東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2009/10/30

ブリティッシュ・ロック栄光の日々  

先日御茶の水のディスクユニオンにて
「ブライアン オーガーのコーナーはどこですか?」
と店員さんに尋ねて案内されたのがプログレのコー
ナー 隣りにはキャメルの棚がある
思わず「え! プログレなんだ!」と驚く私
店員「すみません、微妙なんですけどね」と苦笑い
いやあ 私のなかではジャズ ロックの括りだった
のよ オーガーは

CDが500円だったのでコロシアム『ライヴ』も
購入 30年ぶりくらいに聞き直した
当時はLP2枚組だったなあ
クリス ファーロウの気張ったヴォーカル
ジョン ハインズマンのツインバスを駆使した重い
ドラムス そしてグリーンスレイドのオルガン&
ヴィブラフォーンが素晴らしい
このコロシアムなんかもディック ヘクストール
スミスが参加していることからも
私にとってはアレクシス コーナー一派からまっす
ぐに連なるバンドだ
そしてクレム クレムソンはのちにハンブル パイ
へと合流する

ファミリーのロジャー チャップマンの塩辛い(ま
たは二日酔いのジョー コッカーともいふ)も最高
だし ジェフ ベック グループ〜ハミングバード
で活躍したボブ テンチも得難い味わいを持ったシ
ンガーだった

そのテンチも参加したのがティム ヒンクレーと
その仲間たちによる『HInkleys Heros』(2000年)

歴代のブリティッシュ”裏街道”猛者たちのなかには
ヘンリー マックロウやニール ハバードそして
ミッキー ムーディらの名前もある
ここでの主人公ヒンクレーが最近ダン ペンのプロ
デュースでアメリカ録音したアルバムを発表したの
も 美しい帰結と呼ぶべきものだろう

こんな質実剛健なブリティッシュ・ロックが再び
陽の目を見ることを願ってやみません
余計なところで力が入っちゃうのもアナタたちの
いいところ^0^
むろんややダークな情感も

ダフィー パワーのソロ作(73年)なんか激渋だぜ
2万円で中古CDを20枚買える喜びよ!






2009/10/27

急告! ゲリラDJのお知らせ  Rock N Roll

10月31日(土)19時〜@狭山ふぃがろ
DJ:小尾隆&狭山の皆さん

〜obins rockin' blues presents vol.特別編です^0^
またの名を日ハム リーグ優勝おめでとうセールともいう(笑)
さあ 因縁の”東京”で日ハムの圧倒的優勝を!

「自ら描いた精緻な地図に背いてしまうようなロック衝動」
敬愛する同業者である山本智志さんは佐野元春の音楽に
関して 確かそんな言葉を書き記されていた

もっともらしいことへの反発
ロック音楽の連続線への敬意


みなさん 31日にお会いしましょう!

http://www.hat.hi-ho.ne.jp/s-tagaya/





2009/10/25

アンチ・ブラックホウカーが今日もお皿を回す  

2000年くらいから始まっているから
確か60回めくらいになる”隅田川の会”DJ
ある者はもう二度と来ないと怒り
ある者は言い訳もせずにそっと去っていく
また ある者やある者が新しく入ってくる
そういうことだ
(忠実な下部みたいな奴って気持ち悪いよね)

以下いつものようにリストを記す

10月24日@高円寺 洗濯船
小尾DJリスト

1 manfred mann/sprit feel
2 small faces/what'cha gonna do about it
3 the graham bond organisation/neighor, neighour
4 rolling stones/around and around
5 pretty things/rosalyn
6 zoot moneys big roll band/ james brown medley
7 georgie fame/eso beso
8 yardbirds/respctable
9 yardbirds/lost wowen
10 yardbirds/white summer
11 koko tayler/what came first the egg or the hen?
12 blues breakers/ its aint right
13 flamin groovies/walkin the dog
14 flamin groovies/something else ( ode to eddie)
15 yardbirds/jeffs boogie



註:「ブラックホーク」
70年代に渋谷の道玄坂 百軒店界隈にあったロック喫茶
の名前 音楽的にはシンガー ソングライターや南部も
の ブリテン諸島の伝承歌など ラジオではめったにか
からないマイナーな存在に光を当てる役割を果たし
長らく語り継がれるような伝説的な店となった
一方で”私語禁止”や有名な曲やLPのリクエストを拒む
など 高踏的かつ選民的な接客態度も目立っていた
そうした雰囲気に馴染めなかった筆者のような客も
少なくなかった
あの時代の空気がそうさせたとはいえ 
この店への反発心は 今なお私を支える原動力となって
いる 
教訓=「たかが店なのに偉そうにすんなよ!」
本人は威厳を保っているつもりでも 揶揄される
場合というのは 往々にしてあることだ


註:「忠実な下部」
友部正人の辛辣な名曲「どうして旅に出なかったんだ」
には こんな一節が苛立ちとともに歌い込まれている
「お前の顔を見るたびに 俺はもう二度とこいつとは
出会えないんじゃないか と思ってしまうよ」と






2009/10/20

みんなどうもありがとう!^0^  

月曜にもかかわらず@御茶の水woodstock cafeに
集まっていただき ありがとうございました!
みんなグレイトなお客さんでした!
以下プレイリストです

prt1

(pat metheny/going ahead)

1 eric clapton/please be with me
2 blues breakers/rumbrin on my mind
3 alexis corner blues inc./tiger in your tank
4 rocket 88/roll' em pete
5 dave edmunds/wramed over kiss(left over love)
6 nick lowe/i'll be there
7 wes mcgee/contrabandstas
8 henry mcclough / i couldnt sleep for thinking of hank williams
9 john baldry/my mothers dead
10 rod stewart/ only a hobo
11 electric bluebirds/dark hollow
12 chevalier bros./ five guys named moe
13 chas and dave/time to kill
14 rockinbirds/we had it all
15 ralph mactell/sandiego serenade


prt 2

( pat metheney/ going ahead)

1 george harrison/love comes to everyone
2 tim hinkley/love gonna catch up with you
3 bob tench/sky
4 kokomo /angel (ode to aretha)
5 dusty springfield/ breakfirst in bed
6 james hunter/dont do me no favours
7 them/gloria
8 van morrison/i cant help loving you
9 zoot moneys big roll band/ it shouldnt been me
10 lew lewis/mr.bartender
11 diz and the doormen/ i got it
12 traffic/ feelin allright
13 steve winwood/ other shore
14 ron wood/if you dont want my love
15 faces / ooh la la

〜one more mile to go! 〜

1 ian mclagan/ youre my girl
2 chilli willi and the red hot peppers/goodbye nashville, hello camden town


 

2009/10/18

お知らせ  

明日(19日)19時半から御茶の水のウッドストック 
カフェにて 僕のDJ&トーク イヴェントがあります
このお店では確か3回めの出演になると思いますが
もしお時間があれば 久しぶりの人もぜひ遊びに来て
ください 参加費は1000円&ドリンク代となります

今回はテーマとして「英国裏シーンに息ずくアメリカ
音楽の血脈」というのを掲げさせていただきましたが
そんな大層なものではなく(笑)要はアメリカ音楽に
影響を受けた音楽家たち(あまり知られていない人た
ちも含めて)を聞いていこうという主旨です

僕はCDを買う時 この音楽家はアメリカだから聞くと
かイギリスだから聞かないとか そういうことを意識
したことがほとんどありません 相互影響はむろんの
こと 英米の演奏家が出会うことによって輝かしい足跡
を残してきたことが忘れられないからかも知れません
トラフィックしかり ストーンズしかり ロン ウッド
しかりです あのビートルズでさえ もし解散があと
一年遅かったら マスル ショールズへと旅立っていた
かもしれません
あるいは幾つかのバブ ロックが抱かせる「この人たち
本当にアメリカの音楽が好きなんだなあ〜」という愛お
しいような実感は 僕の音楽的領域を少しずつ広げてく
れました 

またいつも不思議に思うのですが 同じ音楽でも自分の
部屋で聞いている時と 外で人と触れ合いながら聞く時
とでは まったく違う印象になるというのが面白い!
やはり僕は”場所”が好きなのでしょうか

そんなわけでお酒を飲みながらワイワイやりましょう!

小尾 隆

http://woodstockcafe.jp/


2009/10/16

音楽のような写真〜渡辺真也のこと  

今ぼくの手元には『日本版ローリングストーン』の74年
11月号がある 忘れもしないぼくが高校1年の時購入し
たものだ 情報自体に飢えていた時代だったから
買った本屋の名前まで今でも覚えているくらいだ

その号では復活したボブ ディランが特集され 
ヨーコと別居したジョン レノンが語られ 
「ニクソン最後の日々」という記事があり
新譜レビューではエリック クラプトン『461』が
いささか的外れ気味に紹介されている
映画『あの頃、ペニーレインと』にもやり手の編集者
として登場するベン フォン トレスによるCSN&Y
のツアー ルポが目玉だろうか

さて その時のCSN&Yを観ていた日本人の青年がいた
写真家の渡辺真也さんだ
そんな彼の連載『サンフランシスコ滞在日記』が
今月のレコードコレクターズ誌から始まった
ロックがまだ明るい響きを持っていた時代の回想という
よりは 単身アメリカに乗り込んで写真を志した青年の
かけがいのない日記として ぼくは楽しみにしている
ぼくが地方の高校で無神経な体育教師に体罰を受けてい
た頃 もう渡辺さんはサンフランシスコの空気をたっぷ
り浴びていたのだ

いい文章は書こうと思って書けるわけではない
むしろそんな邪心がある限り それは遠くなる気がする
ぼくのなかに言葉はない
音楽のなかに言葉は宿る
いい音楽がぼくに言葉を運び込んできてくれるのだ

写真はどうなのだろう ぼくは写真の技術は解らないが
やはり何か自分に降りてくる美しいものがあって 
それが写真を撮らせるのかもしれない
ザ バンドや佐野元春がレンズを通して
きっと渡辺さんに さざ波のようなものを立てるのだ
今度彼に会ったら そのことを尋ねてみよう

ちなみに彼はこの時のニール ヤングに関して
こんな風に書き留めている

「気持ちでギターを弾くニール」と

       







2009/10/15

河口を探し出していく中村まりの歌  

河口を静かに辿っていくような 中村まりの歌に
14日 生演奏で初めて触れた

僕にはほとんど馴染みがない 曙橋のバック イン
タウンという店でのライヴだったけれども
程よい空気が会場を満たし
ほっこりとした土の匂いや樹木の揺らぎを思い起こさ
せるような歌の数々が 奏でられていく
淡々としたステージ運びが かえって歌に生命を宿
していくような そんな流れを感じずにはいられない

フィンガー ピッキングと 喉元でわずかに震える声
彼女自身がときにハーモニカやジューズ ハープを
吹き フィドルとバンジョーそれぞれの仲間が
歌の周りで跳ね 踊る場面もあった

「night owls」の夜に染み渡っていくかのような
情感 「seeds to grow」の陽光に向かって
思いっきり背中を伸ばしていく響き  
それらが中村まりという人としっかり手を携え合って
いる

僕のような怠惰な聞き手にとっては 昨日のうちに水を
差すはずだった植物に 今日になってからやっと雨を
降らせたような そんな申し訳ないような感覚も少なか
らずある

今日という日が昨日の続きでしかなかったり
明日とやらというものが今日の延長でだらだらと顔を
もたげる
そこにあるのは息を呑むような水平線ではなく
まるで昨日の新聞のようなガラクタに過ぎない

そんな日々のなかで
僕は彼女のような歌を見つけられるだろうか
水曜も木曜もただ流れていくような時間のなかで
僕は中村まりのように
河口を探っていくことが出来るだろうか

そんな祈りの感情すら
彼女の音楽は そっと運び込んでくる

http://www.marinakamura.net/


〜追記〜
終演後念願かなって まりさんと初接見
拙書『Songs』を差し上げて握手を交わす
とても丁寧で感じのいい方でした







2009/10/13

大田区の向こう側  

12日は京浜ロック フェスティヴァルを見に
川崎の東扇島へ行く
川崎駅からバスに乗っていくといわゆるコン
ビナート地帯と呼ばれる工場や倉庫が忽然と
立ち表れてくるが その海岸地帯でコンサー
トは行われた

久保田麻琴から細野晴臣までの
日本のロック史を瞬時に凝縮したような
出演者の顔ぶれも 管理色を強めるので
ないユル〜イ雰囲気も フジやサマソニに
二の足を踏んでしまうような 40代50代の
ロック ファンを野外へと連れ戻し あの
時代を知らない若者たちをも引き込んでいく
そんな意味では狭山のハイドパーク フェス
を思い起こさせるような理念を掲げているの
だろう  出演者たちが客席に混ざって談笑
し 再会を祝し 杯が重ねられてゆく

藤田”洋麻”洋介が売店近くで微笑んでいる
新井健太が芝生に座っている
西田啄が声を掛けてくる
彼らには英雄的な意識などこれっぽちもない
そんな垣根のなさも
選ばれた演奏家たちのオーガニックな音楽と
しっかりと共振していたように思える

オレンジ カウンティ ブラザーズが「俺たち
はこれしかやらないぜ!」的な存在感を見せつ
ける こればかりは時代に寄り添うことを一切
せずに好きな音楽を続けてきた不器用な男たち
の大いなる凱旋であり ささやかな勲章と呼ぶ
べきものだろう 飯田雄一のゴツゴツとした
ヴォーカルには お勉強や学習ではけっして
得られない本物の匂いと味がいつも横たわって
いる この人はなんて大きく 逞しく ときに
人を切なくさせるのだろう
今回はガルフ コースト音楽への傾倒など
何かと接点が多いザディコ キックスとも
共演して おおらかで賑わいのあるノリで楽し
ませてくれた

空が葡萄色に染まり 夜風が頬を撫でる頃
最高の場面で 東京ローカル ホンクが登場する
なだらかな丘陵を描いていくようなサウンドスケ
ープがひたすら心地佳い 出演者が目まぐるしく
変わり 時間的な制約のあるこういうフェスでは
繊細な曲を並べるよりは 最初から飛ばしていっ
た方がいいと判断したのか この日はジャム的な
長尺ナンバーで演奏面での実力を発揮した ギタ
ーの波が放射線上に広がっていくような開放感を
野外というロケイションで味わうという贅沢を
噛み締める

その後続いた友部正人 3人ムーンライダーズ
あがた森魚の演奏もホンクが務める ホンクの
柔らかな輪郭を携えた音を背に歌いたいという
友部たちの想いも 僕には解るような気がした

ムーンライダーズの名曲「くれない埠頭」も
終盤に用意されたが 川崎というこの日の場所
といい はちみつぱいの”大田区の向こう側”の
匂いを感じさせるホンクとの共演といい 図らず
とも「くれない埠頭」を演奏するには 何より
の光景であり 出会いであり 幾つかの感傷で
あったと思う

昨年の一回めは 何かと不備が伝えられていた
(僕は昨年は行けなかった)京浜フェスだが
今年は好天にも恵まれ また運営もスムースであり
トラックの横付けステージ二つによる
交互の演奏も正解だった

システマティックであったり
”上意下達” ではないライヴ パフォーマンス
これこそは本当のライヴのあり方であり
日本のロックが長年に亘って培ってきたサムシング
であるだろう
そんなことを いつまでも信じていたい





2009/10/12

佐野元春、再び路上に  Rock N Roll

佐野が再び旅に出る
1月から始まる全国ツアーは
どうやら 長い旅になりそうだ
それもホーボー キング バンドとの邂逅
10年以上連れ添い 苦楽を分かち合った仲間たちとともに
佐野は再びロードへと立ち戻る
自分の歌を 確かめるために
自分がこれまでしてきたことを 試すために
再び 街に繰り出していく

佐野ほど”僕”と”きみ”の関係性を
しっかりと 辛抱強く 築こうとする音楽家を
僕は他に知らない

退屈なロジックに陥ることもなく
アヴァンギャルドの迷宮を彷徨うこともせず
むしろ彼はポップ音楽の普遍を
一見平易に映るような言葉の連なりのなかで
輝かせてきた
暗雲が立ち込める日には そっと
海岸線がすくっと見渡せる晴れた日には 力強く

2年まえのツアー最終日 国際フォーラムでの演奏は
ずっとずっと余韻を残す 3時間の疾走だった
聞き手それぞれの過去と現在を優しく照らし出し
佐野は この困難な時代に生きていくことの尊さを
楽しい音楽とともに そっと運び込んでいた
ポップ音楽への献身 ロック音楽の連続性への敬意
言葉は紙コップから溢れ出し
音楽はずっと河口へと続いていった
地下鉄に乗った女性ファンの 宙を見つめるような表情は
ロック音楽の最も輝かしい瞬間を
僕に思い起こさせるほどだった

「ファンがどこで僕と離れようが またどこで僕と再会しようが
僕は僕の音楽をやっていくだけです」
その一言に込められた大きな流れを 柔らかい響きを 聞き手は知っている

誰にも従わず 傷の手当もせずに
僕たちは佐野の音楽に 心を震わせてきた

小尾 隆


*(この原稿は佐野元春が08年に行ったツアー”sweet soul, blue beat "
のために書かれ 同ツアーのパンフレットに採用されたものです)










 


2009/10/11

bring on the lucie/john lennon  Rock N Roll

旗もいらない
名前にも あまり関心がないな
ましてアナタの故郷とか
「これからどうしよう?」にもね


たいそうな策を練っているようじゃん
お手並み拝見ときたもんだ

人々に自由を!
今 すぐに 猶予なしに
do ! do! 今まさに

アンタは冷静にやっていると思っているのだろう
賢く立ち回っているのかもな
でも仮面は剥がれるぜ
挙げ句のはて アンタは人殺しまでに
”理由” をつける

ごくろうなことだ
そうやって
偽って

さあ ルーシーのご登場だ
すごく効くんだぜ 最高の薬
誰か 僕にルーシーを持ってきておくれ

この世は 言い訳や弁解ばかり
言い訳で世の中が成り立つのならば
言ってみろよ

do! do! do!
今すぐに
言い訳も 理由もなしに






2009/10/11

やんちゃなロック、向こう見ずな想い  Rock N Roll

9日はテリー アダムズ ロックンロール カルテット
を渋谷の0−nestで見た

8ビートも無論あるのだが いわゆるスウィング 
ビート(4)がしっかり底辺にあるところが
素晴らしい!
こういうアンサンブルを聞かせてくれるバンドって
案外ないから

全編やんちゃなロックで すごく気持ち良かった
ブルーズ フィールとは真逆のホワイトR&R
とくにギタリスト氏はジェイムズ バートンばりの
テレキャス リックをがんがん繰り出し
ときに6コーラス分のソロを気持ち良く弾いていた!

いやあ 本当に一番良い時のデイヴ エドモンズを
見たような思い そんな確かな実感があります

むろんNRBQを懐かしむ気持ちは 僕にもあった
Qのライヴに 僕は一体何度足を運んだことだろう
でも テリー アダムズは別の舵を取った
彼を囲む新しいメンバーたちに 信頼を寄せて

ぱっと明るい色彩が描かれていくような
ロックンロール
カンザス シティ ジャズの匂い
そしてメロディという確かな輪郭

彼らはそれを瞬時に蘇らせ
今日という時代へと投げかけていく

終演後は 同席した藤川さん(彼も相当なQ好き)
と「国境の南」で祝杯を














2009/10/10

彼女の隣人/佐野元春  

友人から会社の倒産の報告あり

よって昨日(9日)は二人で馬鹿飲みをした
馬鹿飲み(ヤケ飲み)は実に久しぶりで 
池袋のポルカドッツで一通り話を聞いた後
新宿のupset the apple cartに移動して
激しく 激しく 音に撃たれた
(ジョン レノン「ヤー ブルーズ」など)

兆候があったとはいえ
最後まで僅かな希望を持って働いていた彼女が
不憫でならない

とても悲しい時に 
何もやる気がしない時に
ふと聞きたくなる歌というのは
いかにも悲しい曲ではなく
逆に人生応援歌とやらでも さらさらなく
ポールの「道の真ん中でやらないか?」のような
ジャンクな(僕にとっては大切な)歌だというこ
とが 改めてよく解った
父親の葬儀の時も そうだった


 道の真ん中でやらないか
 ねえ 道の真ん中でやろうぜ
 誰も見ちゃいない
 だから
 道の真ん中でやろうぜ
 (beatles「why don't we do it in the road? 」)


ブルーズの常套句を踏襲したような シンプルな歌
こんなジャンクでさえ  愛おしい
限りなく愛おしい








2009/10/6

帆アフリカ主義の結晶〜I'll Take You There 物語  

almost prayedさんが紹介してくださったように
ロブ ボウマンの『スタックス レコード物語』
には ステイプル シンガーズの”Respect You
rself " と並ぶ最高傑作“I'll Take You There "の
誕生秘話が語られているので いくつか要約して
みよう

1 トラフィック在籍中のディヴィッド フッド
  が ウェイラーズ『キャッチ ア ファイア』
  を聞き そのレゲエビートをI'll Take You Th
  ereに援用した

2 アイランド レーベルの社長であるクリス ブ
  ラックウェルは マスルのギタリストであるジ
  ミー ジョンソンをジャマイカ旅行に案内した
  同地でレゲエのレコードを買い込んだジョンソン
  は 帰国後マスルのメンバー全員にそれを渡した

3 スタックスの社主 アルベルは”帆アフリカ主義”
  という理念を掲げており 北米とカリブ海の黒人
  音楽の融合という夢を抱いていた もっともスタ
  ックスの倒産によって挫折してしまうのだが、、、

4 I'll Take You There は69年のジャマイカ ヒット
  であるハリー J オールスターズ「ザ リクイデ
  ーター」のベースラインとリックをほとんどその
  まま借用している(同曲はレゲエのコンピレイショ
  ン アルバムなどで容易に聞ける)

5 マスルでI'll Take You There" を録音していた際に
  メイヴィス ステイプルはギターソロの部分でエ
  ディ ヒントンの名を呼んだとフッドは回想してい
  るが アーデント スタジオでヴォーカルが差し替
  えられた時に この掛け声は「Daddy」に改められ
  た これはライヴで実際にギターを弾くのが パッ
  プス ステイプルだから( 私たちが 現在聞けるのも
  勿論”Daddy" の掛け声テイクである)

6  ボウマン自身I'll Take You Thereに関して ジミ
  ーのミュートが効いたイントロから ホウキンス
  が全体を通すリムショット エディのリック そ
  して3/2部分でのフッドのベースまで べた惚
  れ状態であり 同曲をステイプルズ マスルショ
  ールズ アル ベルの総力戦だと位置付けている

エリック クラプトンがマーリー「俺はサツを撃っち
まった」をカヴァーするおよそ2年まえ アラバマ州
シェフィールドでは このようなミクスチャーが実践
されていたのである 

〜5に関する個人的な追想〜

もしメイヴィスが「エディ!」と呼ぶ初期テイクが採用
されていたとしたら この不遇なギタリストの運命も変
わっただろうか? 歴史とはいつもそういう見えない連
続線の上に成り立っているのだ
ちなみにI'll Take You There (stax 0125)は72年の4月
15日に全米ポップチャートで第一位へと昇り詰め その
座を二週間保った むろん「私はあなたを連れてゆく」
という肯定的なメッセージも 大ヒットした要因だろう

2009/10/4

Traffic/On The Road〜デヴィッド フッド来日記念!  

ドニー フリッツ&ザ ディーコイズの興奮さめやまぬ
なか 折りにふれて聞いてるのがトラフィック73年の
ライヴアルバム『オン ザ ロード』のリマスターCD

ウィンウッドにとってマスル ショールズとの出会いは
前二作(『ロウ スパーク』と『シュート アウト』)
に溯るけれども マスルのバリー(kbd) フッド(b)
ホウキンス(ds)のリズム セクションを率いて実際のヨ
ーロッパ ツアーに出向き そのなかの西ドイツ公演を
収録したのが『オン ザ ロード』だ

思えばビートルズのビリー プレストンとの出会い
ストーンズのライ クーダーとのセッション
ジョー コッカーのレオン ラッセルとのツアーなど
60年代末から70年代にかけては英米の音楽家による
異種交配がもっとも積極的に行われた時代かもしれない
それだけの野心というか音楽的な裾野の広がりを自らの
手で手繰り寄せようとする熱意が迸っている作品は数知
れない

『オン ザ ロード』も まさにそんなスリリングな
”ミクスチュア ロック”の悠然とした記録だろう
トラフィックの長尺でインプロヴァイズしていく自由度
の高い世界を マスルの懐の深いリズム隊が包み込むよ
うにサポートしていく様が とにかく素晴らしい
とくにこの時期のトラフィックは ナイジェリア出身の
パーカッション奏者であるリーボップ クワバがメン
バーに加わっていただけに よりリズムに対して関心を
払っていたことは確信出来る

恐らく細かい約束ごとはなかったのだろう コンパクト
な決めで曲を構成していくのとはまるで逆の 自由気ま
ままにフロウしていくその音楽は マスルの柔軟なビー
トを背にして じわりじわりと 波のように押し寄せて
くる
圧巻はやはり「グラッド」〜「フリーダム ライダー」
の流れや「ロウ スパーク」だろうか

あと一枚のスタジオ アルバムを最後に解散してしまう
トラフィックだったが それからウィンウッドは感動的
な名作『スティーヴ ウィンウッド』(77年)へと
突き進んでいった

そして僕のなかで その流れはウィンウッドの大傑作
『ナイン ライヴス』(08年)へと しっかりと繋が
っていく







2009/10/3

10月3日〜アラバマの匂い  

素晴らしかったらしい大阪公演を終えて
東京に戻ってきたドニー フリッツを
通訳の丸山京子さんたちとともに取材した

予想通り ドニーは礼儀正しく知的な人だ
それは僕にサザーン ホスピタリティという
言葉を思い出させてくれた

60年代のマスル ショールズのこと
ダン ペンやスープナーやトニー ジョーとの
絆のこと あるいはデュエイン オールマンの
ことや アラバマの人種差別の問題のこと
好きな料理のことなど
およそ一時間たっぷりと伺った

なかでもエディ ヒントンとのエピソードには
かなり感激してしまった
(名古屋ではエディの「ダウン イン テキサス」
もディーコイズは演奏したとか 羨ましい!)

こうやって会話をしただけでも
アラバマの匂いを感じることが出来たことが
とても嬉しい

ドニーの優しい目が忘れられない








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