TRASH-UPの次号に載せた漫画で描ききれなかった部分をブログ漫画で描きなおすことにしました。
(オール明け、レコードケースをひきずって歩く主人公スエヒロの後ろ姿)
(独白)「また 朝になったらこんな感じかよ・・・ガラガラ引きずって」
タイトル「ゾンビDJ2〜君は僕を好きかい〜」
場面転換:イベント中のクラブでヒロインのミユキが男と楽しそうに踊っている。
それをなさけない顔で見てるスエヒロ。
そのそばでDJボンボリ(俺)と客が話してる。
ボンボリ「浅野井の話聞いたか?」
客「ああ レコード回してたら客が全員ゾンビになったって話だろ」
(※前編のこと)
スエヒロ、気もそぞろ。ヒロインを悲しそうに見てる。
ボンボリ「おいスエヒロ、聞いてんのか?」
スエヒロ、聞いてない。
客「それどころじゃね〜って だってミユキちゃん、他の男と踊ってんだもん」
DJブース。スエヒロの出番だ。
前のDJ「じゃ、次の曲終わりでよろしく」
スエヒロ「ああ・・・」ションボリ
スエヒロの目にうつるのはミユキが他の男と楽しそうにしてる姿ばかり。
(スエヒロ、レコードをセットしながらミユキを見て独白)「何も俺のDJで踊ることないだろ・・・」
回想シーン開始!!
「(絶叫)家賃代でレコード買うなんて信じらんない!!」
部屋で怒り狂うミユキ。汗をピュッピュ飛ばしながら土下座するスエヒロ。
スエヒロ「ごっ、ごめん・・・もっ、もっ、もう二度と・・・」
ミユキ「これで何回目よ!!たいした稼ぎもないくせに!!」
ミユキ、スーツケースを持って怒りながら部屋を出ようとする。
スエヒロ「ミッ、ミユキ・・・」
ミユキ、振り向いて軽蔑のマナコ。吐き捨てるように一言(大コマで)。
「一回死ねば?!」
回想終了。場面がクラブに戻る。
ミラーボールが回る。
スエヒロの脳裏にミユキの言葉が蘇る。
(絵無し、セリフのみ)「あたしだって・・・許したいし」
(絵無し、セリフのみ)「わかろうと思ってがんばったよ」
さえないスエヒロの横顔。
(絵無し、セリフのみ)「でも、もう無理!!」
スエヒロ、陰気な顔でレコードをジャケから出しながら考える。
スエヒロ「前は自宅DJで一緒に踊ったのに・・・」ブツブツ
とか考えてたスエヒロ、DJブースの向こうの異変に気づく!
スエヒロ「ん?」
目の前に何か転がってるぞ?!酒ビンか?!
スエヒロ(目のアップ)「・・・・・・・・・・」
違う!!ちぎれた腕だ!!!!!
え?あれ・・・?
(大コマ)気がつくとフロアの客はみんなゾンビ化してる!!
スエヒロ「ウ・・・ウソだろ?!」
Mジャクソンの「スリラー」のPVよろしく踊りまくるゾンビ。
スエヒロ「ゾンビのくせに・・・」
スエヒロ(唖然)「音楽にあわせて踊ってるよ・・・」
目をつぶって熟考。現実が受け止められない。
「・・・・・帰る」
レコードをしまいながら帰ろうとすると、ゾンビたちが襲いかかってくる!!
ぞろぞろぞろ!!
スエヒロ「なんだよ?!音なら鳴ってんじゃね〜かよ!踊ってろよ!!」
ゾンビたち「あ〜」「あう〜」←何かを訴えてる
(※このゾンビたちの群れの中にこれまでの登場人物も入れること)
スエヒロ「かけっぱなしじゃなくて」
スエヒロ(ターンテーブルを見ながら)「ちゃんと選曲しろ、ってか?」
ゾンビ「あう〜あう〜」
スエヒロ「くそったれ!やったろうじゃん!!死ぬまで踊らせてやる(もう死んでるけど)!!」
スエヒロ、入魂の選曲でゾンビだらけのフロアを盛り上げる。
踊り狂うゾンビ!死霊の盆踊り!!
スエヒロ、踊るゾンビの中に、ゾンビになったミユキを見つけ、目が合う。
ミユキ(コマ3段ブチ抜きで)踊る。そして目の下を黒くしてスエヒロに気味悪く笑いかける。
スエヒロは強い衝撃を受けている。気がつけばDJブースのそばまでミユキが寄って、上目遣いにスエヒロを見ている!
スエヒロ「ミ、ミユキ・・・」
半ば身の危険を感じつつ、ミユキから目がそらせないスエヒロ!
ミユキ、ターンテーブルを乗り越えてスエヒロのとこに来る!
わっ!ゆら〜りと身を起こすミユキ、とろ〜んと発情したような目でスエヒロを見つめる。
見つめあう二人、ターンテーブル、その向こうは踊るゾンビたち。
ミユキがいろっぽく口を開く。
ミユキ「ねえ・・・」「ゾンビになろうよ・・・」
スエヒロ、固まる。
次の瞬間、ミユキがスエヒロにのしかかり、あちこちを噛んだり吸ったり・・・。
音楽は流れ続け、ゾンビは踊り続ける。
ゾンビの向こうのDJブースで二人の影がひとつになる。
ゾンビに感染してしまったスエヒロ。しかしなってみればこれはこれで悪くない。
五感が冴え、さっきまでの地獄のようだったフロアが全然違って見えてくる。
ミユキ「どう・・・?」
ミユキ「真ん中のほう、行こう・・・」
ミユキに導かれ、フロアの真ん中へと進むスエヒロ。
いつのまにかDJがボンボリ帽子(俺)に変わり、二人はゾンビに囲まれ、ゾンビダンスを踊りまくる。
(※これまでの登場人物もゾンビ化して回りに配置)
うつろな目をしながらも口元は笑って踊る二人。回るレコード。回るミラーボール。こぼれるビールの泡。気づけばすっかりいい時間。
ゾンビの店長が時計を見て、ゾンビDJ(俺)の耳元で何かささやく。
ゾンビ店長「んが」
ゾンビDJ(俺)「んが」
ゾンビDJが曲をセットし、マイクをつかみ、アナウンスする。
ゾンビDJ(俺)「じゃ、最後の曲で〜す」
イントロが流れる・・・曲はピーズ「君は僕を好きかい」。
1ページいっぱいにフロアの絵。オールあけのイベントにふさわしく、数も減り、まばらに倒れたりうずくまったりしてるゾンビたち。
フロアの真ん中では二人が抱き合って踊っている。
♪しおどきになれば〜
みんな〜帰るよ〜
僕は君と最後まで〜
酔っ払ってるよ〜
夢のような夢だ〜
君は僕を好き〜か〜い
さあ、パーティはもうオシマイだ。レコードをガラガラに入れ、ミユキと手をつないでクラブの階段を上がるスエヒロ。
ドアを開けるともう朝だ!
朝日に照らされる二人の後姿!呆然と朝日を眺める二人!
直後に!3コマかけて朝日の中で溶けてゆく二人!!!!!
溶けながらミユキがささやく。
ミユキ「・・・き、よ」(←「好きよ」)
やがて二人のシルエットは風に散らばり、道にはガラガラだけが残された。
ガラガラが倒れ、中から1枚のレコードが転がり出る。
コロコロコロ・・・。
出勤途中のサラリーマンの足元にレコード(もしくはCD)が転がる。
サラリーマン、レコード(もしくはCD)を拾い上げ、盤面がアップになる。
レコードならマイケルジャクソンの「スリラー」、CDならピーズ。
サラリーマン、盤面を見ながら、「たまには踊りに行こうかな」と呟き、朝の出勤風景に身を投じる。
道に倒れたガラガラにタイトルがかぶさる。
「君は僕を好きかい」
(完)

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