東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2010/8/25

ディレイニー&ボニー&フレンズ『オン・ツアー』  Rock N Roll

念願だったディレイニー&ボニー&フレンズの4枚組ボックス
を ようやく入手することが出来た
音だけは編集部からお借りしてすでに親しんでいたが
やはりこうして自分で購入してみると思いは格別だ
むろん音源公開時のCD−Rよりも遥かに音がいい!

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本ボックスの詳細に関しては『レコードコレクターズ』8月号
に青山陽一さんが ばっちり書かれているのでそちらをぜひ
読んでいただきたいのだが 69年12月に行われた彼ら初とな
る英国ツアーの模様を 日にち(もしくは1stと2ndショウ)
ごとにフル収録したというこの作品は ひとつのライヴ ドキ
ュメントとしても 大変価値があるものだろう とくに12月
7日のセカンド ショウを収録したディスク4は ジョージ
ハリソンも合流して圧倒的なウネリを見せていく
前のめりに押しまくっていくタイプのジム ゴードンのドラ
ムズも 多くの方が指摘するようにパワフルで凄い!

このツアーにフレンズの一員として参加したのは むろん
エリック クラプトン 彼のキャリアにとっても間違いなく
分岐点となった時期の演奏だけに 当時のエリックがどんな
音楽を求めていたのかを考えてみてもいいだろう
ここでも彼が自らリード ヴォーカルを取る「I Don't Know
Why」は 後年のエリックへときちんと連なっていくものだ

ちなみに彼はこんな発言をしている

「ぼくが今までいたグループでは ぼくよりずっと歌が上手
いシンガー、完成されたシンガーがいたんだ だからぼくは
奥に引っ込んでいた でもディレイニー ブラムレットは
ぼくの歌を初めて褒めてくれた そう 彼はぼくに自分で歌
う自信を与えてくれたんだよ」

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中央のステージ写真に映る二人が ディレイニーとエリック
この出会いは やがてスワンプ ロックの潮流を生み出して
いく原動力となった

そういえば ぼく自身が英国や米国といったことをことさら
意識せずに(分け隔てなく)ロック音楽を聞いてこれたのも
ディレイニー&ボニーたちが デイヴ メイソンやジョージ
ハリソンと接近していったことに もともとの背景があるの
かもしれないなあ





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