さて、スペイン最後の夜だ、お土産収集最終回、僕は妻から何とかという香水
を持ち帰るべく使命を帯びていた。妻子ある二人も既に気合い十分だ。
地図で検証、グランシア通りにデパート発見、早速夜のバルセロナ突撃敢行!
今、地図をもとに猟場の距離を測ると約1.4km、妻と子供の獲物を求めタクシ
ー代は節約、歩伏く前進あるのみと夜の通りをデパートを目指す。
高級そうな品々やオシャレな品々が並ぶ店内、まっ気負っても仕方がない地元
のデパートだと高をくくって店内を物色。妻への土産にスペインといえば革製
品^^闘牛で刺し殺された牛の皮の宝庫??一目散にバッグコーナーへ行く。
一応デザイナーだからバッグのデザインの善し悪しを吟味する、そして妻に代
わって使い勝手を調べる。次に必ず値踏みだ懐のトラベルチェックも限りがあ
る。何より小さなタグの数字が基本^^黒い手提げバッグが気に入ったGUCCI
だLOIS -VUITTONだのロゴ物より無名であっても素敵、適度な価格。
僕の妻に相応しい「身分相応。」もしくは「身の丈に合った生き方。」
ともいう・・・・・・・・・・
日本語ってなんて素晴らしいのだろう、と己の稼ぎの釈明言い訳だよな^^
突然、M氏が近づく「にいっちゃん、いいの見つけたじゃない?」俺「うん、
Mさん、これいいよ^^ほら、こうすると肩からも掛けられる・・・」
ショルダーの革ヒモを金具からはずす、M氏「いいねえ〜」そう言うと同じデ
ザインの型違いの小振りのバッグを買った。どうやら、お嬢さんに買ってあげ
るみたい・・・・ひとまず、第一目標、撃破。女店員に今宵限りのVIP気分で
トラベルチェックにサイン^^カードも一応合ったけど、まだ僕、使う勇気が
出なかった。
さて、デパートを出ると今度はグランシア通りを南下、アクア何とかという
水色をした香水の獲得命令書を片手に店を探す、実はこれが難しい。
聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥。(またかよ^^)地元か観光客か見分け
ないとならない。地元の若い女と目星を付けて命令書の店と香水の写真をかざ
し聞いてみる。何やら喋るが良く分らんが指刺す方へ行き交う人の群れをすり
抜け歩く。すると、それらしい、きらびやかな化粧品がズラリと並ぶ店に辿り
着いた。早速、二人も入る・・・・・。
♪♪♪♪♪♪♪
化粧品の店に男どもが入るって、ちと軟派つうか照れ臭いですよね。
以前、恋女房のクリスマスプレゼントに真っ赤な口紅を買おうと岡島っていう、
その二昔、給与生活でお世話になった会社の系列デパートの化粧品売場に行っ
たんですよ。それはそれは綺麗なマネキンお姉さんが対応してくれましてカネ
ボウだか資生堂だか、コマーシャルで落ち憎い口紅つうのを観てましたから、
その、なかなか落ちないという口紅を所望したんですよ^^落ち憎いつうこと
は長もちがする、やはり貧乏性というか、もしくは僕の口につきにくい・・・
(旦那^^憎いっしょ)ですから決して俺が使うんじゃないという男の侠気を
こめて言った。「家内にプレゼントしたいので、今、CMでやってる落ち憎い
口紅っていうのをくれませんか?」早速、マネキン嬢くっきりと描かれた美し
いメイクの瞳で「あら、奥様にですか?それはそれは、お客様これが新発売の
口紅でございます^^」と陳列棚を手の平を返して紹介してくれました。
各種各色がズラッと並んでいる「カラーはいかがしましょう?」僕は「この赤
いのを。」と真っ赤なバラのような色のやつを指差した。
マネキン嬢はそれを取り上げると僕の唇に塗る・・なこたあしません。そっと、
金色のキャップをはずし、クイッと捻り赤い突端が突き出たのを、そっと自分
の手の甲に塗った。「こんな感じですが、よろしいですか?」念を押されなく
ても、もうとっくに赤く塗られた妻の唇を確信しているで、間髪入れずに「そ
れ下さい^^」と言った。女性用の化粧品売場でうろうろして、変態などと思
われるのが嫌だったので、さっさとその場を離れたかった。
綺麗に包装された口紅を受け取るとポケットに突っ込んで立ち去った。とまあ、
脱線しましたが、奥方のいる紳士諸君、たまには奥様に口紅はいかが^^?
てな訳で^^また明日・・・・・へとつづく

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