2007/12/7

品川付近/波路はるか氏 & 都市田舎混在レイアウト/おさだっち氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2007参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

しばしば申し上げていることではあるが、VRMは決して万人に易しい類のソフトウェアではない。

現時点で、どのくらいのVRMユーザー(とりあえず購入し、2〜3回は起動した、というレベルも含めて)がいるのか、これを把握する術はない。が、“ネットVRMユーザー”と呼ばれる恒常的なアクティブユーザーが、VRMユーザー全体のスキルの正規分布から、高い方へと逸脱した人たちであろうことは想像がつく。

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<品川付近 by 波路はるか氏>

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<都市田舎混在レイアウト by おさだっち氏>

特に根拠があって言うワケではないが、直感的に、今回取り上げる波路はるか氏、おさだっち氏あたりが、全VRMユーザーの平均レベルか、あるいは、それを少し上回ったくらいに当たるのではないか、と思っている。

良く言えば、VRMをとりあえず通り一遍に扱うことが出来て、初心者には敷居がやや高い高架区間の敷設や、幾何学的なトラックプランからの脱皮は出来る。悪く言えば、その技量をもってしても、レイアウトを他者の鑑賞に耐え得る“作品”にするには一歩及ばない、といったラインだ。

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<品川付近 より>

すべての読者に賛同を求めるつもりは毛頭ないが、鉄道系サブカルチャーとしてのVRM(そして広義の仮想鉄道模型すべて)の発展を目論んでいくには、波路はるか氏やおさだっち氏のようなVRMユーザーに、もう一歩前進してもらえるような情報提供が欠かせないと考えている。

言うまでもなく、それはボクが“ネットVRMユーザー”と尊称申し上げる皆さんへの課題である。

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<都市田舎混在レイアウト より>

具体的に何をすべきか、については、これも常々申し上げていることではあるが、ボクが「あーしろ、こーしろ」と指示すべき性格のものではないし、むしろ銘々が自ら考え行動するところにこそ意味があるのだが、何がしかのヒントを必要とする諸兄にとって、今回取り上げた2作は1つの指標である、と言うこともできるだろう。

つまり、これらのレイアウトを作れる人をして、さらに一歩進ましめて、しおじ氏櫻隼氏45-50s氏、といったレイアウトコンテストの歴代大賞受賞者とまではいかなくとも、今回の参加作の中で言えば、十衛門氏かずぼっくり氏漆黒氏といった、惜しくも受賞には至らなかったけれども強い印象を残すレイアウト作品が作れるようになるには、どのようなスキルが必要なのか、どのような視点が必要なのか、どのような考え方が必要なのか、何が足りなくて何が満たされているのか・・・について、継続的に扱っていくことが、短期的には次年度のレイアウトコンテストのために、長期的にはVRMの発展のために、ネットVRMユーザーの“誰か”がやらねばならない仕事なのだ。
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2007/12/6

夕焼けの大橋/tenhama氏 & くりンコ小布施駅/志賀のスキーヤー氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2007参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

世界征服の都合上、触れずにはいられない2作。

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<夕焼けの大橋/tenhama氏>

なぜに北斗星、瀬戸じゃなくって?

まぁ、それは銘々の好みなのでいいですが。よく見ると橋脚の足元に駅事務室が埋めてあったりと、細かいところに配慮がある反面、ログウィンドウもメニューも出しっ放しという大らかさ。

それはさておき、今回のレイアウトコンテストVRM4部門作品は、本作を含め(拙作もそうですが)船舶部品を組み込んだものが多かったですね。一時は「んなもん要らん」「他に出すべきものはあるだろ」みたいな論調があったような気もしますが、何だかんだ言いつつも、VRMユーザーは船舶部品を気に入っているんでしょうか?

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<くりンコ小布施駅/志賀のスキーヤー氏>

添付された資料を読まずに絵だけを見ると、何のこっちゃ?な感じですが、165系廃車体を使ったラーメン屋さんだそうです。リンク先では「鉄道ファンの間では有名な存在?」と書かれていますが、ボクは存じ上げませんでした。

スクリーンショット部門の作品の中には「そこまで作って、なんでVRM3/4部門にレイアウトを出さないの?」的なものがいくつか散見されますが、ある意味において、志賀のスキーヤー氏のコレこそが、スクリーンショット部門であるがゆえに面白いネタ、だと思いました。その、題材選定センスに乾杯!
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2007/12/5

碓氷線風レイアウト/Taka氏 & 古墳のあるレイアウト/ケン氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2007参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

題材選定を誤った感のある2作。

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<碓氷線風レイアウト by Taka氏>

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<古墳のあるレイアウト by ケン氏>

VRMも、たいがい歴史が長いので、題材によっては既に過去に超えがたい名作が生まれてしまっている場合もある。今回取り上げた2作がまさにそれに当たる。


<碓氷峠リメイク版 by junichi氏

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阪和線 by しおじ氏 より>

「過去の名作とネタ被りしてはならない」という法はないし、むしろ、同じ題材を複数のVRMユーザーが競作することによって、初めて得られる知見も多々あろうとは思う。が、レイアウトコンテストに参加するからには、こういった前例がある場合は、それを凌駕する作品でもって挑まないことには入賞はおぼつかないだろう。

VRM世界征服計画は、このような場合の参考にしていただくべくやっているものでもあるので、翌年度レイアウトコンテスト制覇を目論む読者諸兄にはご利用いただいたい。

誤解のないように繰り返すが、言わんとするところは「レイアウトコンテストに、過去事例のある実在鉄道風景を題材にすべきではない」ではない。「過去事例のある実在鉄道風景を題材にするのであれば、過去作品を超えるレイアウトを作ろう」である。ポジティブに考えれば、過去作品のある題材は、既にお手本が存在し、かつ、達成すべき課題が目に見えている、と言うことも出来る。

まぁ、ケン氏に言わせれば、

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そんなの関係ねぇ!のかも知れないけれど。
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2007/12/4

ホーム改良工事開始/akkun氏 & 渓谷を行く急行列車/玖瀬市民氏  霊魂補完計画

以下はI.MAGiCレイアウトコンテスト2007参加作品のレビューです。作品は結果発表のページからダウンロード可能です。

みなさん、こんにちは。今週も“VRMスクリーンショット・クリニック”の時間がやって参りました。

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<ホーム改良工事開始 by akkun氏>

まず、題材がいいですね。工事部分のホームを敢えて「歩道」で表現し、点字タイルが未設であることを表現している点はポイントが高いです。しかしながら、背景のビル群れが単調に過ぎるのと、主題部分を強調したい余り、手前の部分が寂しくなってしまっています。

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<たとえばこんな感じに>

白い立方体はキュービクル、赤い立方体は自動販売機をイメージしてますが、あえて、主題となる工事区画の前に、少しだけ視線を遮る何かをおいてやるだけで、作品に奥行きが出てきます。道路も、せっかくいろいろなバリエーションが用意されているのですから、積極的に活用したいですね。

一般に、鉄道写真の撮影には遮蔽物のない視界の開けた場所が好まれますが、これは遮蔽物があることが問題なのではなく、遮蔽物を写真の構図の都合で動かすことが出来ないからです。VRMでは遮蔽物を自分の都合で好きな場所に配置できるワケですから、そのメリットは享受すべきです。

では、次の方どうぞ。

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<渓谷を行く急行列車 by 玖瀬市民氏>

お約束、と言うと言葉が悪いですが、VRMユーザーであれば一度や二度はこういう構図を作って遊んだことがあるのではないか、と思われる定番を綺麗に出せているのが好感が持てます。一方で、上空も足元も、どうにもスカスカな感じがしてしまいます。

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<たとえばこんな感じに>

背景部分は、こちらの拙稿で紹介している彩度違いテクスチャの山をすぐ裏手に造成して、VRMレイアウター上の距離よりもさらに奥にあるように見える山並みを作り、空間的な広がりを強調しましょう。足元は、樹木部品を高さを含めてランダムに配置し、茂みを作ってやりましょう。このとき、後続の客車の一部を樹木で隠すと、さらに奥行きが強調されて効果的です。

VRMの世界では(鉄道模型もそうですが)必ずしも遠くにあるものが本当に遠くにある必要はありません。要は、遠くに見えればいいワケです。前景についても同じく。見る者をいい意味で“騙す”発想の有無は、VRM作品の出来不出来を左右する大きな要素であり、腕の立つVRMユーザーは、そのような意味においてみんな大嘘つきです。

何事も間断なく精進することが大切です。お二人とも、来年の定期健診=レイアウトコンテストも、欠かさずに参加してくださいね。お大事に。では、また来週。

《つづかない》
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