東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2010/9/2

オビンの”B級”街道その8〜クリス・スペディング  Rock N Roll

前回はロックンロールの復興主義者ロバート ゴードンに
ついてメモしました そのときゴードンのギタリストが
リンク レイからクリス スペディングに途中から入れ替わ
った旨を述べたことを機に 久しぶりにクリスのLPを引っぱり
出してきました(LPはそれなりに整理出来るのにCDは小さ過
ぎて探す気になれないのは困ったものです)

私がクリス スペディングと出会ったのは ブライアン フェ
リーのバンドでフライングVを皮ジャン姿で弾くその姿を『
ヤング ミュージック ショウ』(NHK) で観てかなりのイ
ンパクトを受けたからです また高校時代は彼の代表曲である
「ギター ジャンボリー」がラジオでがんがん流れていたので
した

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チャック ベリーからジミ ヘンドリクスまで歴代の名ギタリ
ストの特性を見事なまでに写し取った(要はコピーした)「
ギター ジャンボリー」を含む76年作
以前はジャズへアプローチするなど結構幅があるプレイヤー
だったのですが ここから一気にロックンロールへと弾けて
いったのです 件の曲は物まねばかりが語られがちですが
リフでデュアン エディばりのトワング ギターをさらりと
決めるあたり 小技も効きまくっています

ね、ジャケットの安っぽい感じもサイコー!でしょ?
制作はドノヴァンで名を上げたミッキー モスト

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翌77年には こんなアルバムも このジャケで
クリス=フライングVのイメージはますます補強されていっ
たかも 制作はミカ バンドとの仕事を既に終えていた
クリス トーマス先生です
ロンドンはエア スタジオでのレコーディング
曲ではこの時点でガーランド ジェフリーズ「wild in
the street」を取り上げるという審美眼を見せています
トータルな質感は前作以上!
ザディコ仕立ての「Woman Trouble」は 早過ぎた
ロス ロボスという感じかなあ

そして恐らくこの時期以降にロバート ゴードンに接触した
のでしょう
愛すべき”ロックンロール渡り鳥”はロンドンからNYシティ
へと向かったのです

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ゴードンの79年作 伝説的なリンク レイの後任になるこ
とに関しては クリス自身相当なプレッシャーもあったと私
は想像しますが 彼のシャープというか鋭角的なギターは
レイと同じくらい素晴らしいものでした そしてバラードでの
甘いトーンも ギターの妙味を知っている人ならではの冴えを
見せていきます 美しいです

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その後 クリスは自身のトリオでも大活躍していくのです
写真は81年3月13日の金曜日にNYのトラックス クラブでの
ライヴ演奏を収録したLPであり
私はクリスの真価はこの盤にあると思っています

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SGなんか弾いちゃったり(笑)
一番ストラトやテレキャスが似合わない人なのかなあ?
だからこそ愛おしいのですが、、、
こんな名作がリマスターCDになっていないとは(涙)

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そしてゴードンとクリスとの結晶といえばこれ!
89年 NYのローン スター クラブでのライヴを収録
したこの盤は 素晴らしい!
バディ ホリーの跡地を彷徨うようなマーシャル クレイ
インショウの
「someday , someday」を取り上げていることにも
ゴードンやクリスたちの気概が込められているのでは?

今晩もきっとクリス スペディングは場末のクラブで
演奏しているのでしょう
「明日からは俺の時代が来るぜ!」なんて嘘吹きながら

ああ、男は黙ってサッポロビール!

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83年にPヴァインから発売されたチャック ベリーのアン
ソロジーは時代順に50曲を配していった優れたLP3枚組
だった 監修は我が恩師、山名昇さん
(ぼくがアマチュアの頃から可愛がってくれた)
このアルバムを飾ってあるロック バーを見つけたとき
私は涙が出そうになった

アルバムをひっくり返すと
そこにはデイヴ エドモンズとキース リチャーズへの賛辞
が記されている






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