2005/9/11

#15 ranmei杯2005年夏の陣風景部門の覇者−酒井殿  VRMユーザー紳士録
今回は、過日のranmei杯にて見事風景部門優勝の栄誉を勝ち取られたこの方をお招きしました。

VRM侍(以下侍): 優勝、おめでとうございます。
酒井氏(以下酒): VRM侍は最初の頃から拝読しております。もちろん紳士録の方も拝見しておりまして、 「自分もいつか載せられるのだろうか・・・」 と思っていたところ、いきなりこのようなお話を頂いてびっくりしております。

● 受賞作「湘南の海」の舞台裏を拝見

侍: まずは簡単に自己紹介をお願いします。
酒: 年齢は15歳で中3です。性別は男。 出身地、現居住地共に今アツい名古屋市の大曽根という所です。 ナゴヤドームの最寄駅なので野球ファンの方はよくご存知の地名かもしれません。職業はもちろん中学生です。VRMは一応バージョン1からやっております。
侍: そうだったんですか。だったらVRM歴は私の大先輩じゃないですか。それはさておき。まずは今回のranmei杯受賞作「湘南の海」について伺いたいと思います。講評でも触れたのですが、応募作中唯一の、いや、むしろネットVRM界でも稀な、と言うべきかも知れませんが、マクロ視点が非常に印象的でした。
酒: 有り難うございます。 製作意図は、おっしゃる通り、もう少し線路から離れたところからの「パノラマな」構図のレイアウトを作ってみたかったからです。
侍: ともすればミクロ視点に陥りがちなVRM系作品群を見るにつけ、エポックメイキングな名作だと思います。製作にあたってはどのような工夫を?
酒: とにかく下の方の部品の配置ですね。コンテストの方では皆様方から「作りこみ凄いですね。」というお言葉を頂いておりますが、実際はただひたすら家を置くだけでした。写真奥の山の斜面にあるアパートのあたり以外はほとんど何も考えずにひたすら並べました。
侍: 差し支えなければ、かの作品を別角度から見れるようなスクリーンショットをいただけませんか。
酒: では、これで。

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受賞作「湘南の海」より (C)2005 酒井丈

酒: 特にここにこだわった、ということは無いのですが、「ただひたすら家を置くだけ」とは言ってもとりあえず雰囲気は出せるように頑張り、実物の写真にどれだけ近づけるかという事に力を注ぎました。

● 新ジャンル「撮影地レイアウト」

侍: 他の2作品「見送り」「Curve of Nagasaka」も、惜しくも受賞には至りませんでしたが、応募作全体の中ではハイレベルな作品であったと思います。そこでお伺いしますが、受賞作も含めて拝見すると、それぞれ遠・中・近の距離感を配したように見受けますが、これは意識してされたものですか。
酒: 特に距離感を意識した事はないんですよ。ただ有名な撮影地のよく見るような写真を再現しているだけで。
侍: むしろ、意識せずにあの三作品を応募されたのだとしたら、それは天与の才能かも。
酒: VRM3ではズーム機能がないので、もしそのような機能あればそのような考えは出てたかもしれないですね。ghostさんの動画を拝見すると・・・VRM4にはズームの機能があるのでしょうか。まだ持ってないんですよ、VRM4。
侍: おっしゃる通り、FOV更新機能があるがゆえに、作り手の意識に影響する、というのは今後あると思いますね。かく言う私も、動画作りでかなり意識するようになっています。
酒: 「Curve of Nagasaka」についてはghostさんの影響もあるんですよ。
侍: ・・・と、おっしゃいますと?
酒: 確か去年の始めに出版されたVRMの攻略本・・・
酒: それにghostさんが「思い切って2、3両の編成を眺めて楽しむぐらいのレイアウトから」ということを書いておられたと思います。これを読んでいろいろ自分なりにやってみたんですが、なかなかそのようなレイアウトさえも出来ずに悩んでいたんです。
侍: むしろ中途半端なアドバイスで悩ませてしまったようですね(汗)。
酒: そこで「ネットで公開されている(または自分がとった)写真を再現してみよう」と考えたのです。これなら自分の好きな実在モノも出来るし、車両を走らせる事も出来ます。そうしたら逆に普通のレイアウトを作るよりこちらにハマってしまったわけです。「Curve of Nagasaka」はそういう経緯で生まれた「実在撮影地レイアウト」なんですよ。
侍: なるほど「実在撮影地レイアウト」というのは着眼点が良い。私も以前、JR神戸線の須磨のS字カーブをVRMレイアウト化してみました。そのときは、単に「ネタ」扱いだったんですが、酒井さんのお話を伺って、また、酒井さんの作品群を拝見して、あのとき自分も同じようなことを考えたんだな、ということに改めて気付きました。何か他に、これからVRMレイアウトやスクリーンショットに挑戦する方にアドバイスはありませんか。
酒: ghostさんの作品でも見受けられますが、折角VRMには人形という部品があるので、もう少しそれを生かした写真、あるいは動画を撮るのもいいと思います。たとえばこんな感じで。

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サンプル画像 (C)2005 酒井丈

侍: おっと、斬り返されてしまいました(汗)。ご指摘ごもっとも。フィギュアは、動画を作ってしまってから「あぁ、置いときゃ良かった」って気付くことが多いんです、実際。ご指南、有難く頂戴しておきます。

● VRMコンテストの今後を考えてみる

侍: 少し話題を転じます。主催者である普|上飯田さんお招きしたときも話題になったのですが、参加者の立場から「ranmei杯」ムーブメントをどのようにお考えですか。
酒:  毎回毎回ズバ抜けた感じの作品を見ることが出来て、とても面白く勉強にもなります。 ただ、本家のIMAGICさんのコンテストよりもやはり人数は少ないかな・・・。と感じます。
侍: まぁ、ranmei杯が本家を凌駕してしまうと、それはそれで問題ですが(笑)。
酒: 将来的に、I.MAGICさんのコンテストは「レイアウト」 ranmei杯は「スクショ」みたいな感じで確立し、どちらのコンテストも50人100人と多くの方が投稿、投票して、ユーザー同士がコミュニケーションをとると共に、白熱したバトルになることを期待しています。
侍: 激しく同意します。そうなるように共々VRM界を盛り上げていきたいですね。 では、お約束ですが、誉め殺したいVRMユーザーをご紹介いただけますか。
酒: 北総開拓使氏です。やはり実在モノを語る上でこの方を忘れる事は出来ません。東海道線と中央線の辰野駅はよく行くので、何となく実感が沸きます。それから、ユーザーではないですけど、I.MAGICさんですね。何故このような面白いソフトを開発されたのか聞いてみたいですね。
侍: 中の人も、我々同様に好きなんですよ、きっと。では、酒井さんにとってVRMとは何でしょうか?
酒: 鉄道ファンにとっての、自分の鉄道に対する考え方や価値観を出す事が出来るものだと思います。自分のイメージなどを他の方、特に鉄道ファンではない方、に共感して頂けるととても嬉しいですね。
侍: 非常に共感できます。理想の鉄道風景を自らの手で作り上げることが出来る、これはVRMの醍醐味ですものね。いよいよ精進して、より多くの方にこの魅力を伝えていきたいものです。
酒: ghostさんのVRM侍も含めたいろいろな文章はホントにためになり、ありがたく思って います。 これからもVRM界の波田陽区、長井秀和として頑張ってください!!
侍: これからVRMは益々盛り上がるんです。間違いないッ!!

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/8/28

#14 HOBBY WORLD会議室の重鎮−JT殿  VRMユーザー紳士録
今回は、Webこそお持ちではありませんが、長年に渡ってI.MAGiC HOBBY WORLD会議室の縁の下の力持ちとしてご活躍のこの方をお招きしました。

VRM侍(以下侍): よろしくお願いします。
JT氏(以下J): どうか、お手柔らかにお願いします。

● 陰のスーパーバイザー?

侍: 今回お招きしたのは、I.MAGiC HOBBY WORLD会議室の重鎮として、スーパーバイザーばりの長年のご活躍を顕彰したかったからです。
J: 失礼ながら、ghostさんのお眼鏡違い、買被り過ぎと思います。その辺、ご承知の上でなら。
侍: ご謙遜と拝察いたします。まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。
J: う〜ん!・・・ 本当の年齢を言うと付き合って頂ける人が減りそう!!
侍: と、おっしゃいますと。
J: 「八つぁん 熊さんの相手役の横丁のご隠居」と同じ程度といったところです。
侍: おっと、これは意外でした。Tatsuoさんをお招きしたときも同じようなことを申し上げた記憶がありますが、同年代の方と勘違いしておりました。VRMには若さを保つ秘密があるのかも。
J: 愛知生まれで現在は新潟市に住んでいます。現在は無職です。現役のときは、機械系の設計屋が主でした。アセンブラやBASIC、FORTRANによるソフト開発等にも携わったことがありますので、スクリプト言語についても、多少は分かります。
侍: ということは、職業上は私の大先輩ということになりますね。
J: あまり持ち上げないでくださいよ。余談をひとつ。VRMはバージョン2の「パワードバイトミックス」からなんですが。始めてこのパッケージを見た時「パワード・バイト・ミックス」と読んじゃって、何のことかサッパリ分からなかったんですが、とに角「パワード」とあるからには、無いよりは有ったほうが良かろうと思って、こちらにしたもんでした。
侍: それは・・・なさそうで、ありそうな話ですね(笑)。

● I.MAGiC HOBBY WORLD会議室今昔物語

侍: 先にも申し上げた通り、I.MAGiC会議室において、スーパーバイザー以外の一般ユーザーとして最も長期に渡ってご活躍なのはJTさんではないか、と思っているのですが。
J: もっと前から活躍している方も居られますよね?私などはまだまだホンの青二才です。
侍: いやいや、コンスタントなご活躍には頭が下がります。
J: 会議室はあくまでも自分自身の疑問解決の場と心得ています。
侍: 会議室の過去ログにザッと目を通したんですが、JTさんは質問されるにせよ回答されるにせよ、切り口がシャープというか、ツボをついておられるように思うんです。今回御職歴を伺って、なるほどやはりこの筋の方なんだな、と納得した次第です。VRMユーザー各位にJTさんの会議室活用から大いに学んで欲しいと思います。
J: 「誉め殺し」ですね。我ながら些か書き過ぎたなと思うような場面もあり、反省する面の方が多いです。
侍: さて。長期に渡って会議室を見てこられたJTさんにお伺いしたいのですが。VRMもJTさんが初めて触れたVRM2からVRM4へと至りました。その流れを通じて、会議室の雰囲気というのは変わってきたものでしょうか、それとも同じでしょうか。
J: あまり変わったとは思っていません。ただ、V4でスクリプトを扱うようになって、戸惑いを感じている方が結構おいでではないでしょうか?
侍: あぁ、そのことについては、先だって計算違いの「辻斬り」をしてお騒がせしました。反省しています、ホントに。
J: スクリプトに対する戸惑いについてはかく言う私もその一人なんですが・・・スクリプトウィザードは、大いに期待されますね。
侍: 私もいろいろな意味で期待しています。
J: 一寸思い付いたんですが。先に「変わっていない」と申し上げたのですが、一時期「VRMについて、こんな機能があればよい」と言ったようなことを気侭に述べ合う場がありましたが、何時の間にか無くなりました。
侍: あぁ、それはおっしゃる通りかも知れませんね。思うに、車両リクエストの書き込みを自粛して欲しいとのメッセージが拡大解釈されてしまっているんじゃないか、とも思うんですが。KZ氏のWebで公開されている意見交換BBSの過去ログなんかも、改めて読むと面白いですもんね。
J: ああいう雰囲気、復活したら良いのにと思っています。
侍: さて、少し話を転じますが。どうしても会議室は顔ぶれの入れ替わりが激しいですから、同じような質問、そして同じようなトラブルが繰り返される傾向があります。
J: そうですね。ティーンエイジャーの方が多いようですので、無理も無いとは思いますが。
侍: これを踏まえて、これから「会議室デビュー」を考えているVRMビギナーに何かアドバイスはありませんか。
J: @疑問が発生したら、まずマニュアルを見ること。A過去ログまで見なさい、とまでは言いませんが、少なくとも、現在の会議室の記事をよく読む習慣をつけていただけたらと思っています。
侍: あくまでも基本に忠実に、ですね。

● JTさんのVRMの楽しみ方は?

侍: 会議室でご活躍のJTさんですが、Webを公開されていないこともあり、ご自身がどのようにVRMを楽しんでおられるかはほとんど知られていません。この機会に少し御披瀝いただけませんか。
J: 私の楽しみ方ですが、一寸変わっているかも知れません。
侍: と、おっしゃいますと?
J: 列車を走らせると言うことよりも、レイアウトを作ること自体が楽しみでして、広大な空間に出来つつあるレイアウトに何時までもしがみ付いて、少しずつ完成してゆくのがなんとも云えぬ楽しみと言った感じです。
侍: リアル鉄道模型レイアウトには「レイアウトに完成なし」という箴言もありますが、そういう感じでしょうか。
J: そうですね。何時まで経ってもこれで完成と言う時点が無くて、この意味では、パソコンの自作を楽しむのとちょっと似てるかななどと感ずることもあります。
侍: なるほど、その喩えは言い得て妙ですね。
J: それから、ただ線路を敷くんではなくて、まず、地形を作っておき・・・実はこれが大変なんですが・・・駅の配置を決めたら、この地形で、ここからここまで線路を敷くとしたら土木屋さんなら、多分こんな風にするだろう と考えながら敷いています。
侍: それは、いつぞやKZ氏がblogに書いていたネタにも通じますね。
J: ですから、極めて非幾何学的な線路配置になっています。
侍: あぁ、是非ネット上に公開していただきたいですね、そういうレイアウト。前々から、エンドレス完結を優先して幾何学的なトラックプランが支配的なネットVRM界の趣向には疑問があったんです。JTさんの作品は、ネットVRM界に新風を吹き込むかも知れませんよ。

● VRMの進化にはユーザーの意見が欠かせない

J: 以前からトンネルに勾配を付けたかったんですが、V4でやっと可能になり、これからの楽しみが増えました。ついでですが、カントを付ける事も念願でしたが、これは、多分大変なんでしょうね。
侍: いやいや、I.MAGiCさんはやってくれますよ、きっと。先にも言及し、JTさんも多く提案を残されている意見交換BBSの内容、たくさん実現されましたし。
J: これからはやはりVRMスクリプトでしょうか。人、様々なので、一括りには出来ないと思いますが、強いて云えば、「スクリプト方式をもっと扱いやすく」。ただ現時点では、このほうが便利だと言う人と、扱い難くて困ると言う人とで二分されている様な気がします。
侍: そういう意味でも、ユーザー間の活発な意見交換が会議室を含め、ネット上を賑わしていくべきだと思います。さて、ではお約束の質問を。JTさんが「誉め殺し」たいVRMユーザーをご紹介いただけますか。
J: 諸先輩方皆さんすべてが該当します。列挙しきれません。
侍: 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ですな。では最後に、JTさんにとってVRMとは?
J: 現役の頃は、忙しくて出来なかった。今となったら、気力がが無くて出来ないと云った大型レイアウトが、やっと気侭に作れるようになったわけで、待ちに待ったアプリといったところでしょうか?
侍: ありがとうございました、今後も益々のご活躍に期待しております。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/8/19

#13 元祖無理やりストラクチャ−こてつ殿  VRMユーザー紳士録
今回は、拙者のVRMレイアウト作りの原点となったこの方をお招きしました。

VRM侍(以下侍): よろしくお願いします。
こてつ氏(以下こ): 楽しく拝見しております。はやたまさんもお元気そうですね。記事を見て嬉しくなりました!

● 無理やりストラクチャの唱道者

侍: まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
こ: 神戸市北区の出身ですが、現在は若狭地方にあるとある港町の北陸線の線路際に住んでいます。職業は電車には不可欠な電気の製造?にかかわる仕事に従事しています。
侍: 電気の製造・・・ですか。そういえば、VRMで作っておられましたね、ダム。さて、その「ダム」こそが、かく申す私をVRMの深みへと誘った一因なのですが。
こ: そう言っていただけると光栄ですね。
侍: こてつさんがVRM2時代に提唱された「無理やりストラクチャ」の発想は、現在ではネット上のVRMレイアウト職人たちの基本スキルの1つになった観があり、その功績は賞賛に値すると思います。そのへんについて、伺っていきたいのですが。
こ: 無理やりストラクチャーのアイデアは、「無い物は作るしかない」という単純な発想からです。私がイメージするレイアウトは、比較的ローカルなものや特殊な情景、たとえば峡谷鉄道などが多く、都会的なストラクチャーを主体とした既存部品は使い辛かったのです。
侍: VRM3の第3号あたりで随分救われましたが、VRM2時代はローカル系の情景に似合うストラクチャといえば「わらぶき農家」ぐらいでしたものね。ここらへん、特に30代以降のVRMユーザーにとっては辛いところでした。
こ: 私は小浜線からSLが消える1年前にこの世に生を受けた、完全な昭和型です。やはりローカルな情景を作りたいですよね。ただ、ストラクチャー自体をデザインすることは不可能なので、既存部品を組み合わせそれなりに見える物を作ることにしました。その第一弾が、V2時代の黒部峡谷鉄道レイアウトに登場した宇奈月ダムです。その後いくつか作りましたが、今見ると説明しなければ判らないものばかりですね。
侍: そんなことはないですよ。こてつさんの作品群がなければ、私自身もVRMを続けていたか疑問ですから。

● VRM2時代の思い出

侍: さきほども触れたように、無理やりストラクチャは既にVRMユーザーの中では常識になっています。提唱者であるこてつさんから、後に続いたレイアウト職人へ何かメッセージをいただけませんか。
こ: 周知の事実だと思いますが、ある程度のところで妥協することが必要です。動作が重くなる要因にもなりますし、特に情景作りに関しては凝りだすとキリがなくなります。
侍: 妥協・・・ですか?
こ: 私もこの点で苦しみました。妥協できない性格なんです。
侍: むしろおっしゃりたいことは、妥協のギリギリいっぱいまで試行錯誤せよ、ということではないかと推察いたしますが。
こ: そうかも知れませんね。が、何事もほどほどに、ですよ。
侍: さきほど、先だってご登場いただいたはやたまさんのお名前も出てきましたが、こてつさんもVRM歴の長い方のお一人です。何か印象に残っているエピソードがあればご披露いただけませんか。
こ: 永鉄さんもおっしゃってましたが、当時のVRMユーザーで企画したVRMモジュールプロジェクトは楽しかったですね。
侍: そのお話は、よく出てきますね。
こ: 参加者で担当するセクションを割り振り一つの大きなレイアウトを作るんです。VRM2のシステムが、分割レイアウトに対応していなかったため苦労はしましたが、結果、十人十色のスタイルが融合したすばらしいレイアウトが完成しました。
侍: ネット上に成果物は残っていないんですかね。誰かupしてくれないかな、レイアウター図面とかスクリーンショットだけでも。
こ: あと、VRMを肴に毎晩チャットで盛り上がってましたね。懐かしいです。

● ライブスチームの魅力

侍: 少し本筋から離れてしまいますが、PCオンリーもしくはせいぜいNゲージ展開止まりのVRMユーザーが多い中で、こてつさんはライブスチームも嗜まれる稀有な存在です。この機会に、バーチャル世界の住人たちにライブスチームの魅力を語っていただけませんか。
こ: 何と言っても、限りなく本物に近い機構・運転を楽しめる模型だということです。私もNやHOを楽しんでいますが、蒸気機関車に関してはやはり蒸気で動いて欲しいと思うんです。
侍: 無論、個人的な好みの問題とは思いますが。私も蒸気についてはNでは受け入れ難いですね。
こ: 私が所有しているモデルは1番ゲージといって、ライブスチームの中では最小クラスなんですが、小さくても動く仕組みは本物と同じです。本当は、乗用5インチゲージがやりたいんですが、技術的にも金銭的にも難しいため、ネットで知合ったオーナーさんが所属するクラブの運転会に顔を出したりして、オーナーになるための技術と知識、それと家族への説得方法?等を勉強中です。
侍: 先だって、5インチの庭園鉄道を敷設した先輩の家にお邪魔したんですが。たしかに先輩、奥さんに離婚をチラつかされてましたから(笑)。技術・知識以上に「家族への説得方法」は重要かも知れません。
こ: 各地のイベント等で運転されることも多いので、機会があれば皆様も是非体験してください。見ているだけで十分楽しいですよ!

● さよならするのは辛いけど

こ: こうしてお招きいただいた席でなんですが、実はVRM関連の表舞台での活動は、今回の「VRMユーザー紳士録」を最後に完全引退しようと考えています。
侍: ・・・それは残念な限りです。
こ: 私がVRM関連のサイトを立ち上げた理由は、ユーザーの憩いの場となり、公開したレイアウトをネタに盛り上がってくれればという願いからです。しかし、子育てに時間を取られネタの提供すら出来ない状況となってから、既に3年が経過してしまいました。上の子供も4歳半になり、ようやく余裕が出てきたのですが、まだまだネタを提供できるほどの時間は取れそうにありません。そのような理由で今回の引退を決意した次第です。
侍: そういうことでしたか。予期せぬ引退のご表明ですが、無理にお引止めするのも失礼にあたるでしょう。
こ: 多分、誉め殺したいVRMユーザーを尋ねられると思うのですが。
侍: はい、そのつもりです。
こ: では、この場をお借りして。八方美人的な回答で申し訳ないのですが、VRMユーザー全てです。私のWebでVRMユーザーを対象としたアンケート等を実施してきましたが、全く無益なアンケートに100を超える回答を頂き本当に感謝しています。
侍: 無益ではないですよ。アンケート結果を見て励まされた人もいたでしょうし。現に私もご提供いただいたユーザー分布をベースに論考を書かせていただきましたし。
こ: なにはともあれ、あらためてご回答いただいた皆様に御礼申し上げるとともに、どうか皆様でVRMを盛り上げていってもらいたいと思います。
侍: 私を含め、他多くのVRMユーザーがネットVRM界を盛り立てていくと思いますので、気が向いたらフラッと立ち寄って声でもかけてください。
こ: いずれ息子がVRMデビューすると思いますので、その際は宜しくお願いします。
侍: 親子二代のVRMユーザーとは頼もしい。その日を楽しみにお待ちしております。ありがとうございました。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/8/10

#12 異色ジェネラリスト−深鈴由羽殿(後編)  VRMユーザー紳士録
前編はこちら】

● 標準化と脆弱性

VRM侍(以下侍): それを踏まえて、のお話ですが。我々のコラボレーションが指向してたのもそこだったと思うんですが、VRM4スクリプトの言語仕様からは「このようにコーディングすべきだ」というビジョンが見えにくいです。そこで何か恣意的な「標準化」のビジョンを示さないと、個々人のレイアウトに特化したコードばかり書かれて、コミュニティに再利用可能なコードが還元されない、っていうのが気にかかるところじゃないですか。
深鈴由羽氏(以下由): 下手に標準化とかしちゃうと自由な発想の妨げになっちゃうので難しい所だと思うんですけど。
侍: それはおっしゃる通りですね。加えて、少なくとも我々が考える標準化には、VRMユーザー全般にとっては理解し難い旧世代のプログラミング言語の流儀がどうしても紛れ込みますから。
由: とりあえずI.MAGiC本家BBSじゃプログラミング議論には不向きですし。それでもやはりI.MAGiC社公認、或はimagic.co.jpドメイン内の開発・議論環境は必要だと思います。いっそSourceForgeにプロジェクト登録して、そこで議論するとか(w
侍: ・・・ボクらでコソっとやっちゃいますか?
由: あはは、いいかも。
侍: 加えて、標準化とは裏返しの話題になりますが、脆弱性も気になりませんか。
由:  一般論から言えば、ファイル書き出しやシステムコールが無い故にビュワー終了で全てが初期化される仮想世界なので、クラッシュさえしなければ危険性は無いと思っています。小さな事でも誘爆したり不安定になるWindowsは論外。
侍: 私自身、先だってやや大袈裟気味に書きましたが、実際はそうだろうと思っています。が、こういうのに絶対ってないですから。特にちょっとひねくれたことさえすればビュワーを落とすのは簡単なわけで。そこが突破口にならない保障はないと思うので。
由: それは明らかに例外処理出来てないVRMが悪い。一般の開発言語なら許されるでしょうが、ゲーム的シミュレータのスクリプトで例外処理をユーザに強いるのは良く無いと思ってます。イベントコールの例外発生は、オブジェクトの依存管理不足。消失したオブジェクトにリンクしてるイベントはビュワーが勝手にKillすべきだし、変数とかSet系命令で扱う値は、受け取るビュワー内部ルーチンが水際で異常値除外を行うべき話。
侍: おっしゃる通りだと思います。なんせSetTimerVoltageで懲りましたから。無論、啓明さんの言うようにこれは「ヤバイと本能的に悟」るべき話かも知れませんが。
由: いや、悟らないでしょう、普通の人は。
侍: そこで思うのは、KZ氏が書いてましたが、スーパーバイザーはベータ版で動作チェックを手伝っているみたいなんですね。ですが、彼らの書き物を読む限りでは純コンピューティング畑の人はいないようなので、彼らだけでは脆弱性のチェックは万全ではないと思うんですよ。
由: それはそうでしょう。
侍: なので、我々を含めて、その筋で「腕に覚えあり」と思うVRMユーザーは、いろいろ試して開発者にフィードバックすべきだろうな、とは思うんです。
由: そういう情報の受け皿をI.MAGiC社に用意してもらえると・・・あの会議室ではどうも。

● ブツクサ言いつつも期待する

侍: 明るい方向で締めたいので、今後への期待を論じましょう。
由: 状態取得とかオブジェクト間通信の拡張希望。自車が編成端かどうかすらも知る術が無い。編成位置も判らない。連鎖する オブジェクトが作りにくい。分併しまくれるN'EX天国を作りたいだけなのに。
侍: ・・・ダメ出し続いてるし。いや、そこらへんはですね、I.MAGiCの中の人も我々の言うことに注目はしてくれてると思うんです、と言うか、そう思わないとやってらんないし。楽観的希望に過ぎませんが、我々の議論が妥当である限りI.MAGiCの中の人はやってくれると思いますよ。地形ツールも早速改善してくれたみたいだし。
由: そういう意味ではスクリプトウィザードには非常に期待しています。軽〜く遊ぶ時とか、に楽そうだし。ただ、簡単に使えます、ってだけではなく誘導者になれるテンプレートである事を願ってます。どこかにオープンな開発環境開いて、ガンガンとユーザーのアイデアを吸い上げて欲しいです。
侍: 詳細は不明ながら「スクロール」という単位でテンプレートが追加可能なのは確実のようですし。うーん、スクリプトウィザードを駆動するためのメタスクリプトなのかな・・・それはさておき、スクロールを大量配布して名実ともに「スクリプトの魔術師(ウィザード)」を自称するってのは、今後のネットVRM界で一番美味しいポジションかも知れませんね。
由: あとは、ウィザードもいいんですけど、そればかりに頼らずに、スクリプトは難しい、って思い込んでる人に挑戦していって欲しいです。一字一句ゆっくりマニュアル読んで、やって欲しい事を一挙手一投足コンピュータに指示するのがプログラム。誰にでも間違いはあるさ、人間だもの。気楽にやってみて。
侍: まったく同感です。ボクらだって、最初はおっかなびっくりコンピュータに触れたんですものね。ではそろそろお約束のヤツを。誉め殺したいVRMユーザーをご紹介ください。
由: ranmei氏って、もう殺しましたっけ?
侍: もう殺した・・・って、人聞きの悪い。殺してはいませんが「誉め殺し」はしました・・・と言うか、しまくってます。
由: 氏の画像BBSには結構影響されましたんで。今のVRMコミュニティに付いて行けてませんけど。
侍: そういう方にこそ「VRM侍」ですよ。
由: VRM侍こそ、一番付いて行けないんですが(笑)。
侍: 切腹ッ!!

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