今度はドイツの学生がやって来てカップヌードルを頼んで食べ始めた。確かマルちゃ
んのシーフードタイプだった^^フォークですすりながら盛んに俺達、サイボーグだ!
みたいなことを言っていた。インスタント食品など彼らの食文化からすれば宇宙食の
ように思えるのだろう・・・なんでも大阪や広島の原爆記念館を見学に行くみたいだ、
それと僕の勝手な思い込みか分らないが、あの大東亜戦争では日本は悪くなかったと
いうような話もしていた。
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この間、NHKの教育テレビの提言番組で日本との交流事業に関わるドイツ人の中年の
女性が言うのに最近のドイツの若者は日本の文化に大変好意を寄せる者が多いそうだ。
我々日本人からすると、欧米の中世からの歴史文化、素晴らしい景観の建造物に囲ま
れ、それを誇りとして生きている姿に憧れや感慨を持つが、さてそこに住む若者は果
たしてどう感じているのだろう?僕の推測であるが日本のアニメとか高い技術力に興
味を覚え、その経済力の元となる日本人のメンタリティーや文化に憧れるのは若者な
ら当然だと思う。
もう7、8年も前のことだが前出のドイツの学生達が日本行きに興奮していたのも頷け
る気がする。若者は常に新しいものへの好奇心、異なる文化への探究心、これがあっ
てこそ、それぞれの文化の前進につながる。欧米の歴史遺産を観光資源として生きる
のも一見優雅に思うが保守的な大人なら居心地はいいが血気盛んな若者には物足りな
いものだと思う。僕らが貧しかった頃、アメリカや欧米の映画や音楽に憧れたように
常に時代の先端、もしくは豊かに見える創造文化に人は魅せられ近づこうとする。
歴史は常に異文化同士の交流によって新しい花が咲く。そこには先ず自国の歴史文化
をわきまえた上で望まないと単に模倣であって何も新しいものは生まれない。ピカソ
にしろゴッホにしろ大陸という様々な異文化の中を彷徨う中で独自のアイデンティテ
ィーを築きあげるのだろう。そうした意味で海外を見聞し触発され何かを生み出すこ
とは素晴らしいと思う。昔から「井の中の蛙、大海を知らず」という諺があるが、
小さい国のなかで小さく生きることなく大きな視野、視点を培うことは人生の幅を広
げることが出来る。但し、相手の文化だけ味わってくるだけでなく自分の文化も相手
に与えてくるくらいであれば、そこに本当の友好が生まれると思う。
お互いが与え合う関係こそ平和と友情につながるものだと思うが、しかし現実は奪う
こと貰うこと利用するだけの薄情な人間もいる世界だから安易な博愛精神だけでは通
用しないこと後悔することを日本人は肝に命じておくことも大切である。(つづく)

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