルパワーー!」

凄まじい腕力で巻物を引きちぎるリミット。つづいてハニーを解放する。

ハニー「リミットちゃんありがとう!」

リミット「ハニーさん!あいつが」

そのとき、奥の部から身の丈が数メートルはあろうかという巨大な女神像が表れた。これが黄金の素体と黄金の心臓を手中にしたナイアトラルクローの完全体だ。古代戦争で一国を滅ぼしたと伝えられる破滅のサイボーグである。

ハニー「こんなものを外に出したらえらいことになるわ!止めなきゃ!」

リミットは咄嗟に透視コンパクトを取り出すと、その反射光をクローの目に当てた。苦しみもがきだすナイアトラルクロー。その反動で、遺跡内部が音をたて崩れはじめる。

リミット「ハニーさんはやく!さっきハニーさんの変身する光りに目を隠していました!こいつは光りに弱いんだわ。」

ハニーの投げたシルバーフルーレが胸に突き刺さる。ナイアトラルクローは悲鳴をあげ死んでいった。遺跡の崩壊と共に彼女の5000年の恨みは消え去ったのだ……

ハニー「終わったわね」

リミット「あ!ボスは元通りになったかしら?」

ハニー「クローの魔力は消えたから大丈夫よ。心配いらないわ。」


一円 与三郎「ボスー」「しっかりしてくだせえ!」

気がつくボス。傍らにはいつのまにか戻ってきた与三郎と一円が。

ボス「お、おまえらよくも!」

一円と与三郎は逃げずに黙っている。

ボス「なんだ?逃げねーのか」

与三郎「だって俺たち」
一円「ボスが本当に死んだのかと…」

ボス「お、おまえら……」

三人はわっと泣きあった

ボス「心配するな!俺たちは死ぬも生きるも同じと誓った仲だ!俺がおまえらを残して死ぬものか!な、与三郎、一円!」

その一部始終を見つめているリミット。「ボスったら……」

そこへ坂田先生たちがやってきた。
「おーい!西山ぁ石橋!おまえたち今まで何をやっていたんだ!」

リミット「しまった!先生たちだ。」

坂田先生「遺跡の中で崩落があったそうだ。急いで駆けつけたが…とにかくみんな無事でよかった。それにしても、勝手な行動するなといつも言ってるだろう!」

リミットたちが、その後めちゃくちゃに叱られたのはいうまでもない。
帰り際、リミットはもう一度ハニーに会うことに。

ハニー「リミットちゃん、あなたって不思議な子ね」

リミット「ハニーさん…ごめんね。黙ってたけどあたし本当は…」

ハニー「ううん、知ってる。私には全部お見通しよ!」

リミット「ハニーさん…」

ハニー「リミットちゃん、科学ってのはね…人に思いがけない力を与えてくれるわ。でも一歩使い方を間違えれば取り返しのつかないことになるの。あなたに与えられた力は、みんなを幸せにするためにあると思う。」

リミット「ナイアトラルクローのような悲劇を繰り返さないために、あたしも努力します。」

ハニー「私も、この戦いが終われば、お父様の願いを叶えたい。私の中にある力を使って世界を平和にしてみせる!リミットちゃん、そのときはまた会いましょうね!」

リミット「ええ、必ず。」

二人はしっかりと握手を組む。そこへ
青児が向かえにきた。
「おーーいハニー!」

ハニーはリミットに手を振り別れを告げる。リミットも今日の出来事をずっと忘れないだろう。

青児「無事でなによりだよ…ハニー。それにしてもパンサーは片付けたのかい?」

ハニー「リミットちゃんの協力もあってね!おかげさまで。」

青児「なんだ、ハニーもリミットちゃんに助けられたのか。はは…」

ハニー「リミットちゃん、不思議な子……。いつかまた会える……」

ハニーと青児を乗せた車は緑が丘を離れていった。


☆終わり☆





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小説 四話「悲劇のナイアトラルクロー」  小説

薄暗く日の光りは一切届かない緑が塚古墳の内部。だが、不思議なことに、道順やお互いの姿ははっきりとわかるほど内部はよく見える。
リミットはハニーの後について行った。

ハニー「なにか罠があるかも知れない。リミットちゃん気をつけて。」

リミット「ええ、ハニーさんもね。」

そんな二人を見張っている者がいる。ナイアトラルクローだ。
「バカなやつらだ……黄金の心臓は既に私のもの。そしてこの遺跡のどこかにあるという黄金の素体。何としても奴らより先に見つけなくては…。」

ハニーとリミットはどんどん奥に進んで行く。

ハニー「ところでリミットちゃん。あなたはこの遺跡に何があるか知らないでしょう?」

リミット「授業だと大昔の王様のお墓って習いました。でもお墓にしては確かに広すぎるわよね……きっとすごい秘密が隠されているに違いない!ってクラスでも噂になっていたわ。」

ハニー「王様のお墓というのは現代に提唱された一般論。本当は何のためにどんな目的で、この遺跡が作られたのかはまだ誰も知らないのよ。でも、私たちの極秘調査では、黄金の素体という物質が封印されてるって…密かにわかったんだけどね。」

リミット「なぜ、そんな秘密をあたしに教えてくれるんですか?」

ハニー「あなた自身にも、いろいろあって口が固そう…だからかな?リミットちゃん。いえ、あなたもいずれ知ることになるでしょうし。でも、これは私たちだけのひ、み、つ、よ。」

リミットはハニーになら、なぜかどんなことも打ち明けられるような気がした。他人に対してこんな気持ちになるのはリミットは初めてである。

リミットちゃん「ひ、み、つ!そうね。ハニーさん。」

顔を見合せて微笑む二人には、不思議な通じる物があったようだ。二人は
やがて大きな扉の前にたどり着いた。
扉のすき間からは微かな光りが。

ハニー「この中に黄金の素体があるはず」

だが背後から不気味な高笑いと共に電撃が放たれた。
ハニーとリミットは横っ飛びに交わす。ナイアトラルクローだ。

ナイアトラルクロー「黄金の素体は誰にも渡さん。神聖なこの場を汚されてたまるか!」

ハニー「リミットちゃん、危ないから下がってなさい。ここは私が。」

リミット「それじゃあたしはこの扉を守っているわ!」

ナイアトラルクロー「ふん、たかが小娘二人が我に歯向かうなど愚かしい!」

ハニー「ハニーーフラーッシュ!」

そのときハニーは全く別の人物へと姿を変えていた。凄まじい閃光にナイアトラルクローも目をふさぐ。

リミット「こ、これは?」

瞬間、黄金の剣士の姿がそこに立っている。

ナイアトラルクロー「お、おまえは!」

黄金の剣士「どうやら覚えているようだな。5000年前の出来事を」

ハニーは黄金の剣士に変身した。ナイアトラルクローは黄金の剣士を知っているようだ。それもそのはず、黄金の剣士は彼女のかつての恋人だったのである。


ナイアトラルクロー「忘れるものか……貴様と私は愛に満ち足りた仲だったではないか。そう…………あのとき、古代戦争で私は命を落とした。肉体を失った私は黄金の心臓と、黄金の素体で不死身に改造され戦争の兵器として使われ………。」

黄金の剣士「やがて暴走し、国までも破滅に追い込んだおまえを私は、二つに引き裂き…エジプトと日本のこの緑が塚古墳へ封印した。それが黄金の心臓と素体だ。なぜ、恋人であるお前を倒し、封印しなければならなかったか…お前なら理解できるだろう。」

ナイアトラルクロー「肉体を失った私の気持ちを…戦争の道具として使われたこの悲しみは、貴様に理解できまい!パンサークローはそんな私を哀れみ、新たな使命を与えてくれたのだ!私はもう一度、黄金の心臓と素体を手に入れる!5000年間募った恨みを今こそはらすのだ!」


ナイアトラルクロー。

彼女は古代戦争の被害者である女性だった。その末路はサイボーグ改造、兵器として扱われ暴走し、一国を滅ぼしたあげく恋人に封印されたという悲しき過去があったのだ。

実の肉体を失ったナイアトラルクローの悲しみ……
リミットはまるで自分を見るような気持ちでいっぱいだ。

リミット「いいえ、そんなことをしてもあなたの恨みは消えないわ!肉体はいくらでも取り戻せる。作り物なら…。でもあなたが5000年の間、本当に無くしたのは心なんじゃないかしら?」

周囲に一瞬の静寂が走る。

つづく







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小説 三話「如月ハニーあらわる」  小説

「ミラクルジャンプ!」
電撃を交わし、リミットは間一髪樹上に逃げた。

「おかしな力を使うガキだ。面白い…」ナイアトラルクローは執拗に電撃を放つ。

リミット「どうしよう…このままじゃ捕まっちゃう…」

そのとき、どこからともなくふと、遺跡調査隊員の姿をした女性が表れた。

「君たち、困るなあ。重要文化財指定区域のここを荒らされては。」

ナイアトラルクロー「また邪魔者か!」

調査隊員の女性は手際よく虫眼鏡をかざした。虫眼鏡は電撃を弾き返し覆面男たちに命中。

「あああー!」

覆面男たちは溶けてしまった。

隊員の女性「なかなか役にたつのよねぇ…。この虫眼鏡。」

ナイアトラルクロー「うぬぬぬ…」

覆面男「ナイアトラルクローさま、早く遺跡の中に!」

ナイアトラルクローは、何やらゴニョゴニョと呪文を唱えると遺跡の扉が開いた。

隊員の女性「待て!」

鈍い音をたて閉じる遺跡の扉。
残った覆面男が女性に襲いかかった。
素早く身をこなし覆面男をねじ伏せる隊員女性。だが後ろからもう一人の覆面男が。

樹上からその光景を見ていたリミット。「お姉さん!あぶない!ミラクルジャンプ!」

リミットは覆面男に樹上から強烈な蹴りを入れる。

「ありがとう助かったわ!」
残る覆面男を全て叩きのめす隊員女性。

リミット「…この人たち、いったい何なのかしら」

隊員女性「それよりあなた。なぜ来たの?ここはとても危険な場所よ。早く帰りなさい。」

リミット「あたしたち、社会見学の途中だったんです…友だちが迷子になって。そしたら、あいつらが突然。」

リミットの傍らには石にされたボスが転がっている。泣きそうになったリミットを隊員女性は慰める。
「そうだったの………でも泣かないで。お姉さんが奴らをやっつけて、お友だちは元に戻してあげる!」

リミット「あたしにも協力させてください!ボスのかたきを取りたいんです…」

隊員女性はゆっくりとうなずいた。
「わかったわ。私は如月ハニー。よろしくね!」

リミット「あたしは西山リミットです。そうだ、如月ハニーって…あ!もしかして早見青児さんの言ってた女の人!?」

如月ハニーと名乗る女性は驚いた。
「青児さん、あなた青児さんを知ってるの!?」

リミット「ええ、朝の登校中に出会ったんです…。さっきの覆面男に追われていて、怪我をしてました。あ、でも安心してください!パパの研究所に運んで手当てしましたから無事です。」

「よかった……青児さんは生きてる。」
ハニーは胸を撫で下ろす。

リミット「ハニーさん、さっきの怪人はあの遺跡の中に入りました。きっと盗んだ黄金の心臓を使って何かするつもりなんだわ。」

ハニー「そうね!リミットちゃん。早く止めないと…でもどうやって入れば…」

リミットはマジックベレーを遺跡の扉にかざした。ナイアトラルクローの呪文を録音していたのである。
遺跡の扉は再び開いた。

ハニー「やるじゃない!リミットちゃん。でもあなた…」

リミット「理由は後から話します。さあ早く。ボス…絶対に助けるからね。」

リミットは石にされたボスの姿を振り向きながら、ハニーと共に遺跡内部へ入っていった。





つづく
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小説 二話「緑が塚古墳の怪奇」  小説

緑が丘にある遺跡。緑が塚古墳。古墳自体は有史以前に作られたとされているが、現在では有史以降に栄えた文明の王の墓というのが有力説らしい。
リミットちゃんたちは、今日ここへ社会見学に来たのである。

乙姫先生「さあさあ、皆さん集まったわね。点呼を取りましょう。」

生徒「先生ー!石橋くんがいませーん」

引率の坂田先生が怒りだした。
「なに!またあいつか。勝手な行動するなと何度も言っとるのに……仕方ない放っておけ。昼食になれば戻ってくるだろう」


石橋ことボスは子分の与三郎と一円を連れて、遺跡付近の草むらで何かをしている。


与三郎「あのぅ……ボス、いいんすか」

ボス「なにがだ?」

一円「王さまのお墓のちかくでオシッコなんて…………呪いとか祟りとか………」

ボス「てやんでい!祟りが恐くて用足しなんてできるかばーろー。ふースッキリした。」


ボスがズボンを上げると同時に後ろから聞き覚えのある声が

「ボス!」

一円「わわわあ!」
与三郎「ぎゃああ!」
ボス「ひい王さまご勘弁をー」

リミットちゃん「なにやってるのよ!こんなところで…坂田先生カンカンよ!」

ボス「な、なんだリミットか!驚かせやがって。だいたい男の用足し中に女が出る幕じゃねえぜ」

リミットちゃん「ボス、用足し中ってオシッコだったの!ふふふ」

与三郎、一円「コソッ)しかも王さまご勘弁をだって……あてっ!」

ボスのゲンコツが与三郎と一円に飛ぶ。
「おまえらいちいちうるせい!ぶん殴るぞ!」

与三郎と一円はたまらず逃げ出した。

ボス「このやろーまてー」
リミット「あ!置いてかないでー」

緑が塚古墳は規模が広く、いまだ発掘調査が遺跡の半分も済んでいない。そんな、人知未踏の場が遺跡の至るところに点在していた。

ボス「はあはあ、あいつらどこへ逃げやがった」

リミット「それよりここってどの辺りかしら……」

周りは気づくと背の高い草木が生い茂っている。二人は遺跡の裏側まで来てしまったのだ。そのとき何者か数名が近づく。ざわめきから悪人と判断したリミット。

「隠れて!」
リミットはボスの頭を押さえつけ草むらに潜んだ。

不審者はリミットが早朝に見た覆面男たちだ。そこにもう一人不気味な姿をした女性が混ざっている。

覆面男「ナイアトラルクローさま。こちらの遺跡でございます。」

ナイアトラルクロー「うむ、例の物をよこせ」

覆面男たちは握りこぶしほどの物体を渡した。物体は、まばゆく輝いている。

ナイアトラルクロー「黄金の心臓……これさえあれば…」

リミット「あれは!?確かニュースで言っていた黄金の心臓…。それに朝の覆面男たち、怪しい女の人。あいつらは、早見青児さんの話していたパンサークロー?」

ボス「いててっおい!リミット。いつまで押さえつけてるんだよ…」

もがくボス。覆面男たちと女は草むらの方向に気づく。

「なにやつ!」
ナイアトラルクローは杖から即座に電撃を放った。

「あ!」
「ぎゃあーー」

電撃を受けたボスは石に変えられてしまった!

リミット「ボスー!」

ナイアトラルクロー「子どもといえど容赦はせぬぞ」

リミットは覆面男とナイアトラルクローと呼ぶ女に囲まれた。














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リミットちゃん研究所 5周年企画 オリジナル小説  小説


サイトのリミットちゃん研究所が、本年5月22日を持って五周年(*^▽^)/★*☆♪。
と、いうことで本日よりオリジナル小説を少しの間、連載開始します。
尚、これからこちらに連載する小説はリミットちゃんが好きな当ブログの管理人が作った、完全な二次創作であることをご理解してお読みくださいませ。


小説
ミラクル少女リミットちゃんVSキューティーハニー
一話「黄金の心臓」

西山家に静かな朝がきた。

リミット「おはようトミさん」

トミさん「おはようございますたい、リミットちゃん」

リミット「パパはまだ帰ってない?」

トミ「昨日から夜勤ですたい。しばらくは帰らんようじゃけん。リミットちゃんには心配せんようにと言付かってありますとよ。」

リミット「そう…」

心配せんようにと言われても、リミットは心配でたまらない。西山博士は週末が近づくと決まって研究所に泊まり込む。リミットはいつも父のことが気がかりだった。

リビングのテレビからニュースが流れてきた。

「午前七時のニュースです。昨夜、エジプトから日本に持ち込まれた時価数千億円相当のダイヤ。黄金の心臓が何者かによって盗まれました。黄金の心臓は緑が丘市内のデパートで展示される予定でした。目撃者によると、盗まれた場所は緑が丘バイパス付近。輸送途中で、覆面の男数名と女性ひとりによる犯行だったとのことです。また、一部の報道によりますと国際犯罪組織パンサークローによる声明文が発見されたと情報が入っております。ニュースを終わります。」

トミ「ぶっそうな事件が続いとるけん、旦那さまも早よ帰らんと……」

リミット「あら!こんな時間だわ。遅刻、遅刻!それじゃ行ってきます!」

トミ「リミットちゃんも気をつけるですたいよー!」

リミットはチェンジペンダントに手を当てた。

リミット「どうせ遅刻しちゃうんだもん……ズルはいけないけど…ミラクルラーン!」

瞬く間に小さなつむじ風が巻き上げられる。瞬間、彼女の姿は道路の数十メートル先を走っていた。

俊足で駆け抜けるリミット。だが道路の反対車線から古びた軽自動車が猛スピードで走ってきた。その後ろは怪しい柄の悪い黒ずくめの車。どうやら軽自動車は黒ずくめの車に追われているようだ。「あの車、どうしたのかしら……?」リミットは、その光景を見逃さなかった。

ギギャー!ドシャーン

軽自動車はそのまま電柱に激突。
黒ずくめの車はそのままそこに停車した。リミットは物陰に隠れ様子を見ている。黒ずくめの車の中からは高い帽子を被った怪しい覆面の男が。

覆面男「早見青児、どうやらここまでだな。如月ハニーは先に逃がしたようだが貴様さえ人質にすればこっちのもの。さあ来てもらおうか…」

軽自動車から怪我をした若い男が出てきた。彼は覆面男たちから早見青児と呼ばれているようだ。

早見青児「へへ……人質なんて冗談キツいぜ。俺はまだくたばっちゃいない。ハニーはおまえらみたいな糞に捕まるようなやわじゃねえよ。オレももちろんな!でやぁ!」

早見は傷だらけながら、覆面男たちに殴りかかったがあっさり交わされてしまう。たちまちタコ殴りにされる青児。

リミット「なんて酷いことを!もう許さないわ!ちょっと!あなたたち、その人から離れなさいよ!」

たまらず覆面男たちの前に出たリミット。

覆面男「なんだ?このガキ。ガキだろうと容赦しねえぞ!」

リミットは持ち前の正義感から飛び出したものの焦った。
「……どうしよう。人前でミラクルパワーは使えないし……そうだわ!」

リミット「きゃああ!だれか来てー人殺しよー殺人よー!きゃああきゃあああ!」

覆面男「ちっめんどうだ!ずらかれ。早見なんざどうでもいい。オレたちは如月ハニーを追うぞ!」

覆面男らは車で逃走した。

リミット「大丈夫?しっかりしてください!」

青児「いたた、あいつら派手にやりやがって………。キミは?」

リミット「あたし……西山リミットっていいます。通学中、たまたま通りかかったらあなたが変な人たちに襲われていたものですから……!そんなことより酷い怪我だわ。この近くにパパの研究所があるからそこへ!早く。」

リミットちゃんは早見青児という男性を西山研究所に連れて行った。

湯本みどり「あら!リミットちゃん。こんな時間にどうしたの?博士なら研究室よ。」

リミット「みどりさん!この人、大怪我なの!手当てをお願い。」

青児は傷の痛さから気を失っていた。幸い命に別状はないようだ。

湯本みどり「社会見学の日に飛んだ災難だったわねリミットちゃん。この人は私に任せて。早く行ってらっしゃい。」
みどりは優しくリミットちゃんを先に急がせた。そう、今日は日の出小学校五年生による社会見学なのである。

気を取り戻す青児。
「ここはどこだ………」


湯本みどり「ここは西山研究所です。具合はいかがですか?リミットちゃんがあなたを運んで来てくれたのよ。」

青児は我の傷も忘れ、自分が大変な場所にいることを察した。包帯グルグル巻きのままベッドから起き上がる青児。

青児「に、西山研究所だって!あの世界的に有名な西山博士の所在する……オレはまたトンでもないところに。あたた。申し遅れました!わたくし毎朝新聞の記者、早見青児です。なんだか怪我の手当てまでしてもらったみたいでトンでもない厄介になりました。」

みどり「どういたしまして。私はこちらの研究所秘書を担当している、湯本みどりという者です。あの…早見さんご無理をなさらずに。今日はいったいどうなされたんですか?」

青児「話せば長くなるしあなた方にもご迷惑をかけるかも知れないが……。僕はこの緑が丘にある、緑が塚遺跡に用があって、如月ハニーという女性と共にやって来たのです。するとあいつらも僕たちの後を追って……。僕はハニーを逃がし、離ればなれになりました。その矢先でリミットちゃんという女の子に助けられたのです。ああ……ハニーは無事だろうか……。」

みどり「まあ!緑が塚遺跡ですって。今日はあの子たちが社会見学に行く場所よ。ところであなたを襲ったあいつらって…」

青児「今、世間を騒がせている国際犯罪組織パンサークローの一味です。たしかこの市内のデパートに展示されるはずだったエジプトの秘石。黄金の心臓!あれを奪ったやつらなのです。やつらは黄金の心臓と連動する何かを嗅ぎ付け、緑が塚遺跡に進入するつもりなんだ!」

つづく
















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