東京ローカル・ホンクの木下弦二さんから初めて電話をもらったのは もう二年ほどまえの夏だったろうか その時にどういう会話をしたのかは忘れてしまったが 僕たちのバンドを知って欲しい 聞いてみて欲しいという彼の気持ちだけはまっすぐに伝わってきた これも何かの縁(えにし)かと思いその後の僕は彼らのライヴに幾度となく足を運び またこれからも もっとライヴに行ってみようという思いは募るばかりだ 東京ローカル・ホンクの良さをどう表現すればいいのかはよく解らないのだが 今日もまた僕と同じように東京の空を眺め 同じような街並を歩き 戸惑いながらも呼吸をしていることは間違いなかった そんな風に自分の側にいるという親しみを持てるバンドに出会ったことに奇跡にも近いような感慨を抱いた まるで広告代理店が書いたような気取った歌詞や 見せかけのポーズや虚勢 あるいは英雄的な態度に終始しがちな日本の音楽シーンのなかで 彼らはいつもの商店街を行き交う人々を観察し 各駅停車の窓から流れる雲を追いかけたりしていた 彼らの織りなすサウンドスケープもまた大向こうを張るのではなく 微妙な感情や陰影そして日向の匂いをデリケートに運び込んできた ときには伊豆半島まで遠出したり草の燃える匂いを嗅ぎながら 結論を急がない心のありようみたいなものは形になりにくい でも僕は東京ローカル・ホンクの答えとか結論を求めない音楽のあり方に惹かれ続けている そうまるで池に投げられた小石のように (小尾隆 2009年6月23日:記)

2008/2/13

youre all i need to get by  

やっと購入しました
アリーサ フランクリンの未発表音源集CD2枚組 これが噂に勝る優れものだったので今日はただ聞き惚れて
いました 内容的には60年代後半から70年代にかけてのアトランティック録音の蔵出し集であり 録音はNYのアトランティック スタジオとマイアミのクリタニア スタジオが半分ずつといったところ(マスル組の出張
あり)クリタニア組では無論ディキシー フライヤーズ NY組では時代とともにダニー ハサウェイやバーナード パーディ コーネル デュプリーらが登場してくるので スタジオ ミュージシャン裏面史としても重宝な
もの 大半のトラックがリズム セクションとアリーサそしてスウィート インスピレーションズによるコーラスという大枠でのシンプルな録音ながら やはりアリーサのヴォーカルは天衣無縫 この魅力に尽きるでしょう
要するにゴスペル仕込み故に声がデカい 音域が豊か ひたすら求心力があるということなのですが アリーサ
のヴォーカルに 私はいつも 包み込むような響きを感じます 
むろんこの蔵出し集は アトランティック時代の諸作をしっかりと聞き込んだ人たちのためのスペシャル プレゼントでしょう 
ロック音楽がひたすらノーを叩き付けていた時代に ソウル音楽は慈愛の感情を極限までに引っ張っていきました そのコントラストに結局 私は音楽の不思議さ 謎を感じて 答えは未だ出ていないです



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