東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/5/27

輝き出す言葉たち  Rock N Roll

エムズ ファクトリーにて 佐野元春を取材
今もっとも話を聞いてみたかった音楽家であり
インタヴューを以前から熱望した人だっただけに
濃密な一時間を体験した

これは僕が断言しても構わないのだが
佐野ほど自身の音楽に対して 冷静にロジカルに
そして情熱的に語る人はいない
彼の眼光が鋭く突き刺さることも しばしばだ
僕も負けてはいられない
必死で 言葉の行き先を追いかけていく
こんなに真剣に言葉を交わし合ったのは
ジャクソン ブラウンの取材以来のことかもしれない

前半は6月に発売される彼の新作「コヨーテ」に関して
中盤から後半にかけては
ロック ジャーナリズムに対する見解や
ロック音楽や 佐野の音楽が導き得るヴィジョンについて
そして彼のソングライティングについて
会話はどんどん翼を広げていく

多くをここで語ることは出来ないけれども
信じるに足る音楽家であり
希有な表現者であり 演奏者であり
ありていに言えば 自分と同じように歳を重ねている人なんだと
思ったら
さすがに込み上げてくるものがあった

「暗い気持ちやネガティヴな感情で人々と繋がることを僕は絶対にしたくない」

佐野から届けられた宝石のような言葉である








2007/5/30  1:34

投稿者:ばしこ

Obiさん、今晩は。
佐野さんと激しく密な時間を共有されていたことがよく伝わってきました。
ほんとうに、よかったですね。
記事を拝読させていただける日が待ち遠しいです。

そしてObiさん、日曜日もおつかれさまです。
近々ご連絡させていただきますね。。

素晴らしき哉、音楽著述業。

ばしこ

2007/5/29  8:23

投稿者:obin

ありがとうございます
新作の単なるプロモーション用のインタヴューとは
異なり 一歩踏み込んだ 一定のレヴェルまでに
引き上げられた一時間だったと思っています
楽しみに待っていてください

2007/5/29  7:56

投稿者:CAKE

信じるに足る文筆家と音楽家の交歓、拝読するのを楽しみにしてます。


http://blog.livedoor.jp/yamadacake/

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