2010/8/28
ただそこに土地がある 人がいる 文学
川上弘美『おめでとう』(文春文庫 初出2000年)を読了
大作を読破したあとはいつも短編集で骨休めするのだが
これがまた良かった 今年38冊めの読書でした
川上は綺麗な日本語を丁寧にリズミカルに使うなあ
そんな印象はずっと変わらない そこから立ち表れる色彩
匂い 可笑しみ(ユーモア)が何とも味わい深い
音楽もそうだが 本や映画を筋書きだけで求めていくのは
いささか貧しい捉え方だといつも思う
そうじゃないんだ
優れた表現には筋とは別の色彩があり 匂いがあり ふと
立ち止まる一瞬があるのだ
説明的ではない修辞 美文を回避していこうとする心
文章というのは こうじゃなくっちゃ
西暦3000年の正月に向けられた表題作「おめでとう」は
黙示録的でもある
その主人公は昨日と同じように 御飯を炊き 魚を焼き
遠くに見える東京タワーを眺めながら
「自分のなかに遠くのものがあるのは不思議」
などと呟いている
大作を読破したあとはいつも短編集で骨休めするのだが
これがまた良かった 今年38冊めの読書でした
川上は綺麗な日本語を丁寧にリズミカルに使うなあ
そんな印象はずっと変わらない そこから立ち表れる色彩
匂い 可笑しみ(ユーモア)が何とも味わい深い
音楽もそうだが 本や映画を筋書きだけで求めていくのは
いささか貧しい捉え方だといつも思う
そうじゃないんだ
優れた表現には筋とは別の色彩があり 匂いがあり ふと
立ち止まる一瞬があるのだ
説明的ではない修辞 美文を回避していこうとする心
文章というのは こうじゃなくっちゃ
西暦3000年の正月に向けられた表題作「おめでとう」は
黙示録的でもある
その主人公は昨日と同じように 御飯を炊き 魚を焼き
遠くに見える東京タワーを眺めながら
「自分のなかに遠くのものがあるのは不思議」
などと呟いている
