子供達が生まれ、やがて成長を共に喜び合う東京と山梨の交流が始まる。
長女のアドさんが生まれた時、私は自動二輪の免許しかなかった。
カワサキのW3(650cc)を乗り回していたが、産院の往復など
まさか生まれた子供と彼女をオートバイでという訳にはいかないと
急遽、自動車の免許を取り、知り合いが廃車するという日産サニーの
1.000ccを譲り受けた。これで家内や義母、そして長女を乗せて当時、
まだ中央道の乗り口が大月からだったが高速道路とはいえ廃車とされる
サニーだったので60km程度で恐る恐るで往復した。他の車にどんどん
抜かれていたが、とにかく安全運転、亀のごとしと我慢した。
長女が一才くらいの時のある日、そのサニーを洗車していたら運転席で
遊ばせていた長女の悲鳴が聞こえた。慌てて車内を見るとハンドルに
頭を突っ込んでもがく姿が見えた、家内も駆け付け、頭を持ち外そうと
するが簡単には外れない、入ったのだから出るはずだが長女も泣叫ぶので
動転してしまった。こうなったら鉄ノコでハンドルを切るしかないと
鉄ノコを取りにいって戻ってみると「抜けた^^」と家内が
安堵の顔をしていた。何でもお菓子をあげるからとなだめすかして
落ち着かせゆっくりひねってハンドルから外すことが出来たそうだ。
子供が成長すると1.000ccでは頼り無く、会社の同僚がフローリアンと
いういすゞの中古車があると教えてくれた確か45万円だった。
中古車展示場で見ると4ドアでがっちりした車だった。
「にいっちゃん、これなら子供を乗せても大丈夫だよ^^」と言われて
買うことにしたが値段の45万円に手持ちのお金が足りなかった。
仕方なくカワサキのW3を手放すことにして買ったバイク屋に
交渉すると8万だという、50万もしたカワサキが8万?それじゃあ
パッソーラ(50ccバイク)と変わらんじゃんと嘆いてみたけど渋々
手放した。いま思うと後悔しきりであるが、そのフローリアンは家内
の実家へ遊びに行く子供達を乗せ大活躍をしてくれた。
ある年の正月、さて山梨へ帰る日、朝から雪模様、中央道を走る為に
スタンドでやむなくチェーンを買った。中央道の雪の中、中には立ち
往生する車を見て恐る恐る走った。やっと辿り着いた御坂のトンネルで
音がうるさいのでチェーンを一旦はずした。長男は雲古だというから
脇でさせ、何とか無事に我家へ辿り着いた。そんなフローリアンも
追突事故を受けしばらく修理して乗ったが、ある日、中古車センターの
前を通ると黄色のスカイライン・2ドアハードトップが陳列してあった。
大きなオスカー製のフォグランプが付いていて
どう?兄さんかっこいいでしょ^^と僕を誘う^^もう仕事も独立して
事故にも遇ったフローリアンがドン臭くなっていたので思い切って
黄色のスカイラインに近づいた。88万のプライスカード。出て来た
販売員の男が「矢沢です^^」と言うので、思わずこれは神の思し召し
かとフローリアンを捨てスカイラインオーナーになった。
下取りは8万円。若い野心に燃えたていた。・・・・・・つづく
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