国道沿いの消防署の駐車場を抜け、路地を横切り、急坂を一気に駆け上がり、いつもの運動公園までの上り坂を駆け上がる!
いつものコースにBMがやって来る。
BMを先に行かせて、その後から気合で坂を漕ぐか!
あれ・・・BM、坂の手前から動かなくなっちまった
チャリ倒れちまうじゃないの!
BMのウィンドウがスルスルと降りてきてチャリ中必死なボクに声を掛けてきた
「あの・・・テニス場は・・・何処でしょうか? スミマセンこんな時に」
ピンクのテニスウェアに白いカーディガンを羽織ったオバサマだった。
車の中から濃い香水の香りが漂った。
「この坂を上がって直進すれば左側に見えてきますよ〜」
汗が口の中に入った。
少しやりとりがあり、彼女はBMを発進させた。
坂途中からはキツインダぜ〜漕ぎ出すの オバサマ 笑
・・・
オフクロ送迎帰りコンビニに寄ると、車止めに背を向けておにゃの子が座っていた。
背中を丸め、携帯を見ていた。
オフクロは病院、新聞テレビとこのコンビニが世間に触れる情報源なので、必ず降りて店内を一周する。
そのオフクロが車からゆっくりとした動作で降りるため、その間所在無げにそのおにゃの子を見ていた。
当然のように白い背中、下着(淡い紫)が見えている。
彼女と目が合った。
彼女はボクとオフクロを見て
「コンニチワ〜」
と言った。
帰りに彼女と話す。
「お店のヒトなの?」
「ハイ、一時からなんですけど・・・」
少し口ごもった。もう4時半だった。
ボクは週に三度寄るのだけれど、ある時間帯の人事しか知らない。
「いや〜女子中学生が一人でいると、危険だなぁ〜ナンテ 思って見てたんだよ〜
こんな時代だからね!」
「・・・・」
オフクロがよろよろと助手席に乗ろうとすると、彼女が走ってきて手を貸した。
ボクは片足を車に突っ込んでその様子を見ていた。
「あ、ありがとう・・・これから仕事に来ると言うことなのかな?ヨロシクネ!ガンバッテネ!」
彼女ははにかんだような笑顔で頭を下げた。
中学生じゃないわなぁ〜 童顔だけど・・・
彼女、このヒトに似ていた。

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