東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/2/12

捕獲日誌  

DJでやや疲れ気味だったので 本日は地元の江古田で
捕獲作業を
まずはココナツディスクにCDを79枚売り 29000円の軍資金を得る
同店では
◎Young-Holt Unlimited /Soulful Strut (Brunswick)
◎Intensified/Catch The Beat (Blue Beat)
以上2枚のシングルを
問答無用のフリーソウラー 後者は新進スカバンドの活きのいいやつを!
おうおう 何だか元気が出てきたぞ!

次に大好きなワンインチロックのおやじさんに会いに
そこではウイリーボボ、デニスのジョーギブス盤
そして最高に嬉しかったのがblue beat BB6 という若い番号の
ウルトラ レアなキース&エニイドのシングルでした

やや興奮気味だったので
Ovations/Touching Me (sound of memphis SM708)を
遂に捕獲!

CDではボトルロッケッツ、ハニードッグスなど
パワーポップ関係を
少しの好奇心と一緒に レジへと

2007/2/12

ガロ〜ハーモニーという虹のこと  

70年代初期に活躍した3人組のアコースティック・トリオ、ガロは
悲劇的なグループ(メンバーの日高が自殺)として語られている
音楽を始める志 商業主義との妥協や葛藤 そして挫折
そんな残酷な光景を未だ突きつけてくるのがガロというグループかもしれない
そう、あのバッドフィンガーのように 
あのカート・コバーンのように


今 彼らのファースト・アルバム「たんぽぽ」を久しぶりに聞き直している
その音楽はとても瑞々しい
彼らがCSNを範としながら 日本語で自分たちの歌を作っていこうとする思いの
ようなものが鮮やかに映し出されているから

職業作詞家に依頼した「地球はメリーゴーランド」の
説明的な歌詞よりも
堀内が書いた「人は生まれて」のほうがずっと伝わるものがあると
僕は思う

  死ぬのは怖い
  感じ合えるすべてのものがなくなるから
  手を伸ばし 何かに触っていたい
        (「人は生まれて」堀内護)

それにしても 日高の自殺は
未だにもやもやと糸を引く
日高に特別の思いがない僕でも
奇妙なしこりとなっているのである
  
入らなくてもいい暗い井戸にすっぽりと包まれてしまった 
見なくてもいい残酷な光景を突きつけられてしまった
魂がすっと彷徨う「暗い部屋」に囲まれてしまった

ガロのアルバムをレコード棚から取り出すとき
僕は いつも やるせない気持ちになる
彼らのハーモニーは まるで虹のような曲線を描いていく
僕はそれを追いかけていく

日高も 
もっと気楽に生きればよかったのに
こんなに「再評価」されているのに
もう彼は 永遠に答えてはくれない


    




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