東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2010/8/10

ロス・ロボス〜過去と現在の黙示録として  Rock N Roll

チカーノのローカル バンドとして始まった
出自はイーストLAだった

フェアポートやザ バンドのようにロックの地図を押し広げて
みた 一家の系譜(ルーツ)を俯瞰してみた
先進的な製作陣ともコラボレイトしてもみた

それもこれもすべて振り出しへと戻して取り組んだ
(bringing it all back homeしての)
この4年ぶりの新作は 
いわば 普段着のロボスだと ぼくは思う

ヘンドリクス『Bold As Love』の遠近法と
サン アントニオで毎晩奏でられるコンフントとが
逞しい響きとともに ここに結晶している

そう、過去と現在とが黙示録となり
影絵を作っていくような

クリックすると元のサイズで表示します

2010/8/10

オビンの”B級”街道その3〜ゲラント・ワトキンス  

フタミ氏が触れられた『Honky Tonk Demos』(英oval
79年)は 一言でいえば英国の名物DJであるチャーリー
ジレットによる「こんなデモ録音を最初に番組で紹介した
のは この俺様だぜ!」といった趣きのコンピレイション
LPだ その録音は75〜78年

ブルーズではこの時点でジュニア キンブロウを取り上げ
た鋭さもあるし 当然パブ ロックにも彼は肩入れする
グレアム パーカーがデビューする発端となったデモも
収録され ライナーにはバリー リチャードソン(ビー
ズ メイク ハニー)への記述もあるほど
いずれも一筋縄ではいかないジレットの気骨と審美が
こんなところにも現れているといった感じ

クリックすると元のサイズで表示します

ゲラント ワトキンス関係では 彼のピアノ インストで
エイモス ミルバーン タイプのブギを1曲 そしてワト
キンスも参加したジュース オン ザ ルースで ジュニア
パーカー的なメンフィス ブルーズをもう1曲収録

ジュースのメンバーを追いかけていくと ロン カヴァナや
チャーリー ハートはむろん のちにディズ&ザ ドアメン
を組むディズ ワトソンや ビーズ〜フランキー ミラーと
キャリアを重ねたエド ディーンの名前も連なっている

クリックすると元のサイズで表示します

ちなみにワトキンスに関して ライナー担当氏はこの75年時
では「南ウェールズからやってきたR&Bコンボ、レッドビー
ンズ&ライスのメンバー」と紹介し 
ビーズと同じくウェリッシュ ロックがロンドンに流れてきて
パブ シーンを形作っていったことが 仄めかされている

デイヴ エドモンズ バンドに抜擢され 今やニック ロウの
伏兵的な存在であるワトキンスの”前史”は こんなところ
にも残っていたのだった(続く)




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ