東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2008/12/30

12月29日  

渋谷のディスクユニオンでラウドン ウェインライト
のファースト アルバム(70年)を購入後
編集者の小林博美さんと飲み会
一軒めで鍋を囲み
二軒めは国境の南http://www.kokkyo.net/

一日じゅう誰とも話さないことが多い僕にとって
こういう会はありがたく 新鮮だ
ともあれ 今年一年お疲れさまでした

酒量はビール2〜日本酒1〜ビール1〜焼酎3

2008/12/27

満員御礼 ! !〜@バード  

いやあ 楽しい夜でした  
文屋さん 新井さん お疲れさまでした
来ていただいた皆さん ありがとうございました
以下私のプレイリストです

prt 1

james hunter/do me no favour
litttle milton/just a little bit
ray sharpe/linda lou
animals/its my life
little milton/im gonna move to the outskirts of town
spencer davis group/watch your step
shirly scott/nitty gritty
timi thomas/why cant we live together
jimmy smith/lets stay together
ann pebblies/if this is heaven
  

prt 2

the three souls/milestones
josse stone/super doper love(are you diggin on me?)
bobby tench/sky
los lobos/more than i can stand
bobby womack/woman gotta have it
johnny robinson/we gonna make it
little milton/stormy monday
eli "paperboy " reed/take my love with you
delbert & glen/ every day will like a holyday
alton ellis/shu boom(life could be a dream)
little milton/baby i love you


http://kawasakiyukio.com/

2008/12/24

物語を紡ぐ力  

久しぶりに鈴木慶一とムーンライダーズの
『火の玉ボーイ』(76年)を繰り返し聞き
直している デビュー作ゆえにナイーヴと
いうか 心象が一番素直に反映されたアル
バムかもしれない

心象というと個人的な喜怒哀楽を表現した
ものと誤解されるかもしれないが それは
違う むしろ第三者に扮し ”語り部” に
徹する姿勢は ザ バンドのブラウンアル
バム級と言っても構わない

『火の玉ボーイ』に描かれる大正ロマンと
いうか昭和初期のモダニズムとでもいうべ
き世界 そこに登場する主人公たち(ラム
亭に集う港上がりの水夫たちから午後の貴
婦人そして口髭を蓄えたバンジョー弾きの
”あの人”まで)を生き生きと描くこと そ
のことに本作の主眼は注がれている 

舶来文化の匂い そうした時代を知り得な
い慶一たちによる潜伏が 内気な青年が大
海に漕ぎ出していくような『火の玉ボーイ
』という名作を生み出した

アルバムは出港を祝うような「蛍の光」の
埃っぽい響きで 幕を閉じる










2008/12/22

自分という印がある原稿のこと  

とある編集プロダクションの方々と打ち合わせ
ある程度自由に書けるコラム記事2本を依頼される
こういう原稿は あれこれアイディアを浮かべて
いくだけで 楽しい

たとえ数は少なくとも
僕の原稿を必要としている方々の希望には
出来るだけ応えていきたいと思う

こういう原稿と部屋で向き合っていると
聞く音楽も自然と輝き出すから不思議だ





2008/12/21

2008年によく聞いたCD  

steve winwood/nine lives (colombia)
van morrison /keep it simple (lost highway)
james hunter/the hard way (hear music)
eli "paperboy" reed /roll with you (qdivision)
jon cleary/live〜mo hippa (fhq)
kitty,daisy & lewis (sunday best)
irma thomas/simply grand (decca)
amos garrett/get way back (wess)
おおはた雄一/covers (ワーナー)
saddles/waiting on the hill (power elephant)
次点:ian " stu" stuwart 他/rockett 88 (atlantic)再発

*   *   *

音楽的な語彙の豊かさというものを噛み締め
させられたウィンウッドがやはりベストです
ヴァン モリソンの新作とともに長い間ファン
で良かったと思える至福の時を堪能しました
ペパボーイとハンターは(かつての)R&Bが
大好きという意味でパブ ロックにも通じる
音楽への愛に満ち溢れています
新人ではノース ロンドン発のコリンズ キッズ
というかヤング マーブル ジャイアンツが
何故かルーツ ロックに目覚めてしまったような
kitty,daisy & lewisのやんちゃさに乾杯!
日本では すんなりと染み入ってきたおおはた雄一
と ライヴがひたすら素晴らしく全盛期のクレイジ
ーホースを彷彿とさせるサドルズが良かったです

正直な話、50年代60年代のブルースやR&Bと改めて
じっくり向き合うことの方が遥かに楽しく
また学ぶことも多かった そんな意味では英aceの
コンピレイション盤『Rock On』(08年)が秀逸でした
ロンドンの今は亡き中古レコード店で人気があった曲
つまり ”俺の店(rock on)のベストセラー”
を集めたこのCDからは 時流に左右されない届け手
と聞き手との幸福な関係が がんがんと伝わってきます
これぞ  まさにパブ ロック

既発ながらアール パーマーのドラムスに焦点を絞った
『backbeat』(英ace) と 伝説のスタジオで生まれた演奏
を凝縮した『the cosimo matassa story』(英proper)も
後世に語り継がれるべき偉大な音源集だと思います



















2008/12/19

我が物と思えば軽し笠の雪  

十二月のこの句は 芭蕉の門下生である宝井其角による
これは読んで字の如く
人生は心の置き所次第で楽しくも悲しくもなる
ものの見方を変え 心映えを明るくしていけば
難もまた有り難しという やや訓話めいたものだが
悪くない




2008/12/17

最近の原稿から  nothin but the blues

『大人のロック』冬号のエリック クラプトン特集に
アンケートとして 好きなアルバムを選び
その理由をお答えしました

『レコードコレクターズ』1月号の
マイケル ブルームフィールド特集に
彼のヒストリー原稿「ロック黎明期に時代の寵児と
なった” 忘れられた天才ブルース ギタリスト”」
を書きました

この細々とした営み(苦笑)

いずれも発売中
よろしかったら読んでみてください

今日はずっと雨
憂鬱です
自分の思っていることを素直に言えない人が
増えたような気がします
そういう人たちは取り繕うことが
カッコイイとでも思っているのでしょうか

これから風呂入って
焼酎でも飲むか
ああ ブルースな人生(苦笑)

http://www.moto.co.jp/coyote/critics/01.html



2008/12/16

オリンピックの身代金  文学

の書評を早速アップしていただきました
僕もいつもより長めの原稿を書いてみました
興味をもっていただければ嬉しいです
http://bookjapan.jp/search/review/200812/obi_takashi_01/review.html

2008/12/14

今は過去の延長上にある  

過去に対する私の態度というものは
”その人を知るためには その人が生きた時代を
知らなければならない” といったものである

そんなことを考えながら
蓮見圭一『水曜の朝、午前三時』と
奥田英朗『オリンピックの身代金』の
書評を本日脱稿した

いずれも昭和という時代のクロニクルだ


2008/12/14

13日のプレイリスト@高円寺:洗濯船  nothin but the blues

1 little walter/my babe
2 little walter/one more chance with you
3 muddy waters/whiskey blues
4 little miiton/ dont decive me
5 little miiton/baby i love you
6 jimmy rogers/slanpy drunk
7 sonny boy wiliamoson 2 /dont start me talkin
8 john lee hooker/mad mans blues
9honey boy edwards/drop down mama
10 jimmy rogers/ rock this house
11 little walter/mellow down easy
12 little milton/ please pleease

全編チェス音源の純正シカゴ バウンス!
隅田監督 お疲れ様でした!






2008/12/13

in the chase of chess blues  nothin but the blues

1 little walter/juke
2 little walter/one more chance with you
3 jimmy rogers/walking by myself
4 muddy waters/long distance call
5 chuck berry/ wee wee hours
6 bo diddly / im a man
7 little milton/ part time love
8 honey boy edwards/drop down mama
9 john lee hooker/ mad man blues
10 robert nighthawk / sweet black angel
11 howlin wolf / evil
12 sonny boy williamson 2/ cross my heart
13 jimmy mccraklin / the walk
14 little walter/ you better watch yourself
15 muddy waters/honey bee
16 clifton chenior/ my soul
17 tommy tucker/high heel sneakers
18 jimmy rogers/chicago bound
19 john lee hooker/union stastion blues
20 little milton/lets get together


久しぶりに高円寺/洗濯船でのdj もとい隅田川の会は
本日これから 鋭意選曲中なのである
http://sentakusen.jp/


2008/12/12

shadows and lights  文学

奥田英朗の最新刊『オリンピックの身代金』を読了
以前読んだ『サウスバウンド』もかなり面白かったが
今回もなかなかの力作だと思う

舞台は昭和39年の東京オリンピック
戦後日本の晴れ舞台というべきそのイベントを巡る
テロリストの反乱というのが 主題だ
活写される昭和の風景も まだ戦後まもないことを
強烈に匂わせる

よほど無邪気な人間でない限り
このような国家的な祝祭に様々な思惑が蠢いている
ことは想像出来るだろうが
奥田はその暗部を 繰り返し照らし出す

そのことは今も変わらない
つまり光があれば 影もあるということだ
「私たちにはオリンピックなんて関係ない」
チベット人のそんな声が 忘れられない

音楽ファンにとっては
ビートルズの描写だけとっても
今の洋楽受容とは決定的に異なる体験だったことを
実感出来るはずだ
1964年とは そのような年だったのである

それにしても原稿用紙にして1400枚
本は520ページであり
しかも二段組みの一大巨編だ

読み終わるまでに6日かかったが
何とも言えない感慨が押し寄せてきた


2008/12/4

ミルトン先生、5枚で2100円也  

早速お茶の水のディスクユニオン ソウル/ブルース館
に行き 以下のLPをゲットしてきました
アルファベット整理なしの床下ダンボールでの
完全なる投げ売り状態

◎Little Milton/Sings Big Blues (checker) 66年          
◎  /Age Aint Nothin But A Number (MCA) 83年  
◎      /Playin For Keeps (malaco)84年           
◎      /I Will Survive (同)85年          
◎      / Annie Maes Cafe (同)86年 

結論:一番良いのはチェッカーでのブルース アルバム
とくにBBキング作「スニーキー アラウンド」が秀逸!
MCA〜マラコ盤は総じて音が厚ぼったいのが難点だが
歌の良さがそれを帳消しにする 妙な言い方だが
都はるみのファンが「このバックの音はなあ」とは
言わないでしょ? チトリン サーキットに集う人たち
はレコードをライヴの副産物、置き土産くらいにしか
考えていないのかもね 非チトリンとしてはやや疎外を
覚える場面も 値段は順に525,315,420,525,315円
正直マラコ盤に関しては今いちでした
充実のチェッカー〜スタックス期を揃えて捲土重来としたい



                 

2008/12/3

ああ、リトル ミルトン  

少しだけalmost prayedさんとここで盛り上がった
リトル ミルトンだが 僕は恥ずかしながらスタックス
とマラコ盤を一枚ずつ持っていたくらい
DJでチェッカーのシングル「ジャスト ア リトル ビット」
を回したことはあったけれど

そんな僕が「わあ、ミルトンっぽいなあ!」と感激したのが
ジョニー ロビンソンのエピック盤『メンフィス ハイ』収録の
ミルトン曲「ウィ ゴナ メイク イット」なのだから
底は知れている

そんなわけで きちんとミルトンを聞かなければ、と思い
今 聞くはチェッカーの『イフ ウォールズ〜』と
グレイズの「フレンズ オブ マイン』

”ブルーズン ソウル” 
それがミルトンの代名詞だ
個人的な好みに過ぎないのだが
やはりチェッカー時代の純度に圧倒される

いいなあ ミルトンは!
少しずつ集めようと思う
中古LPを 500〜800円くらいで



2008/12/2

現実と拮抗する物語  文学

吉田修一『さよなら渓谷』(新潮社)を一気に読了
正直02年に『パークライフ』で芥川賞を取った時は
私には何も訴えかけてくる要素がなく 関心を繋ぎ
留めるような作家ではなかったのだが やはり昨年
の『悪人』(力作!)で認識を改めたといったところ

『さよなら渓谷』の主題は ずばり若い時に犯した
罪はその加害者の一生を規定してしまうのか、とい
うもの それを被害者のその後と絡めながら書いて
いくのだが これが思わぬ展開に、、、

けっして後味の良い小説ではないし その罪に規定
されていく当事者たちの運命は残酷過ぎるのかもし
れないのだが これだけ現実の社会がタガを外して
しまった以上 このくらい”その後” を書き込んで
いかないと もはや拮抗出来ないのだろうか?

別に訓話的な要素を取り入れているわけではないが
『悪人』同様 極めて今日的な合わせ鏡のような
作品だ 余談だが「その人に影あり」といったところ
から興味を広げていくエンタメ的な要素もたっぷりあり
飽きさせない










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