2007/1/10

VRMでステレオ写真やるときは二種類ありそうだ作戦  VRMナノ?
この話の続き。

件のステレオ動画の作り方を大雑把に書くと以下のようになる。

(1) 水平方向にレイアウター上の寸法で0.6mm(実スケール換算約10cm)離れた地上カメラを用意する。
(2) それぞれのカメラで、まったく同じ走行シーンを動画化する。
(3) この動画を、走行列車の位置がシンクロするように切り出し、左右並べた状態に合成する。

で、下線部なんだけれども、約10cmというのは、左右の目の間の距離に相当する。つまり、VRMレイアウトを現実の風景と考え、その中に人間が入り込んでその左右の目それぞれに見えるであろうものを動画化しているから、これを立体視することが出来る、という戦略。

しかし、冷静に考えてみると、我らがVRMは“鉄道模型シミュレーター”であって“鉄道シミュレーター”ではないのだから、上に書いたような考え方は(結果的にはうまくいくんだけれども)VRM的には間違いということになる。VRMレイアウトの世界を、現実の風景としてではなく、模型として見るのがVRMとしては正統であろう。

つまり、表題に掲げた「VRMでステレオ写真やるときは二種類ありそう」の意味は・・・

正統: VRMレイアウター上で約10cm離れた視点から映像を撮り立体視する=鉄道模型としての立体視
亜流: VRMレイアウター上で約0.6mm(10cmの150分の1)離れた視点から映像を撮り立体視する=現実風景としての立体視

であり、一昨日のエントリで紹介した作例は“亜流”に当たる。そして、なにゆえにghostともあろうものが亜流に甘んじたのか?と問われれば、それは素直に「意外に難しかったから」と答えざるを得ない。

第一に、現実風景の立体視を考えた場合には無視できる“左右の目の向き”の問題がある。たとえば、100m先の何かにフォーカスしている左右の目の角度は、同じであると見做して問題ないが、50cm先の何かにフォーカスする場合は、単純作図してみるとそれぞれ内側に向けて6度傾いていないと焦点を結べないことがわかる。

これがどのような厄介事を起こすか、直感的に知りたければ、とりあえず手を真っ直ぐ前に伸ばして人差し指を立て、これを見つめてみればいい。その状態で、背景の周囲の風景がどう見えているか。

つまり、我々は普段意識していないのだが、至近距離のものを立体視するというのは、フォーカスする物体以外を無視している状態なのだ。これが実生活で問題にならないのは、我々の眼球が、意識の遷移に応じて適時新たに必要となったモノを見るべく角度が補正されるからである。ステレオ写真/動画の場合、これを見る側の「〜を見たい/注目したい」という意思とは無関係に一意に固定してしまうため、決して自然な見え方はしないようなのだ。ボクが知らんだけで、いい方法があるのかも知れないけども。

あと、FOV(視野角)を調整しないと、そもそもビュワー上で10cmも離れたカメラの像は焦点を結ばない、って問題もある。ちなみに一昨日の動画はFOVは90度固定。

ボク的なニーズとしては、実際の鉄道風景は極言すれば「見に行けば済む」ので、Nゲージスケールにおける「未だ存在していない鉄道模型レイアウトを立体視する」手法の確立の方が遥かに関心が強い。と言うワケで、この筋で何か新たな知見を得た人は、是非ともネットVRM界隈へのフィードバックをお願いしたい。
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