東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/7/23

AP外電  

先週末の21日。新宿のディスクユニオン本館内にある
5階のルーツ&トラディショナル館にて、
音楽ライターである小尾隆のトークイヴェントが、
終始和やかな雰囲気のなかで行われた。観客は約40名ほど。
若者も人生の熟練者も程良く混ざり、
バランスが偏ることはあまりなかった。
なかには浴衣姿やベレー帽の麗しき女性の姿も、、、。

発売されたばかりの増補改訂新版『Songs』(スタジオ セロ社)
を記念してのトークであり、小尾は自著を紹介しつつ、
バーズの「ミスター タンブリンマン」に始まり、ザ バンド、ジェシ エド
デイヴィス、ウィルソン ピケット、ステイプル シンガーズ、
ライ クーダー、デラニー&ボニーなどのレコードを、
旧友でもある川田寿夫さんの司会に沿いながら回した。                          
また堅苦しいお勉強会にならないように、小尾は
「すいません、僕はリチャード・トンプソンと同じ理由で帽子を被って
います」などとジョークを言ったり、
「僕らはジム ケルトナーのドラムスが体に染み込んでいる世代。彼の
叩きはパーソネルを確認しなくても、一発で解る。 でもときどき
少しだけ外れることもあるよ」とユーモアを交えるなど、
聴衆を笑わせた。

なお当日はゲストとして、担当編集者である
小林博美さんが招かれ、本作りのエピソードなどを
爽やかに語った
ちなみに小林さんは「私は音楽に詳しくないけれども、末永く読
んでいただけるような、いい本を作ることを心掛けました」
と明快に動機について話し、小尾も
「音楽系の出版社と組む手堅い方法は、選択肢のひとつでした。
しかし最初のミーティングの段階で、彼女のモチベーションの高さや
熱意を僕は十分に感じ取っていた。だから迷うことなく小林さんに
任せました」と言葉を連ねた。

ちょうど10年まえにBNNから初版が発行されたときもそうだったが、                   従来の音楽出版社とは異なる新進の版元が名乗りを上げたということが、
ある意味 小尾隆というライターの独自性やフレキシヴィリティ
そして評価(良きにせよ悪きにせよ)を物語っているのでは?
言葉は適切ではないかもしれないが、音楽業界の真ん中とは距離を置き、
少し異なる場所で活動してきた結果が、
単なるバイヤーズ ガイドに終わるのではない、
”読み物”としての本をこの男に作らせたと言い換えても構わないだろう。

約1時間のトーク&DJはあっという間に過ぎてしまったが、
集客不足やトラブルなどスタッフたちの心配は、
どうやら杞憂だったようである。
最後の曲はグレアム パーカー&ザ ルーモアの「カンザス シティ」。
勿論そこにはグレアムの記事で16年まえにデビューした小尾の
”原点を忘れるな!” という気概が込められていた。

小尾は終盤に「データや情報以上に、自分がどういう気持ちで音楽に
向き合っているかが大事。最初にロックと出会ったときのようなワクワクを
表現したい。グレアム・パーカーの情熱的なロックンロールに負けないように、
僕も情熱的な音楽ライターであり続けたい」と力強く結んだ。

way to go→http://blog.diskunion.net/user/uncledog/tapestry/






2007/7/23  23:39

投稿者:obin

gentle rainさん

イベントにお越しいただきありがとうございました
拙い語りでしたが 楽しい時間を過ごしていただけたなら とてもうれしいです
DJ会にもぜひ! お越しくださいませ
エアギター状態のオビンが見れますよ〜^0^

丁寧なコメント ありがとうございます
以前から 機会があるごとに語ってきたことですが
僕は 音楽の情報やらデータよりも
音楽を聞いて”自分”が感じたことを 最優先しながら
文を書いてきました

デフォルメして よく言うことですが
僕の評論は「高校生の感想文」と大差ありません
(佐野に関する最終章などを参照ください)

それでも きっと意図を汲んでくれる方がいる
そんなことを ずっと信じてきました







http:

2007/7/23  18:56

投稿者:gentle rain

小尾さん、先日は有難うございました。
「Songs」出版記念イベントに参加し、素敵な似顔絵付きのサインを貰って、ご満悦の一音楽ファンです。
翌日、心に残ったイベントと御著書の感想を日記に書きました。
お伝えしたく、少し長いですが、一読していただければ、幸いです。
DJイベントも行ってみたいなぁ・・・思っています。
〜〜〜〜〜
昨日は、ディスクユニオン新宿ルーツ&トラディショナル館で開催された〜小尾隆著「SONGS-70年代アメリカン・ロックの風景」出版記念イベントに行く。

1997年9月に出版され、著者入魂の一冊として世評の高かった同著が、10年ぶりに増補改訂新刊として7/14に発売された。
以前、何かのイベントで氏をお見受けしたことはあるけれど、書かれた評論を読んだり、間近で話を聞いたりするのは初めてだった。

所狭しと並べられたCD・LP棚の合間を縫うかのように集まった40人ほどのファンを前に、思い入れあるレコードをかけながら、新刊「Songs」やロックに対する熱い思いを、人柄が窺えるソフトな語り口で話してくれた。

まえがきの何という率直さ!
本編も70年代ルーツ系ロックの魅力が溢れんばかりに、繊細かつ鋭い感性が受けとめた音楽の感動と時代の空気感が、柔らかでリリカルな文体で綴られている。

また本の編集が素晴らしい!
センスのいい表紙のイラストワークをはじめ、ぺ−ジ上段には、内容に即したカラーのディスコグラフィーが丁寧なコメント付きで載り、巻末には、アーティスト別、年代順 Album INDEX が付けられている。
担当したのが、本で紹介された音楽の1曲も知らなかったという若い女性(会場で紹介された)・・・
これにはびっくりしたけど、彼女のセンスの良さに感心する。

で、最近、遅ればせながら聞くようになったルーツ系ロック♪
その誘いの端緒に、著者に出会い、本書に出会ったことがとてもうれしい!!

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