夕陽に染まる新宿の高層ビルを後に一路、山梨に向かって走り出した。早速、歩き疲
れ痺れた脚の為にサントリー白角の水割り缶のリップルを引きグビッとやる。酒飲みは
何でも飲む理由にするから困ったもんだ^^妻には彼女用の缶ビールを差し出しナッツ
を噛み砕く^^最近歯も劣化しスルメも厳しくなった。いずれ入れ歯か補聴器か^^
目はコンタクトでシルバーアイ(老眼)だから老眼鏡?なんだ、それじゃあサイボーグ
人間じゃんけ(爆^情けねえ話しじゃん(大笑^^せめて入れ歯だけはゴメンしたいわ^^
と毎月歯医者へメンテナンスに通ってる・・・。
何十回と乗った高速バスだけど車窓に見える風景が好きだ。調布あたりで沈んだ夕陽
で富士山のシルエットが向いの山々の上に浮かぶ、北側の空が青さを薄くしながら浮か
んだ雲がきょうの最後の姿を見せてくれる。きょうは筋雲だ。季節によって日照時間が
違うからその光景も千差万別である。平均速度90km談合坂P.Aあたりでは暗くなって
先行車輌の赤いテールランプが前方を飾る。反対の東京方面行きは輸送トラックやバス、
そして田舎を堪能したはずの都会の高級乗用車やワゴン車が白い発光体となって右手を
後方に去ってゆく。真っ暗な山間に時折、集落の灯りが点在し黒々とした山の稜線とイ
ンク色した空が不気味だ。思わずデジカメをバッグから取り出し眠りこけた彼女を置い
て後方の空席へ移動。突っ走る高速バスの窓から夜景を楽しむ。乗客も大概が眠ってい
るようでバスのエンジン音と車体のきしむ音だけがする。この席からは一段低い運転席
は見えないが全神経を道路に集中している運転手の気合いを感じる。半分も満たない乗
客で運転するのは運転手として楽なのか、それとも満席で運賃もたんまりでご機嫌で運
転するのか?余計なことを考えたが今度聞いてみようかな。席を今度はさらに後方の右
側の席に映った。笹子トンネルを一気に走り抜け勝沼の夜景が見えると天空にはダイヤ
モンドムーンだ。そうか今夜は満月か?カメラを向けズームするとバスの揺れでフレー
ムに収まらない。ちょうど17:50予定通り途中休憩の釈迦堂P.Aにバスはすべり込む。
「ここで10分の休憩を取ります^^只今5時50分ですので6時に出発します、その
時間までにお戻り下さい・・」とワンマンの運転手がアナウンス。他の乗客と一緒にバ
スを降りてタバコを吸いにゆく。どこも禁煙、禁煙で以前はトイレの近くにあった灰皿
もまるきし反対側に移された、数人の乗客と運転手も吸っている。以前、新宿行きに乗
車しようと南アルプス市役所前の停留所でタバコを吸って、うっかり側溝の穴に吸い殻
を放ったら近くにいた若い娘さんから「何で捨てるの?」素頓狂に言われた。私を睨み
付ける娘さんに「あっゴメン、申し訳ない。」と謝った。その後、バスが休憩のため同
じ釈迦堂P.Aに着きトイレの後、喫煙場所に行ったらその娘さんもタバコをふかしてい
る「何だ、君も吸うんだ^^」と言ったがシカトされた、情けない話です。愛煙家さん
吸い殻は路上に捨てないでね^^。
発車時刻がきて中央道の車列に戻り夜の甲府盆地を突っ走る。ぐるりと山で囲まれ、
すり鉢か、もしくはアリ地獄か?知らんがここが私と彼女の生き場所だ、などと考えて
いたら窓ガラスの夜景にクロスしてシルバーメタリックのヘアをした男の顔が不気味に
映っていた。飛び去る街路灯とシルバーメタリックの男の顔が屈折し異様な光景だ私は
この男の今を何枚も何枚も撮った。
そのうちの一枚だが甲府盆地の街灯りを背景にダイヤのような月と街灯がうごめくワ
ームのように映っていた。ビートルズやストーンズに憧れロングヘアで好きなことをし
て飯が食えればといいなどと勝手な思いで高校を卒業し甲府の看板屋さんに就職し都会
に行って彼女をさらって田舎に戻り、やがてCHECKMANなどと突っ張って走ったが前髪
もすっかり後退し、彼女の丸いイルカのおでこみたいになっちゃって夫唱婦随じゃなく
って婦唱夫随状態で薄くなった髪はシルバーグレイに成り果てた我が身だけれど、この
身に感謝もしたい・・・。そして濡れ落ち葉などというものには決してなってはならん
と思うのである。(爆^^
この歳になって周囲に思いをめぐらすと無二の弟も同級生の親友も、そして彼女の両
親も逝ってしまった。CHECKMANを名乗って30年、地元の仕事先はことごとく消えて
いったが私はしぶとくやっている、有り難いことだと思う。
様々な人間との出逢いがあり別れがあった。思い出せば口が苦くなることもいっぱいあ
った。昨年、身延山久遠寺に彼女と初詣した時、苦い思い出が今の私を作ってくれたと
思うとすべてを許し感謝さえ感じた。人も物もやがては消えるのは分かってはいるがBB
Sに時々やってくる凧の金さんや新宿時代の友で子供達と湯河原に招いてくれた遠藤ライ
ダー氏もいまだに糸が切れていないというのは、すっごく幸せなことだと思う。この間
その遠藤氏に今やウイッシュ!で人気者のダイゴのサインを年甲斐もなくおねだりした
ら写真集と共に送られてきた、その昔、竹下氏と河口湖の別邸で接見した時、もらった
「我が道を行く・竹下登」の色紙と並べてみたかったからだ。なんと人生は愉快通快で
はないか^^若いダイゴのエナジーを吸い取ってパワーアップだど(爆笑^^そうだ!
もうすぐ還暦を迎えるが親しくしてくれる友人のクリエイタ−を招いて還暦とCHECKMA
N30周年記念パーティーをやろうと思う・・・。
社会に出て42年、彼女と一緒で40年・・・
これからが本当の二人の人生だと思う。妻よ友人達よ我が国よ感謝っす^^
<終りなき旅・また書きまっす^^>

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