東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2009/8/15

靖国神社を歩いて〜2009年8月15日  Rock N Roll

九段下の駅から階段で地上に上がる
ものすごい人の波に揉まれつつ
鳥井をくぐって神社を目指す

一水会*などの右翼団体の宣伝カー
特攻服に身を包みウンコ座りする集団
拡声器で麻生の不参拝をなじる者
日の丸片手に民主党を売国奴と攻撃する者
かつての村山談話をまっこうから否定する者
中国人に参政権を与えるなとビラを配る者
さらに中に入ると田保神元幕僚長がちょうど
講演を始めるところで あちこちから拍手が
起こる

団体どうしの小競り合いなどは私の見た範囲
では見受けられなかったが
やはり一種異様な雰囲気だ
ただ参拝者は冷静に前を目指し列を保っている
炎天下で倒れたお年寄りが担架で運ばれる
ところも目撃した

靖国を踏み絵にして善悪を語ること自体が
今の日本人の最大の不幸かもしれないとも思う
ただ それも元を質せば私たち一人一人が
きちんと戦後を見つめてこなかったせいだ
一般論を振りかざし ”人それぞれ” を矮小化し
正面から戦争を捉え言葉を尽くすのを避けてきたせいだ
少なくともそこにドイツ人のような贖罪の意識や
記憶の集積としての意志は見受けられない

私は黙って靖国を後にした
蝉だけがいつものように鳴いていた




註:一水会(いっすいかい)

三島由紀夫 森田必勝の自裁を”戦後体制を打ち破る
果敢な行動” と位置付けることを源泉とした民族派
の団体で 木村三浩を代表 鈴木邦男を最高顧問とす
る 反共としての右翼という立場は取らず 日本民族
の独立 日米安保条約の破棄 各民族の自主独立など
を理念に掲げている 今年5月には小泉前首相へ公開
質問状も出した その質問の主旨は以下の三つである

1 アメリカに追随してイラク戦争に賛成/加担したが
  その根拠とした大量破壊兵器は見つからなかった
  その責任をどうして認めないのか

2 自らがサマーワに派兵を決めたにもかかわらず
  リーダーとして現地に赴き兵士たちを直接励ま
  すことがなかったのは 誠実といえるだろうか

3 アメリカに追随した構造改革によって多くの若
  者たちがまともな職業に就くことが出来なくな
  った 自らの引退によってその問題を封印しよ
  うというのであれば あまりに無責任ではないか






























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