2009/10/7

義経千本桜  歌舞伎

10月大歌舞伎を見に行って来ました。
平日、4時半始まりだと言うのに、1階は
満員。やっぱり人気者勢揃いの今月公演、
出し物も夜の部は通し狂言「義経千本桜」。
張り切って出かけました。

渡海屋の幕では、義経が富十郎丈。80歳くらい
と思うのですが、とても小柄。でも恰幅はあり、
品があって明瞭。平知盛の吉右衛門は、勿論今
を盛りの活気で、迫力満点。太縄を巻き付け、
錨と共に海に消えゆく、逆さ落ちは大盛り上がり
でした。お内儀で実は典侍の局になった玉三郎が
又、出てくるだけで何者という風格で、もうこの方
は、独自の局地。船宿の女将というにはうさんくさい
のですが、十二単に朱の長袴姿になって、安徳天皇
を片抱きすると、もうやっぱり、はぁ(何というか
ため息もの)。


幕は変わって吉野山。桜一杯の舞台に、吉右衛門と
同世代の菊五郎忠信と、その息子菊之助静御前。
出てきただけで、あぁーーー綺麗。顔立ちが似た2人が
同じ振りを踊ると何か夢みたいにぴったり。

菊五郎さんは、私達の世代です。年齢ばかり書いて
恐縮ですが、今の歌舞伎の面白さ(まぁ何時でも同じ
でしょうが)、3世代が違った意味の盛りを迎えていて
違う花を咲かせている事だと思うので、しつこく書きます。

玉三郎をオペラでしげしげ眺めた後、菊之助を見ると、
やっぱりあぁ若くて綺麗だなぁと感心。真っ赤なキンキラの
衣装に、銀のかんざしがぴらぴらと光って似合います。
ただ、この方は台詞が何だかとんでもなく独特で宇宙系。
男の地声を消した、女形らしくない、鈴を震わすような
声(上手く表現できませんが)なので、私は少し
納得出来ません。(あくまで私の趣味)

実は源九郎狐の菊五郎は、手の使い方、目つきで獣をきちん
と、表していて本当に感心。昔、右近さんで次の幕の
法眼館を見たのですが、もう達者も達者、早変わり、早出、
神業に近い暴れっぷり(?)でサーカスみたいな楽しさでした。
菊五郎さんのは、やっぱり運動量は半分くらいかも知れません。
でも、身軽さ、人間ではない事、すぐに分かります。本物の
忠信も、長袴で登場して演じますから、その時の重さ、凛々しさ
が半端じゃないので、余計にはっきり。おまけに哀れさが、
しみじみ出ていて(首のかしげ方、鼓への思いが漂う)素晴らしい
と思いました。
義経には、女形の時蔵さん。あの人もおちょぼ口みたいな独特の
台詞回しなのですぐに分かる。でも勿論滅茶苦茶綺麗な義経。
大満足、大満足で又帰って来ました。

良かったのは、吉野山でちょい役速見籐太で出た松禄。見送る
3〜4分。片足立ちで舞台中央、微動だにせず。台詞もカーン
と響き、良いですよね。後は法眼と奥さん飛鳥の衣装の綺麗な
事。法眼の長袴は、白から茶色、焦げ茶へのグラデーション。
ぼかして綺麗。着物は黄土色の小模様です。飛鳥の衣装も
凝った染めでやはりブラウン系。本当に歌舞伎の魅力は衣装。
化学系の染料ではない色目が懐かしいというか、日本美というか
見るだけで楽しいです。
1





コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage” byGMO

[PR] GPGPU