2006/11/21

夏の日の幻想/啓明氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2006参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

余裕があるな、と言うのが偽らざる初見の印象。

他参加者諸兄のレイアウト作品が、それぞれ銘々の能力いっぱいギリギリで作られているように見えるのに対し、啓明氏のそれは随所に遊び心があってゆとりがある。アーカイブに同梱されているPDFベースのガイドも然り。逆に言うと、“手抜き”とは言わないまでも、啓明氏は肩の力を抜いて「まぁ、賞は他の若い子に譲るから私は楽しませてもらうよ」というスタンスで投稿した作品で部門賞を獲ってしまったワケで、その地力に感服するとともに、VRM4部門の他参加者の不甲斐無さには叱咤激励を送っておく。オッサンに負けるな!

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具体的に、その“余裕具合”を見ていきたいと思うのだが、たとえば上掲のスクリーンショット。PDFのガイドによると大歩危駅がモデルとのこと。ボクも2003年のコンテストで大歩危をモデルにした作品で部門賞を頂いているが、納得のいく見事な情景だ。そして、余裕を感じさせるのが、川面の水飛沫の表現。これがなくとも情景としては十二分に完成しているものを、敢えてこういう表現を加えているところに、エキスパートユーザーのゆとりを感じる次第。

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さらには、キハ85系にあしらわれたオリジナルの方向幕。ちゃんと“kNR”と書いてあるのが面白い。ちなみに1号車は単なる指定席ではないらしく「特別指定席」と書いてあるのだが、これはパノラマ車両ゆえ、というネタなのだろうか。

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で。作者ご本人には怒られるかも知れないが、本作は地面上の情景よりも、むしろ床下が面白い。いろんなものが埋まっているのだ。要するに、地面に顔を出した部分だけが情景として使われているのだが、一見してそれが本来何であったのかがわからないものが多い。これまた、ベテランゆえの余裕だな、と思った次第。中でも上掲の奥手の一際目立つ墓石は傑作。裏から見ると意外な正体が判明する。

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以上、“余裕”をキーワードに啓明氏の受賞作を見たワケだが、もちろんこれは啓明氏がふざけている、というような意味ではなく、確かなテクニックが基礎にあるがゆえに、お遊びに興じる余裕がある、ということなので誤解のないように。翌年のレイアウトコンテストにVRM4で参戦予定の諸兄は、じっくりと啓明氏の作風を分析して見て欲しい。このレイアウトは宝の山である。

ちなみに、当の作者本人は「遊び心がなかった」と自省しておられるよし。これでも自己評価では足りないってんだから、遊びと散財の達人、啓明おそるべし(笑)。

世界征服座標情報:http://maps.google.com/maps?f=q&hl=ja&geocode=&q=http:%2F%2Fwww.nodus.ne.jp%2FToretateVRM%2Fvrm.kml&ie=UTF8&ll=33.878326,133.763866&spn=0.014679,0.027852&z=15
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2006/11/20

余計なお世話だとは思うけども  電波ゆんゆん
なんか、I.MAGiC HOBBY WORLDのトップが更新されてるんですが。

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意図してることはわかるんです。
むしろ、アグレッシブでいいと思うんです。

が。

だったら、ダウンロードする前に必要なパッケージがわかるよう、レイアウトコンテスト作品ダウンロードページに作品毎に明記しとくべきじゃないですか、必要パッケージについて。作者に応募に際して「わざわざ」申告させてるんですから。

心象悪いと思いますよ。Directshopで購入した方が、いざお目当てのレイアウトをダウンロードして開いてみたら「部品が足りない」ってのは。
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2006/11/20

国鉄伊那線/沖ノ鳥島氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2006参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

受賞者中、唯一の連覇となった沖ノ鳥島氏であるが、余計なお世話ながらいささか同情を禁じえない。と言うのも、昨年も今年も、ある意味においてコンセプトを同じくするツワモノに阻まれて次点に甘んじているからである。

しかしながら、それもまたむべなるかな。氏の作品には(去年もそうであったが)他の受賞作にはない弱点がある。それは、ところどころで同曲率の45度カーブレール2本を使った直角カーブが用いられていることだ。思うに、審査する側からすれば、こういうカーブはいかにも「扱いに窮してとりあえずつなぎました」的に見えてしまって芸がない。逆に、緩和曲線を適時配しながら、90度未満のカーブを上手く取り混ぜてエンドレスを完結させるレイアウト(歴代の受賞作の多くがそうである)は、やはり、そこにかかった手間に見合う賞賛を受ける、ということである。

無論、沖ノ鳥島氏の作品は、同傾向を有する作品(大半の参加作がそうである)の中では群を抜いて上手い。それこそが部門賞受賞の理由であろうし、であるがゆえに、氏には翌年以降の課題としてこれを覚えておいて欲しい。キミはきっと、もっとスゴいのが作れるはずだ。

それはさておき、氏の作中、ボクの心を捉えた情景を2つ、紹介しておきたい。

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1つ目がコレ。何気ない演出なのだが、ロータリー構造の中心に広告板を円形に配し、背景には城、道路車両はバスとタクシー、と、いかにも地方観光都市にありそうな情景を低コスト(少ない部品数)で醸しだしているのが絶妙。

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もう1つがコレ。ご本人に確認しないと確たることは言えないが、おそらくは「川下りをする観光筏」なんだと思う。ちゃんと川辺の駅から桟橋へのアクセスルートがあるところなど芸が細かいのだが、特に面白いのは船頭さんの棹。この部品をこう使うという発想はボクにはなかった。昨年に続いて大爆笑。いつも、ありがとう。

惜しむらくは、これら2つがレイアウト全体の中であまり目立っていないこと。櫻隼氏の手の込んだ駅が、情景に溶け込みつつも異様な存在感を発しているのと対照的である。いずれもレイアウト構造の端の方にコソッとあるのが敗因であろう。いや、作者からすれば「通な人だけ気づく隠し味」のつもりなのかも知れないが、ボクの感性で言うと、こういうテクニックをもっと目立つように配してもいいと思う。これも翌年以降への課題だね。

無論、これは沖ノ鳥島氏一人の課題ではなく、翌年のレイアウトコンテストで打倒櫻隼!打倒沖ノ鳥島!を目指すVRMユーザー諸兄、全員の課題なんだけれども。

2006/12/16追記

新快速氏による本作のレビューにもご注目あれかし。

http://black.ap.teacup.com/sinkaisokublog/58.html

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2006/11/19

広がるVRM→Nつながり  電波ゆんゆん
霊魂補完計画の最中ではありますが、VRM→N筋にて動きがありましたのでご紹介しておこうかと思います。

これまで、拙Webサイト“VRMovies別館「VRMからNゲージレイアウトを作ってみよう」”(通称“VRM→N”)にて公開してきたVRMによるNゲージレイアウト設計については、ボク自身が施工したものの他に、皆様ご存知のJR関西氏によるもの(現在も新たな作品が施工中)、せーいち氏によるもの、があったワケですが、新たにもうお一方の手になる作品が加わりました。

施工してくださったのはまる氏。リンク先のWeblogでは、氏のレイアウト施工期も読むことが出来ます。今回、完成を迎えられたとのことで、写真を多数ご提供いただきましたので、VRM→N特別展示室に掲示させていただいておる次第です。

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親愛なる純VRMユーザー(必ずしもリアル鉄道模型に関心のないVRMユーザーの皆様)におかれては、このような話題にはご関心がなく「ふーん、そんなの知ったこっちゃないよ」とお思いの方もおられるやも知れませんが、さにあらず!

我らがVRMは、その版図を鉄道模型趣味界に広げんと、VRM4ベースのワイヤーフレームビュワーを新たに搭載した「鉄道模型レイアウターF2006」を、まさに投入したところなのであります。

※鉄道模型シミュレーターF2006については、こちらの拙稿も合わせてご参照ください。

で。

貴兄自身がリアル鉄道模型に関心があろうがなかろうが、あなたがネット上に公開するVRMのスクリーンショットであるとか、VRM4第2号Powered by TOMIXベースの手頃な大きさのVRMレイアウトというものは、それを見る鉄道模型愛好家からすれば、リアルNゲージ鉄道模型レイアウトの設計図であり完成予想図なのであります。

当たり前、と言えば、当たり前の話なんですが、改めて、この点を強く申し上げておきたいのであります。

あなたが何の気になしにネットに晒したVRMレイアウトを「あ、リアルで作ってみたんですけど」と言ってくる人が現れる日は、そう遠くないのであります。現にボクのところには、ボク自身がそれを本気にしていなかったにもかかわらず、既に三人の猛者が現れたんですから。
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