東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2008/3/31

voices inside  

たとえばニール ヤングという人は 少なくとも
自分がどう思われているとか どう見られているとかは
まったく意に介さず
自分と世界との関係がどうあるべきかだけを考えて
音楽を作っているような気がします

そうした姿勢はときに所属レコード会社との軋轢を生み
特定のイメージを求めるファンからも
理解を得られなかったりしますが
もし彼がそこで正直であることが出来れば
僕はそれでいいと思います

この種の窮屈さというのが 世の中には溢れています
自分の意見を述べるのもままならないような ”均一化”
そんな息苦しさや苛立ちを 僕は感じてなりません

音楽を取り巻く状況もそうだし
行き過ぎた規制緩和や
市場原理の露骨な導入にしても
また然り

そんな時は 内なる声に従えば
それでいい




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