東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2009/11/13

お知らせ  

みなさまへ

今月15日に発売される『レコードコレクターズ』誌
に先日来日したドニー フリッツのインタヴュー記
事が掲載されます もしよろしければ読んでみてく
ださい 6ページと分量も多めに取らせて頂きました

1990年秋のデイヴ エドモンズ以来 いろいろな
音楽家たちと言葉を交わしてきましたが 今回の
ドニーさんもまた 心に残る取材となりました

さて 話は変わりますが
弊書『Songs〜70年代アメリカン・ロックの風景』
(お陰さまで07年の日本図書館協会選定図書に選ばれ
ました)と『my favorite of US Records』及び同
『UK』編は 版元の事情により残念ながら 現在の
店頭もしくはネット販売分の在庫のみとなりそうです

こちらに興味がおありの方は どうかお急ぎください
ご購入方法と 寄せられた書評の一例を貼っておきます
http://bookjapan.jp/search/isbn/9784903082783/
また出版のお仕事に携わる方で この版権などに関心を
持たれた場合は 私に直接お問い合わせ頂ければと思い
ます とりあえずは弊logにご連絡ください
追ってメールを差し上げます

そういえば上に記した書籍類も このlogを見つけ出し
連絡してきてくれた青年との三年前の出会いが
すべての始まりでした

以上 よろしくお願い致します

2009年秋  小尾 隆




2009/11/19  2:25

投稿者:obin

almostさま
ご購読ありがとうございます 次の本の話
はともかく(笑)チャーリー リッチの
who will next fool be? のようにボビー 
ブランドが歌って最高にハマる「カントリ
ーソウル」というものが確かにあることは
事実ですね ジョニー アダムズのrecosi
nder meなどもそのいい例かもしれません
それでも掲載記事でフリッツが発言した
ジョーンズの”ソウル” はジャンルのこと
ではなく almostさんがおっしゃった”
感情に深く訴えてくるもの” としての意味
だと 私もその時に思いました
それから先は読者に委ねたいと思います

KTさま
「説明し過ぎない」 いいですね
私も根っからの江戸っ子なんで 気風の
あるというか風通しの良い文章のほうが
クドクドと説明過多な文体よりは ずっと
好きですね 後はお前が感じてくれ!
みたいな(笑) 考えてみればこうした
「説明し過ぎない」態度というのは好み
の音楽や本にも如実に表れるようです
アレンジやプロダクトが過剰な音よりは
シンプルなバンドサウンドが好き、みたい
な感じと言えば一番解りやすいかもしれま
せん 腹八分目の美学です(笑)

2009/11/18  21:18

投稿者:KT

私が尊敬するある音楽関係者がおっしゃった言葉に深く感じ入った事がありました。「説明しすぎない、という事も大切です」 彼は販売業務の仕事でお客様に対応する時、それを忘れないようにしている、と。知識は大切だが、それが相手の音楽の楽しみのプラスになるとは限りない、という事なのでしょう。なるほど、と思い当たりますよね。
もし読者が何か感じたのであれば、彼自身が動き出せばよい事。自分で動けば、誰かに指定されたのとは別の道と景色を見て、その『場所』に行き着くかもしれませんから。
少なくも私は、そうやって、素晴らしい音楽に出合ってきたような気がします。

2009/11/18  20:41

投稿者:Almost Prayed

ドニー・フリッツのインタヴュー記事、拝読させていただきました。アーサー・アレキサンダーについて語ったところが印象に残りましたね。とても面白く拝読いたしました。当時のアメリカ南部における、ブルーズやソウル/R&Bとカントリーの交流や音楽的混交については、小尾さんに是非ともさらに深く探っていただき、新たに著作を執筆していただきたいですね(それともオレが自分でやればいいのか?:苦笑)。

ジョージ・ジョーンズ云々のくだりですが、そこで出てくる「ソウル」という言葉が、音楽の便宜上のジャンルやカテゴリーを示すものではないということは、記事を一読すればすぐに理解できるものだと思うのですが・・・ 表現として感情に深く訴えかけるもの、という意味での「ソウル」ですよね。

2009/11/18  20:27

投稿者:obin

鈴木さま
sumoriさま

それぞれ真摯な書き込みをありがとうござ
いました 私が先ほど書いたコメントは
お二人の書き込みがあることを知らずに
投稿したものですので 若干前後関係に
ちぐはぐした部分がありますが 前述の
理由によるものなので どうかご容赦く
ださい

とかくネットでの問題提議は誤解を招き
ときに辛辣なものになりがちですが
かといって だから「何も言わない」
「何も意見を言わない」ことは 私自身
はおかしなことだと思っています 一体
いつから人々はリスクを恐れ 傷つけな
い 傷つかないことばかりに腐心するよ
うになったのでしょう

問題提議や意見交換があるからこそ
このように理解し合えるし その深度
が増すのです

そんなことを いつまでも信じていたい
と私は思います


2009/11/18  19:48

投稿者:obin

どうしてSKさんはジョージ ジョーンズの
ことばかりに固執するのでしょう
ちょっと気の利いたロック ファンなら
ジョーンズのThe Race Is Onをデイヴ エ
ドモンズ&ストレイ キャッツやジョージ
ア サテライツのカヴァーを通して知って
いるし エミルーやリンダそしてコステロ
までをゲストに迎えた79年作『夢のデュエ
ット』(エピック)なども 私は好きなア
ルバムです 彫りの深い歌声とハンク直系
のホンキー トンク スタイルがたまらな
く魅力的なジョーンズですからね ドニー
の口からはとても自然にジョーンズの名前
が出てきました だから私もそれに頷いた
それだけのことです 

ドニーとの心温まる会話のなかで
カントリー(白人音楽)とソウル(黒人
音楽)との超克は 大きな主題にもかかわ
らず合意を得られました 私が「レイにも
素晴らしいカントリー アルバムがありま
すね」と言い出し ドニー氏もそれに応じ
てレイの名作”modern sounds in country 
and western music "(62年 ABC)を話題
にしたのは その主題に関するささやかな
言葉のキャッチボールでしたし その会話
は少なくとも私に幸せな感情を運び込んで
きました 激しかった人種差別を背景にし
てのドニーとアーサー アレクサンダーと
の友情もまた そんな会話の一環として今
も焼き付いているほどです

何でも”説明”や”解説”を加えればいいとい
うものではありません よく「行間を読
む」という常套句がありますが こうした
インタヴュー記事であればなおさら それ
ぞれの会話を楽しみつつ 双方の言いたい
ことを汲み取り 言葉にならなかったこと
までに思いを馳せるような丁寧な姿勢が必
要なのではないでしょうか

言葉とは 放たれたものや書かれたものだ
けでなく 沈黙のなかにさえ宿っているの
です そのことを忘れてはいけません









2009/11/18  19:27

投稿者:鈴木カツ

♪久しぶりに小尾さんのブログを拝見させていただきました。お元気で、何よりです。
 レココレ誌ドニー・フリッツのインタビュー、楽しく拝見させていただきました。
質問も的確で勉強になりました。ぼくのブログ書き込みは、何の悪意のありません。
小尾さんに不愉快な思いをさせたことは、“物書きとしての力量がない”と叱咤してください。心から深くお詫び申し上げます。
 フリッツの答えに「ジョージ・ジョーンズ」というぼくの大好きなカントリー歌手の名前が出てきましたので、小尾さんにこれに関して突っ込んだ質問があったらな?という気持ちで書き上げました。ご存知の通り、60年代から70年代初頭に活躍した黒人・白人サザン・ソウル歌手たちは、まるであわせたように“チャーリー・リッチ、ハンク・ウィリアムズ、ジョージ・ジョーンズなどのソウル・フィール”を絶賛しております。この点がいつも気になっていたわけです。フリッツがジョーンズのどんな曲に「カントリー・ソウル」を感じたかを知りたかったわけです。誤解を生んだブログ書き込み、改めてお詫び申し上げます。



http://park8.wakwak.com/~music/kats/

2009/11/18  18:29

投稿者:sumori

obinさん、インタビュー記事読ませていただきました。フリッツの若かりし頃のアラバマの様子が判りとても興味深かったです。あれくらいページを割いてもらえるといいですね。お疲れさまでした。

鈴木カツ氏のコメントですが、多分文面からみて彼は、「ジョージ・ジョーンズ云々」というフリッツの回答に対し、更にその場で突っ込んで訊いてほしかったのではなく、obinさんが脚注、囲み記事などで補足説明をするべきだったという認識なんだろうと理解しました。「私がジョージ ジョーンズの音楽を知らないとでも思ったのか」は多分図星でしょう。

僕もときどきインタビュー取材はさせてもらうことがありますが、いつも難しいなと感じます。どうやってアーティストの真意を読者に伝えるか、かつ読み物として面白いものに仕上げるか、悩みどころです。

ところで、レココレ以外に今回フリッツの取材はあったんでしょうか?デヴィッド・フッドも来たことだし、BSR誌には取材してほしかった、個人的にはそう思いました。(提案しておけばよかった!)

http://members.jcom.home.ne.jp/bluesy/

2009/11/18  11:14

投稿者:obin


2009/11/18  11:05

投稿者:obin

やはり読者の反応のほうがずっと素直だし
実感がこもっている
余計な邪念がないだけに すっと言葉その
もの 音楽そのものに入っていけるのだろ
う(下記URLを参考に)

僕ら書き手に必要なことは ただれた
同業者の悪意や思惑に負けることなく
何よりも読み手にしっかりと届く言葉を
積み重ねていくこと
そんなことを改めて思った

残念ながら現時点で 僕の抗議文に対して
SK氏は彼のHPで 回答を留保もしくは無視
しているようである


http://blogs.yahoo.co.jp/mhkame21959/MYBLOG/yblg.html

2009/11/17  14:09

投稿者:obin

確かにこれはあまりに醜いですな
私に対する何らかの個人的感情を 彼は
ドニーの音楽を借りながら吐露しているに
過ぎないですからね
普通インタビュー記事というのは
会話の流れを楽しみつつ 発言者や質問者
の意図を汲むものだと思うのですが
そんな最低限の感覚すら持ち合わせていな
いのかもしれないですね
単に重箱の隅を突いて個人のエゴを満たす
ようなこんなテキストは読者に対してあま
りに失礼です
それとも私がジョージ ジョーンズの音楽
を知らないとでも思ったのか(苦笑)



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