東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2008/2/17

音楽的感性はレコ屋で鍛えられる  

というのがまあ前時代の法則だったものです
私なども昔 訳知り顔でリチャード トンプソンの「ヘンリー ザ ヒューマン フライ」などを
レジに持っていくと「おにいちゃん、いい買い物したね!」などとオダテられ
「それでは(ジョー ボイド繋がりで)ジェフ マルダーもいいよ」などと
メルリの兄ちゃんに拉致され
すっかりその気になり 現在は単にその末路という感じですが
そのような交流が失われているから音楽流通もまるで活気がありません

レコード屋のおじさんとお茶話していても
出てくるのは溜め息ばかり
客なし 儲けなし 展望なしという三重苦で
正直ネット通販部門でかろうじてやりくりしているといったところでしょうか

私も最盛期は朝から夜までレコ屋をハシゴし 店舗ごとのクセを
覚えていったものですが
この前もクリス スミザーのセカンドがユニオン新宿で
何と1980だったので 持っているにもかかわらず思わず
購入してしまいました
こういう勘だけは鈍っていないようですが
世の中の流通形態というのは
もう激変していたのでした










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