2007/4/7
ジーン・クラークが好きだった Rock N Roll
ザ・バーズ歴代のメンバーには個性豊かな人が多かったけれども
僕はジーン・クラークがとりわけ好きだった
どことなく影のある作風が心に残ったし
あっさりグループを抜けてブルーグラス・チームを組んだり
ソロ・アクトに踏み込んだりする一匹狼のような佇まいが好きだった
群れを好まず いつも俯き加減で ナイーヴで
ソロ作品ではやはり「ホワイト・ライト」(71年)が別格の出来映えだと思う
というか 僕は呆れるほどこのアルバムに針を落としてきた
彼の震えるような歌声は 僕を裏切ることがなかった
やや抽象的な言い方かもしれないが そうした感想が確かにある
で その盤の初回版をとうとう見つけてしまった
お茶の水のディスクユニオンの投げ売りコーナーで 約1000円也
それも 会社で離職票の手続きを済ませた昼に
A&M SP4292という品番はセカンド・プレス以降も続き
レーベル面に書かれたWhite Lightという文字も生かされたけれども
ジャケットには 表にも裏にも 背表紙にさえ
その記述はなく Gene Clarkという文字だけが白抜きされているだけという
不可思議さ
そんな経緯があったせいか 日本キングのリイシュー LP(GXG1036 77年)にも
このタイトルは生き長らえた
現行のCDではどういう扱いなのだろうか
「ホワイト・ライト」という曲自体はA面の3曲めに収録されているものの
当時は何故このタイトルが? という論調が一般的だったと思う
アルバム・タイトルを比較的軽快で ザ・バーズを思わせる「ホワイト・ライト」の曲に
準拠させるのか それとも
ジーン・クラークというセルフ・タイトルにするのか
恐らく製作の時点で スタッフに迷いがあった結果なのだろう
そんな状況ひとつにさえ ジーン・クラークという音楽家が置かれた
中途半端な立場が露呈されているといったら あまりにも酷だろうか?
ジーン・クラークの音楽は 聞き手に奇妙な染みのようなものを残していく
それはうまく言えないけれども
どんなに明るい光のなかに立ったとしても そのぶんその人の影は伸びていくような
孤独で危うい感情だと思う
光ばかりを求めていても駄目なんだ
暗闇に隠れているだけでもいけないんだ
勝利の美酒に酔いしれても 負け戦を繰り返したとしても
光と影は ある日きっと束となって訪れる
それも突然に
そんな問いを僕は彼に投げかけてみる
ジーン・クラークは もう永遠に何も答えてくれないけれども
僕はジーン・クラークがとりわけ好きだった
どことなく影のある作風が心に残ったし
あっさりグループを抜けてブルーグラス・チームを組んだり
ソロ・アクトに踏み込んだりする一匹狼のような佇まいが好きだった
群れを好まず いつも俯き加減で ナイーヴで
ソロ作品ではやはり「ホワイト・ライト」(71年)が別格の出来映えだと思う
というか 僕は呆れるほどこのアルバムに針を落としてきた
彼の震えるような歌声は 僕を裏切ることがなかった
やや抽象的な言い方かもしれないが そうした感想が確かにある
で その盤の初回版をとうとう見つけてしまった
お茶の水のディスクユニオンの投げ売りコーナーで 約1000円也
それも 会社で離職票の手続きを済ませた昼に
A&M SP4292という品番はセカンド・プレス以降も続き
レーベル面に書かれたWhite Lightという文字も生かされたけれども
ジャケットには 表にも裏にも 背表紙にさえ
その記述はなく Gene Clarkという文字だけが白抜きされているだけという
不可思議さ
そんな経緯があったせいか 日本キングのリイシュー LP(GXG1036 77年)にも
このタイトルは生き長らえた
現行のCDではどういう扱いなのだろうか
「ホワイト・ライト」という曲自体はA面の3曲めに収録されているものの
当時は何故このタイトルが? という論調が一般的だったと思う
アルバム・タイトルを比較的軽快で ザ・バーズを思わせる「ホワイト・ライト」の曲に
準拠させるのか それとも
ジーン・クラークというセルフ・タイトルにするのか
恐らく製作の時点で スタッフに迷いがあった結果なのだろう
そんな状況ひとつにさえ ジーン・クラークという音楽家が置かれた
中途半端な立場が露呈されているといったら あまりにも酷だろうか?
ジーン・クラークの音楽は 聞き手に奇妙な染みのようなものを残していく
それはうまく言えないけれども
どんなに明るい光のなかに立ったとしても そのぶんその人の影は伸びていくような
孤独で危うい感情だと思う
光ばかりを求めていても駄目なんだ
暗闇に隠れているだけでもいけないんだ
勝利の美酒に酔いしれても 負け戦を繰り返したとしても
光と影は ある日きっと束となって訪れる
それも突然に
そんな問いを僕は彼に投げかけてみる
ジーン・クラークは もう永遠に何も答えてくれないけれども