過日、自動車免許証の更新で一昨年リニューアルした運転免許センターへ行った。
早めに行ったつもりだったが受付けには、すでに大勢の老若男女が立ち並んでいた。
皆さん、どことなく緊張気味^^しばらくして受付が始まったが3年ぶりの更新で
センターも新しくなって初めてだったが係のおじさんの誘導で所定の手続きする^^
先ずは名前、住所の確認書の記入。それと今までの免許証を受付に提出し、
しばらく待たされ後、名前を呼ばれ再度受付嬢の前に行き若干の書類と紺色の
プラスチックの札を受け取る。その際、受付嬢は「任意の交通安全協会はいかが・・」
と言い始めたので会員入会はゴメンしてもらい^^諸費用を払う。
係に言われるままに会員になった人は何やらカードと記念品をもらっていた。
次は視力検査、係のおじさんがメガネは?と聞くから「コンタクト^^」と応えると
「うむ^^」と頷いた。例のボックスを臨み込み上とか下とか右とか左とか黒い輪の
白く開いた方を答える。「ハイッよろしいです。」と返された書類を持って写真コー
ナーへゆく。機械の前に座る一瞬、カッコ良く撮ってもらおうと意識したが、もう
そんな年令では無いので笑顔をつくってみたが係の女性が「マフラーがあると顎の
ラインが出ません。」慌ててマフラーを取った。顎を引いてとか言うなりに従った。
以前の運転免許センターに比べスムーズに終了、あとは講習だ。
もらった札を見ると第4講習場とある。さっさと行ってみると第1から第2、第3と
あり一番奥の部屋だった。第1は優良免許者で第2、3は一般。
第4は違反のある免許者つうことは我は違反者?そういえば甲府のお城の裏道を走っ
ていたら携帯が鳴り印刷屋さんからの電話だった。交差点で、そのまま携帯を耳に当
てていたら向い側に白黒のパトカーがいた。そのまま走り出したら追いかけてきて若
いお巡りさんに停車を命ぜられ始末書を取られたことを思い出した。
部屋に入ると、数人の人しか居なかった。入口近くの机に交通の教則本や書類がツン
であったので一部を手にすると札の番号の席、5番に座った。
おお、最前列だ数年前、地元の矢沢のコンサート以来だった(爆^^
目の前の黒板に講習は2時からとある、腕時計に目をやるとまだ開始まで30分以上
あるから休憩コーナーで缶コーヒーを飲んだり館内奥の喫煙室でタバコを吸ったり、
この間本人が届けに来た「官邸の深層・総理秘書官小野次郎」という大下英治とかい
う政治評論家?が書いたとされる討議資料などを読んで時間をつぶす。
所定の時間がくると年輩の講師とともに室内は6、70名の聴講者で埋まった。
講師は新しい運転免許センターの説明など平日は300人、日曜日は600人から
の更新者があると話す、講習内容を言ってから手慣れた手付きでプロジェクターを操
りながら様々な交通安全に関する情報を伝授する。特に酒酔い運転に関するところで
は人によって酒が強い弱いは遺伝子によると言う。あなたは飲みますか?と最前列の
僕に聞くから「飲みます^^」と答えると「お父さんは飲みますか?」と聞き返して
きたから「飲みました。」と答え『父は僕が小さい時、酒の飲み過ぎで死んだと親か
ら教わりましたが本当は・・・』と一席ぶとうかと思ったが講師は親が飲まなくても、
そのまた前の親が飲むと隔世遺伝で酒が強い弱いとなると話を続けるのを聞いた。
そういえば我が息子も娘も余り飲まないのは隔世遺伝か?と頭をよぎったが、荒れ狂
ったような酔っ払いの醜態を見せてきたからだと反省した。
講師の話は一時間で終り、次の一時間は酒酔い運転の悲劇を扱ったDVD映画の鑑賞だ。
室内が暗転しスクリーンに映画が映し出された。のっけからパトカーのけたたましい
サイレンの音と事故現場のシーンで思わず気色悪くなったので小用を足しに行っても
いいと講師に言われていたので席を立ち後方のドアから部屋を出てタバコを吸いに行
った。しばらくして席に戻ると酔っ払い運転で横断歩道を渡っていた二人の子供を跳
ね一人は死亡もう一人は脊髄損傷。運転手は尾崎豊似の若いお父さんで轢き逃げをし
家族に内緒で数日悩むシーンだった。
結局、妻や子供に告白し後を頼むと自首をする訳だが、本人は収監され残された妻は
被害者の家に謝罪に行くがお金より死んだ子供を返して!と取りつく島もなく冷たい
仕打ち。加害者となったお父さんは5年の懲役そして賠償金一億数千万円の為、家を
売り払い妻は懸命に日夜働くという日々。やがて子供達もふて腐れるようになり、行
き場のない妻はとうとう自殺してしまった。何と惨たらしい設定だ。
残された子供は親類に引き取られて行った・・・
部屋の聴講者もぐうの音も出ず静まり返っている。弁護士役の里見浩太郎が「運転す
る時は酒を飲まない勇気、事故を起こしたら助ける勇気を持つ・・」と締めくくった。
部屋の照明がつき別の係のおじさん達が現れ「お疲れ様でした、これから新しい免許
証をお渡ししますので名前を呼ばれたら判子を持って並んで下さい。判子を忘れた方
はサインでも結構です・・」と僕の名前も呼ばれ真新しい青色の免許証を持参の判子
を押して受け取った。西に傾いた陽を浴びて車に乗り込むと新しい免許証を眺めた。
やはり前より老けた感じで髪も後退して何となくダラしがない風だが、これも遺伝だ
からと歯を食い縛った(笑^^
しかし、20代から50才くらいまで飲んでは運転は当り前だった。まあ酒酔い運転の
罰則が厳しくなったこともあるが、それより雨や夜の運転が若い時にくらべ恐くなり
飲酒運転など出来っこない状態だ。しかし、飲み屋に行かなくなって寂しい(笑^^
帰宅して妻の彼女に写真のことを腐ったら「いまの方が絶対いいわよ^^」と慰めて
くれたのだった。免許証更新の巻、おわり^^


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