東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/11/21

novels travels and heartaches  文学

今年は小説を 今のところ18冊読んだ
会社員時代は 毎年平均せいぜい2〜6冊
末期は自己探求のために10冊近くに達したこともあるが
それにしても 驚異的な飛躍である
上下巻ものや 巨編も含まれている

小説なんぞは女子供が読むもの
あるいは 学生時代の産物と捉える向きもあろうが
そんな線引きが出来ること自体が
私には驚異である

音楽にしても同じことだが
歳を重ね それなりに思慮深くなってから
味わい深く接することが出来るのが
ノベルズの醍醐味のひとつだろう

より多くの小説を読むことは
より多くの人の物語や人生に触れることでもある
それが太宰や夏目のような古典であれ
それが村上や小川のような現在進行のものであれ

その本と自分との結び目が出来た時の喜びは
何者にも代え難い

せっかくだから
20冊きっかりを目指してみようと思う

今 読んでいるのが三崎亜記の「失われた町」であり
これが今年の19冊め
読んだページは  半分を超えたところだ













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