pretty-binnchan

本日１４度
ダウンジャケットが欲しかったです。

寒くてマスク　笑　画像提供友人Ｔ



寂しげな感じ･･･じゃぁダメだね
元気出していかないとね･･･



ドラマな本日
謎の美女登場･･･だが、書けない
彼女が入ってきた瞬間から、ボクは何かしらの感覚に襲われて
じっと見つめていた･･･
デジャヴなのか？
少し話し、ある符合にボクは沈黙し、疑問を投げかけると
彼女は

「ブログ見ています･･･」

そう言って本当に風のように去って行ったんだ･･･
その後ボクは、少し隠れて泣いた。

だから
許可コメント頂かないと、その事は書けない気がします。
膨らむ妄想･･･
それは、やはり哀しみに繋がる事のような気がするから･･･

良かったら左メッセージＢＯＸからメール下さい。
宜しくお願いいたします。お買い上げありがとうございました。

探したよー

と笑う

入り口の方なんだもの

binn

ハムは何処かな（笑）

binn

兄は中学浪人時代に、親の買う「朝日ジャーナル」「週刊朝日」等を読んでいた。そして、開高 健の「フィッシュ・オン」を読み、開高に出会うのだ。
ボク達兄弟は彼の著作を貪る様に読んだ。

開高の魔力のような文章に十代の少年が飲み込まれるのは容易かった。


開高に「新しき天体」という著作がある。
全国を食べ歩く話だ。
美味とはなにか？
開高の食を語る文章は特異であり、輝いている。

亡くなる一週間前に兄の部屋に行き、「夜のプール」話をしながらベッドサイドに眼をやると、文庫本の「新しき天体」があった。
一人で食の記憶をたどる兄の気持ちを思った。
同時に兄が文庫に視線をやり

「ナニ食べていいかわからなくてなっ･･･開高でメニューを考えてるんだ･･･
あの時の毛蟹･･･食べたいな〜　美味かったな」

「うん、じゃぁ〜日曜日に買ってくるよ！紋別の毛蟹というわけには行かないけどさ」



点滴で病院に釘付けにされるよりも、家での食を選んだ･･･選ばざるを得なかったその心中･･･
気持ちを奮い立たせ、食への意識を高揚させようと開高の文庫を置いていた･･･。


兄は

「少しでも年金貰ってみたかったな〜　そんな生活をしてみたかった･･･」

そう言って黙った。

モノを書きたかったな！

そう言いたかったのか･･･

開高 健も５８歳で癌で逝く


義姉と電話のやり取りで

「今朝はピザトーストが食べたいって言うのよ
昨日はフレンチトーストだったり、昔のデートした喫茶店メニューばっかり！」

そう言って少し笑った。


・・・


明日より「匠のまつり」です。
４４番テントにイマス。
遊びに来てねぇ〜


RES遅れｽﾏｿ

本日も青空
テント設営･･･どうも力が入らず　明日に繰越部分大

昼に先日オープンした

丸亀製麺笠間店

へ、手伝いの友人Ｔと行って参りました〜
昼直前で結構な入りでしたが画像ナク･･･


友人Ｔは釜玉うどん




「麺･･･硬いんじゃね？」

なんて申しておりました。

うむむ
本場讃岐うどんを知らないけど、葱、天カス入れ放題の釜揚げ280円ナリで語るのもなぁ〜

どう？たいゆうさん

ボクはコスパ考えると、美味しかったですよ。

「あれかな、立ち食いうどんに慣れてるからかな」

ﾅﾝﾁｯﾃ笑っておりました。



ところで友人Ｔは
兄が病院から戻る時に、深夜兄宅に駆けつけてくれて、ボクが行けずに女性ばかりだったので、その重い亡骸を車から降ろして家の中に入れてくれたんです･･･。
ボクと会うのは例のギャンブラー宴会以降今日が初めてなので、その辺の話を聞きました。

「その時の強張った顔よりも、棺に収まった顔は優しく、いつものお兄さんの顔だった･･･」

車の中でそんな話をしてくれました。
義姉・妹は感謝してました。

また、用心棒読者はご記憶でしょうか？番長Ｓがお通夜後のホールが閉まった後、泊まりの姉、妹達のところへやってきて

「仕事が遅く、こんな時間で申し訳ない･･･兄貴の顔を見たい」

そう言い、棺を開けて、しばらく兄貴を見つめていたそうです･･･

兄はボクの友人達からも慕われていたんです。
そして
そんな友人達にただただ感謝です･･･。
ありがとう

･･･

匠、久々バックヤード狭く、まったりとくっつきあって呑みましょうね！
て
ﾔﾀﾞｧ~そんなの〜　なんて言わないでね〜　笑

オフクロをＭ市の病院へ。
こちらの都合で預ける形なわけで、申し訳なく思いながらも、病室は新しく、気分を変えるにはいい環境じゃないかな･･･。
どんどん落ち込んじゃってるし･･･やむをえないけど

「まぁ、のんびりしてよ」

「こんなところじゃ、のんびりする以外にすることがないしな･･･」

なんちってたので、大丈夫かな。




ということで

哀しい時にこそ美味いモノを食べよう！

トンカツ・レストラン　COOK FAN　

KYOちゃんの住んでいた酒門町にあります。
昼抜こうかな〜なんて思ったんだけど、太字サブタイトル通り、思い直して食べる！


看板見切れちゃった。あっ！カミさん後姿が･･･


カミさんヒレかつ


粋なbinnちゃんロースかつ！


昼時最後の客でしたので、準備中の看板が出てます。
ガラスに映る足長binnちゃん･･･青空が妙に哀しいﾃﾞｽﾅｯ


水戸市の有名店

ご飯・キャベツお替り自由
接客最高
メニューも豊富でグレードもありますが、ここも美味しいけれど
夫婦とも益子の例の店のほうが好みですな！
感動が違うです。
次回は、ハンバーグとカツカレーを二人でシェアしましょ！（HPメニュー画像美味そうですよ！）


明日は会場へテント設営です。
落ち着きましたらRES＆皆様ブログへも･･･　ｽﾏｿ

出来事から、立ち直るでも復活でも乗り越えるでもなく、事実をそのまま我が身の内に住まわせ、兄貴と一緒に歩いて行こうと思います。

みんなありがとう！

週末から「匠のまつり」開催です

昨年も楽しかったね･･･



そうか、思えば椅子に深く座っているのは、背骨に痛みがあったという事だったんだね･･･

通夜・告別式とも大勢の方にお越しいただきました
駆けつけてくれたづみさん、ありがとう
この街でみんなで呑みたかったですね･･･

ナッツ、linus、kira、おやびん、セレブ、すなぴょん･･･
過分なお計らい感謝です



兄は「夜のプール」に関して

「やっぱりもっと勉強しておけば良かったな･･･今はそう思うよ。当時の環境はともかく」

そう言っておりました
定時制から大学にも行き、二年前に社会福祉士の資格試験も合格し、ここにきて勉強の方法を掴んだのかな･･･トラウマから脱したのかな　そう感じました
ボクはまだ何も掴んでないけれど･･･
亡くなる前日に

「UPしたよ！読んだ？」

そう言うと、少し荒い息でしたがコックリと頷きました･･･



姪は荼毘にふされる寸前まで号泣でしたが、いざ骨を見ると

「これお父さんじゃないし･･･
お父さんは生きているからね　二階にいるし　ずっと生きているからね！」

そう言ってから一切涙を流しませんでした
彼女なりに父の死を背負って生きて行く方法を思ったのでしょうか



匠準備をしますね
みなさま
ありがとうございました
これからも宜しくお願いいたします

RES遅れｽﾏｿ



GOOD-BY　
MY BROTHER!

親父と･･･呑んでるかな
朝だから
走っているかな･･･

兄PCから見ています･･･

たくさんのRES、弔電、花束をありがとう！

オフクロは、兄の安らかな顔を見て安心したようです･･･

シスターの叔母は

神様が痛みから解放してくれましたね･･･
だから、悲しまないでくださいね

そう言いました
だけど、兄貴の最後は辛そうでした

オフクロが

死ぬってなんだろう･･･？

なんて
言い出すので

ミンナの痛みを背負ってくれる事じゃないの？
それを背負って逝ってくれたんだよ･･･
だから、残されたモノは元気で生きなきゃいけないんだよ･･･

オフクロボロボロ泣き出しちゃった
昨日は親戚が来て、泣きながらボクを叩き

なんで教えてくれなかったんだ
慎一（兄）と･･･いっぱい話したかったのにー！

泣きながらみんなに怒られちゃいました
いきなり死の連絡じゃショックですよね･･･
ボクはバカみたいに

兄貴がミンナに心配かけるから言うなって･･･
治らないんだから言うなって･･･

と泣きながら繰返すだけでした


故人の意思はそうだったけど･･･みんなに連絡しちゃえば良かった
みんなに会ってもらえば良かった･･･

短命な男家系なのかな
ボクの時はみんな呼んじゃおう
うるさがられるぐらいに･･･




皆様ご心配ありがとうございます･･･
今夜は兄と別れの酒をヤリたいと思います

お前･･･いつ完結するんだよ･･･夜のプール
終わるまで死ねないじゃん


兄貴がそう言ったのはこの前でした

去年の匠のまつりでミンナで激酔い

楽しかったね

その頃から背中の痛みを感じ、精密検査を繰り返し、骨ガンが発覚
原発不明ガン
つまり
取ることも出来ない･･･
先月それが肝臓ガンへと転移
あっという間でした

本日２１日夜
兄、旅立ちました

兄貴のブログを見ていただいていた一部の方にはご心配お掛けしました


５５歳･･･

時に神は残酷な計らいをしますね
さっき会って帰ってきたばっかりなのに･･･

兄は

一応オレのことを書いている「夜のプール」だからな･･･コメント入れるぜ！

そう言っていたんだけど････

ＲＥＳ　無いじゃん
こんな終わり方アリかよ･･･

モルヒネ昼に投与しだしたんだけどな

段取りばっかり考えちゃう弟

匠のまつり･･･うまくいくように
今夜逝っちゃったのかな

匠でまた呑もう！と言ったのに･･･

かげっちゃんの蟹、また食べようと言ったのに

すなぴょんのアロマオイルを愛してたのに

カコちゃんのソーセージ食っちゃった事、後悔してたのに

づみさんのブログ休止してたこと心配してたのに

おやびんの会社のことも心配してたのに

kiraのｹｺﾝ行く末も心配してたのに･･･

団長のお子さんのこともいつも話題にしてたのに･･･





あまりにも切なく、はかないじゃないか

でも

それも人生なんだろうね

痛みを感じる時間が少なかったのが救いなのかな･･･


ご心配いただいた皆様、ありがとうございます

匠は出店すると思います
また
ピコピコしたら
お付き合い宜しくお願いします

づみさん
詳細連絡せずにすみません
悲しみがダブルじゃつらいもんね･･･

一緒に泣いてくれたナッツもありがとう


RES遅れｽﾏｿ
シュガさん
いつも、優しいコメントに癒されています
ありがとう･･･

夜のプールで兄貴と
泳ぎたかったな･･･

日常が展開される･･･

先日のイベント抽選会

「binnチャ〜ン　隣に座っていい？」

「久しぶりじゃないの　元気でした？」

「あたしね･･･ダイエット始めたの　レコーディングダイエット！」

「自由業で食い物記録する必要ある？勤め人なら付き合いとかあるからね･･･どうなの？」

「効果あるのよぉ〜〜それが〜〜〜」


そ、そうかなぁ〜〜　そうは見えないけど〜〜　　笑


･･･

ちと、ハハちゃんのところにコメントしたけれど
夕方、先輩陶芸家ご母堂様お通夜で、友人と会う約束だった。
病院で一時間待っちまった。
病院で久しぶりに悪態

「あれ、binnさん疲れてる感じですね〜」ナース

「あのね･･･一時間待ってるんだよ」

「今日は月曜だから終了時間聞いて行って下さいね！！」

婦長と主任看護士が言った。
三日空く透析なので体重が増え、水分を抜く時間が増える･･･時間が押す、と言うわけだ。終了時間を聞かなかったのか？という言い方だった。
二年半も通っているのに！！

で

「あのな･･･あんたら、忙しそうにしてるんで、声掛けられなかったんだよ！！」

捨て台詞なオレ

呆然とたたずむナース　紅潮する顔



だが


その日からシステムが変わった　　　笑

ちと話難しいのだけど、透析中に血圧下がると透析中止するのよね
出入り薬剤師のおね〜ちゃんと仲良しのオレだけど、その人と話すると、喋る喋る･･･
普通血圧下がると、休んでから透析再開するんだそうだ

つまり

この病院は時間内に終わらせようとしてるんだな！
で
体重増えて時間延長の方向をやめて一律、例えば三時間で終了させて少し残っても、あさってに回すという方向に･･･

金曜日なんて医者がおらず、誰もが水分残しながらも繰越で早い時間に終了
医者が不在だと、血圧降下した時の対処が出来ないからね

ということで
不信感が芽生えた病院なんだけど
この前のプチ切れから、帰りが早くなったんでOKと感じるbinnちゃんなのでしたぁ〜

･･･

告別式で

「みんな、binnちゃん通夜に来ると待ってたようだよ」

そうご遺族先輩が言った

「オフクロ透析が長引いて、遅れちゃったんです」

「オフクロさん･･･どうなんですか･･･調子は？」

状況を説明すると

「あぁ。みんなbinnちゃんに会いたがっていたようだけど、じゃぁ、良かったですね、オフクロさん元気なら･･･」

先輩の心情いかばかりか･･･


･･･

夜のプール　続きます

RES遅れｽﾏｿ

「匠のまつり」　４４番です〜

フラガ〜ルになっかなぁ〜！！

四窯目点火
夏遊んだツケが　笑

順調に行けばいいんだけどなっ･･･

なんでも国民文化祭が同時開催なので、派手らしいですぞ！
ガンガン
ビール呑みましょうね〜　五浦ハムゥ〜！

それからの秋と冬を過ぎ、兄は東京の大学へ進学。
残されたボクは一抹の寂しさを感じながらも、こちらも受験体制へ突入。
Ｍ市の青春、兄のアパートは東京に変わっただけなんだけどね。
その春休みだったか。
誰も居ないＭ市の兄の下宿先へ、置いていった自転車を取りに行くことになった。
電車で出掛け、帰りはそれに乗り、約３０キロの道のりを走ってくる。

おぉ

今思えば、そのチャリもロード、昔で言うドロップハンドル・サイクリング車だった。
今のチャリの原点ｼﾞｬﾝ
春の日差しとはいえ、まだ寒く、ぼくは厚手のスタジャンとジーンズ姿ではなかったか？

Ｍ市の駅から歩く。
県庁裏の公園を抜け少し来る時間の空いた下宿先に到着。
大家さんも誰も居なかった。
納屋の表の片隅に置かれた自転車があった。
番号ロックを外しタイヤを確かめ、そこでハイライトに火を点けながら顔を上げ、がらんとした下宿を見渡す。

暗い十代から兄は抜け出せたんだな･･･
それは、個人の意思と、友達の存在なんだろうな･･･

この部屋で起こった様々な出来事が浮かんでくる。

酒を呑もうと、ホワイトリカーを買ってきた先輩
初の焼肉や体験をさせてくれた先輩とギルビードライジンを呑んだ事
後輩が家出をして住み着き、様々な悩みを一緒に聞いたこと
そして、兄の先の見えない将来をものともしない生き方･･･


ボクやボクの友人はそれぞれに感化され、夜を過ごし、また、退屈な高校生活に戻るのだけれど、話はＭ市の夜のコト、政治、文学、ジャズ、が中心になった。

兄貴は･･･ボク達の･･･青春ではなかったのか
それをリードしてくれた存在ではなかったのか･･･

煙草を消し自転車にまたがる。
沈丁花の香りがする。

東京でブレイクする兄が見えるようだった。

駅とは反対の方向に自転車を漕ぎ出す。
顔に当たる風はまだ真冬のように冷たかったが、家を目指すボクの心には、柔らかく暖かな春の風が吹いていた。
それは、暗い夜のプールからの「卒業」と言う名の感傷だったのかもしれない。


･･･

三窯目！
匠のまつり出店番号４４番ですー
詳細はまた･･･

駅で待ちぼうけをしていた時、兄はどうしていたのかと言うと、友人（同じく高校生だ）の住むＭ市のアパートに転がり込んだ。
そこに二ヶ月居て下宿先を再び探し、一人暮らしを始める。

それは兄にとっての嫌悪すべき家からの解放された時空間だった。

そういった経緯を後ほど知るのだけれど、それをどういう形で知りえたのかは記憶に無い･･･。

その下宿の環境は、Ｍ市の税務署の隣、お堀のある県庁そば、公園もあり、いわゆる文教地区で道路を挟んで県立図書館があった。また、駅、繁華街へも徒歩ですぐの場所にあり、退屈な高校生にとってはありがたい拠点となったのだった。しかも、大人の集まるその兄の下宿先は、本当に魅力的だった。

ボクは友人達と週末に兄の下宿先に遊びに行き、都会であるＭ市の夜を徘徊し、映画館のオールナイトに行き、ジャズ喫茶を覚え、ジャズにのめり込む。
兄の友人たちとも親しくして貰い、兄の居ないときに食事に連れて行って貰ったりした。
あえて言うと、高校生なのである。仕事を持った彼らは、更に魅力的な存在だった。

後年兄がＭ市を出た後も、ボクは彼らと呑んだりしていた。



ボクは自身が通う高校と折り合いが悪く、退学しようかな、とまで考えていた。
本当につまらなかったんだ。
賢明な高校生は、そんな時間をさっさとやり過ごし、勉強だけして東京の大学に行ってしまえばよかった･･･と述懐するかもしれない。
だが、ボクにとっては何よりも高校生活に憧れていたせいか、その幻滅度合いも大きく、そんな事が幻想と瞬時に理解しても、なんとかしたかったんだと思っていたんだと･･･。

Ｍ市での

真夏の図書館
映画館で出会った女子高校生･･･
Ｓ＆Ｇの流れる喫茶店で待ち合わせする事･･･


その時々は、兄の作ってくれた環境によって輝きだした。




そんな時間の流れる中、兄は突然大学進学を標榜し、受験勉強を始めるのだった。



続く

極私的記述でございます･･･。

1970年、つまりボクが中三の時に兄は、既にＭ市に下宿していた。
三島由紀夫が割腹自殺をした年だ。
地方高校生の憂いを書いた兄の文章も覚えている。

ボクは翌年の受験にＭ市に行き、帰りに兄の下宿に寄った記憶がある。
団体行動から逸脱した事に、引率教師は家により行方不明を告げたっけ
オフクロは

兄の家へ行ったんでしょう
Ｍ市は慣れてますから

と言って済んだそうだ。
翌日登校するも、そのことで叱責されることは無かった。
受験次期だし、配慮したのかな

その春も兄の下宿に遊びに行き、個人病院の外科医で仕事をしている話を聞いた記憶がある。
近所の食堂でカツ丼を食べていると、その店に、中学の担任が社会党のパンフを配布にやってきたっけ　笑


と言うことは、兄は何らかの理由で一旦家に戻り、しばらく何事かを調整し、ボクが高一の春に再度家を出た、と言うことなのだろうか･･･。

うむむ
記憶なんて怪しいものだ
そして、ボクは身内の心情などにも思いも寄らない十代だったのか･･･
一人駅で待つ、喪失感のようなモノの方が強く、家を出る兄貴の心情は如何ばかりだったのか、思いを馳せられない十代だったのか？



・・・

本日「匠のまつり」抽選会です。

昭和４５年頃･･･
当時兄貴は、義父の存在により、不遇の思春期を送っていた。
様々な軋轢
想像を絶するDV
普通の高校生活ではなく、定時制高校に入学した。
昼、仕事をするではなく、ある理由によって家に居た。
出掛けるのは午後の４時頃･･･
帰りは９時〜１０時頃ではなかったか？
変則な思春期･･･

兄貴は、当時の生活をどう考えていたのか？
仙台に家出したこともあった。
安住すべき家が、そんな存在ではなく、耐えられなかったのだろう･･･

だから

プールに行く時間は９時過ぎ想定だった。

その日、ボクは兄貴が帰る電車時間に駅に迎えにいった。
そのままプールに行こうと思っていたのだ。
もちろん、傘などは持たずに･･･
時間は９時半頃だろうか？
兄貴はホームに降りて来なかった。
ボクは、本（北杜夫の山の本だったかな）を取りに家へ帰り、再度駅の待合室に戻った。
上り電車最終まで駅で本を読んでいた。
通勤客が通り過ぎる。
時間が流れる。
夜が進行する･･･。


その夜兄貴は帰って来なかった。

ボクは、最終電車の去った駅の待合室で途方にくれた。
そのままいつものように街を徘徊し、家に戻った。

オフクロは心配している様子も無かった。
兄貴は、外泊ではなく、
その夜、家を出たのだ。


オフクロは、多分その事を聞いていたのだろう。



夜のプールは、その夜の何も起こらない出来事で終了となった。

兄貴はその日、Ｍ市にアパートを借り、バイトをしながら高校生活を始め･･･生活の拠点を移したのだ。

まだ十代だったのだが、家を出たのだ。
高校生なのに･･･。

兄貴はその時のことを思い出して言った。

「お前が駅で待っていたのはわかっていたんだけどな･･･
その日に友達と予定していたんだよ
お前が一人で待っていた姿を想像すると･･･

夜のプールに･･･行きたかったなっ･･･」

そう言って目を潤ませた。


続く