東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/7/22

お礼  

21日はディスクユニオン新宿店での出版記念トーク&DJイベントにお越しいただき
ありがとうございました
狭い空間のなかに40人ほどの方が集まっていただき
感謝です
なかには栃木からわざわざ来ていただいた方もいらっしゃいました


こうして実際に音楽ファンの方々と接していると
改めて みなさんそれぞれが自分の方法で音楽との関わりを
温めていらっしゃるんだな と痛感させられました

トークでも発言させていただきましたが
僕は情報とかデータ以上に
自分がその音楽を一体どういう気持ちで聞いているのか
そんなことを大事に考えながら  文章を書いてきました
つまりそれは どこにも行く宛なんかないのだから
ジングルジャングルの朝に連れていっておくれと懇願していた彼や
「一体どんな気がする?」(How Does It Fells? ) と叫んでいた彼と
ほとんど変わることはありません

もう名盤ごっこはどうでもいい
僕はこのアルバムのここに感動したんだ
そんな文章に 僕自身が巡り会いたかった
とどのつまり そういうことです

最後の曲は グレアム パーカーの情熱的なロックンロール
「カンザス シティ」
僕が初めて書かせていただいた原稿が
グレアム パーカーのことでした
















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