東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2007/6/20

チープ スリルズ  Rock N Roll

定期的な給与収入を失ってから 約3か月
当然ながら以前のように一杯(高い)LPやシングルをざくざく購入する
ことは出来なくなってしまい
むしろ この2か月で処分したLP/CDは200枚以上になる
これがフリーライターの実態である(笑)

まあ 言い訳になるのかもしれないが
人生の折り返し地点を過ぎ 残りの人生のなかで
私がコツコツと集めてきた音楽コレクションすべてを聞くことが出来ないことも
また事実なのだ
コレクターの方々が ある日突然 まるで思い付きのように
コレクションを手放してしまう気持ちが
やっと解りかけてきた
極めて純化した言い方をすれば 「嫌になった」のだ

むろん自分を形成した 思い入れの詰まったものは絶対に売らないし 
現在最も興味があるビーフハート関連は しつこいくらいに探している
そこらへんのサジ加減は もう本当に個人の領域という気がする

逆にレコード堀りの楽しみとなったのが
激安ハンティング!
レコ屋の床に無造作に置かれた投げ売りダンボール箱のなかを
まるで鼠のように徘徊するのがクセになりつつあるのだ

本来 中古屋めぐりの醍醐味とは
「安くて良いレコードを探す」ことだったはず
それが ここ10年くらいの潮流に沿えば
逆に 高く貴重なレコードが偉い、みたいな風潮になってしまったのだ

明日 中古屋さんに
キャット スティーヴンス「ティーザー アンド ファイヤー キャット」の
US盤を探しに行こう

まさにチープ スリルズ


それにしても去年の夏 僕は入院先でグリール マーカスの
「ライク ア ローリング ストーン」を読んでいたのだが
まさか1年後の自分が「転がる石」になろうとは

栄枯盛衰 金持ちの女が落ちぶれていく話を
描き切った「ライク ア ローリング ストーン」
そうした内容の歌が どうしてこんなにも人々の関心を引くのだろうか?



















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