入国が無事済み、トランクの受け取りだ。トランク受け取り場所が見えた時、一緒
にアドカが彼氏のT君と待ち受けていたのが目に入った。「お疲れさまあ^^」と
再会の挨拶。家内も満面の笑みを浮かべ娘の無事を喜んだ。トランクの引渡し場所
にはすでに皆、持ち去った後で我々のトランクが淋しく取り残されていた。
さてと、アドさん先ずは一服したいと出口に向かう前に脇のドアから一旦外に出て
タバコを吸わせてもらいながら、これから我々とは入れ代わりに帰国するT君と皆で
記念写真を撮った。広大なシャルル・ドゴール空港なのでパリ行きのバス発着場を
探すのに手まどいながらも無事、バスを見つけトランクを預けた後、帰国のターミ
ナルへ向かうT君と別れ乗り込む。運転手にユーロ紙幣を差し出すと硬貨のお釣り
をくれたが、何だか数えもしないでポケットへ。パリに着いた安心感と機内での疲
れが交差した。陽が傾き始めた景色を眺めながらパリ市内へ向かった。バス内で
シートベルトを即されたが何故か、きつくてハマらないからそのままにした。
お客は我々以外は皆、外人だった(当り前爆^^)アドカと隣席の外人のおばちゃ
んに、その子は僕のド−タ−だ。などと馬鹿を言ってみたが、その内、アドカと会
話が弾んだようだ。どうやら後で聞くとパリが好きで時々やってくるアメリカ人だ
かカナダの御婦人だった。時々やってくるというのが優雅じゃないですか^^
さて、バスは長女の滞在先の近くに停車。重いトランクを引きずり彼女の部屋へ。
数字のタッチボタン式の重厚なドアを開け場内へ。部屋のある三階までループ状の
階段をトランクを引上げながら登りつめ、やっと彼女の部屋にたどり着いた。
早速、シャワーを浴びて着替えして先ずはワインで乾杯!親子三人水入らずで再会
を新ためて喜んだ。「まだ明るいからセーヌ川あたりを散歩しよ^^」とアドカの
提案で早速、外出することにした。まだ着いたばかりで身体もフワフワしていたが
パリの街にビデオとデジカメを持ち繰り出した。古い塗壁の建物で多くの人間が昇
り降りし剃り減ったループ状の木製の階段を降りながら、フッとこの階段の光景を
以前夢で見たような気がしたが気のせいかと靴音を響かせ降りた。入口の思い扉を
開け石畳の道をセーヌへと向かった。夕陽が沈み始めたセーヌの畔を歩きシテ島の
ノートルダム寺院に抜けコンシェルジュリ−(王室管理府)へと歩く。近くの橋か
ら眺める夜景は素晴らしかった。遠くには赤く染まった夕焼けとインクのような空
が垂れ込めライトアップされた建物、サーチライトで光線を発するエッフェル塔も
見えセーヌからの夜風が顔を撫で、行き交う人々河畔でくつろぐ人々に目を向ける。
キスをし抱き合う男女もいる何とも言えない解放感だ。
川面は街の灯りにまぶしく揺らめく中を時折、観光船が鈴なりの客を乗せ行き交う。
その人々は杯を上げパリの夜景に酔いしれ嬌声を上げている。
「ママ、ほらこっち向いて^^」と橋の欄干に立たせポーズってもらい写真を撮る。
歩きながらもビデオを回す。時々アドさんにカメラを渡し二人の写真を撮り合う・・
旅行会社のツアーじゃないから気ままに街の散策を楽しめる・・・さて帰ろうと
アドさんの宿舎へ向かう、途中の普段余り歩かないから二人の後を少し離れて歩く。
首からかけたビデオカメラが歩くと、うざいので背中に回して歩く・・・その時だ
やおら長身の白い帽子をかぶった白人の若い男が俺の肩に手を回しわめいてきた。
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