2005/8/9

#12 異色ジェネラリスト−深鈴由羽殿(前編)  VRMユーザー紳士録
今回は知る人ぞ知るこの方です。

VRM侍(以下侍): ども、今日は濃いヤツをやりましょう。
深鈴由羽氏(以下由): 望むところで。

● ナンデモ屋=トンデモ屋?

侍: まずは簡単に自己紹介を。
由: 31歳独身野郎。秋田県産、東京育ち。VRM歴は2年弱程。今春からは、豊田から北八王子へEF64やEH200、DE10に萌えながら通勤して電気設計屋さんしてます。
侍: やはり技術畑のお方で。
由: 以前は就職面接でも説明し難い程の技術系ナンデモ屋でした。そこ、トンデモ屋とか言わない!!
侍: そこですよ、そこ。
由: トンデモ屋!?
侍: 当たらずとも遠からず(笑)。かく言う私も説明不能のナンデモ屋なもんですから。由羽さんはWebを拝見するに幅広く電脳カルチャーに精通しておられるようにお見受けします。そこで今日は、先だってコラボレーションしたご縁もありますんで、我々二人でVRM4スクリプトについて好き勝手に語らってみたいと思う次第でして。
由: なるほど、それは私としても有難いです。

● 無礼講のダメ出し大会

侍: VRM侍は「誉め殺し」専門なんですが。ただVRM4スクリプトを誉めてもあんまり面白くないような気もするし、お世辞大会も不毛ですから・・・ダメ出し大会でいきませんか?
由: いっぱいありますよ、言いたいこと。多分、言い過ぎるので適当にフォロしてください。
侍: あいよ。
由: まずですね。ダメじゃん、というよりVRMスクリプトの考え方が従来のプログラミングと異なる点がかなり多い為に、プログラム書いて育った世代に とっては戸惑いが多いと思うんです。
侍: 早速フォロしますね。ここで言ってる「世代」って、明らかに8ビットパソコン世代を意識してますよね。BASIC→アセンブラ→Cと来て、ちょっとJavaに抵抗感じちゃうなー、みたいな。
由: オブジェクト単位で実行環境が隔離されるのはナイスアイディア!と思いました。
侍: でも、我々のようなレガシープログラマは、論理的には並走していると見なせるメソッドや独立していると見なせるプロパティの、物理的な所在が気になってしょうがない、と。
由: 気にしても意味がないのは百も承知なんですけどね。でも、オブジェクト間の値の投げあいだけは普通にさせて欲しいな。
侍: メソッドに引数を渡したい、っていうことですよね。個人的な好みとしてはまったく同意です。ただ、我々にとっては普通のこの発想が、VRM界が擁するピンキリのITリテラシのユーザーに対して普遍的かどうかには疑問があります。仮にVRMのメソッドが変数渡しや引数の直値渡しをサポートしていたとして、我々は嬉しいでしょうけど小・中学生にとっては現行仕様よりも輪をかけて意味不明なんじゃないかと。
由: そうですかね。
侍: そもそも「コンピュータとは何ぞや?」を学ぶ環境が、我々の頃とは随分変わってますから。ボクらがコンピュータ側に思考様式を合わせるって時代は終わっちゃった・・・は語弊があるにせよ、それに近いかな、とは思います。寂しいですが。
由: そうだとしても、VRMスクリプトの命令体系が人間側に合わせてる、と思えないとこも多くないですか。たとえば、灯火制御。どれも同じON/OFFなのにあんなに命令が分化しちゃって。SetLight(種別,ON/OFF変数)みたいにまとめて、与える変数のbitによって灯火制御できるとさぞ方向転換や分併が楽でスマートになる事でしょう。Pantographもですね。
侍: ビット演算・・・はこれまたビギナーが理解できるか・・・っつーか、最近Java系オンリーのプログラマだと驚くべきことに「何それ」な人もいたりしますからどうかと思いますが、おっしゃりたいことはわかります。うまく言えませんが、汎用化と特化のバランスが微妙にボクらの好みからズレてるんですよ、きっと。無論、あくまでも「好み」だと思うんですが。
由: 好みかな・・・。好みと言えばそうかも知れないですが、プログラム筋の人間が直感的に感じる「あ、この言語仕様ならこういう戦略でコーディングだよな」っていう「何か」が感じられないんですよ。自然な流れを作り出せないと言うか、プログラミング的美意識が欠如していると言うか。

後編へ続く】

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/8/1

#11 小さな巨人−ちびて殿  VRMユーザー紳士録
今回は、拙者としては頭の上がらないこの方をお招きしました。

VRM侍(以下侍): どうも、毎度お世話になっております。
ちびて氏(以下ち): 最近紳士録の更新が鈍くなってますが、ネタ切れでしょうか?

● ちび鉄道少年 改め ちびてさん

侍: まぁ、ネットVRMユーザー、なんて言っても総数はたかが知れていますから、そのうちネタ切れは必至ですが。少なくとも、ちびてさんをお招きせずには終われないでしょう。まずは簡単に自己紹介など。
ち: 13歳 中学2年生 ♂ VRM歴3年 出身も現居住地も愛知県西部です。
侍: 最近、ハンドル名を改めたんですね。
ち: 前のハンドルネームは長かったのであっさりと。
侍: いつぞやは勝手に省略して「ちび鉄クン」呼ばわりしてしまい、大変失礼いたしました。私も永鉄さんやfoxさんの「バイザー」を云々言えません。それはさておき、ちびてさんには拙作動画の代理公開で毎度お世話になっております。
ち: 動画という公開方法が珍しくて、これが公開中止になるのは勿体無いなーなんて思いまして。
侍: 正直、最初にちびてさんから代理公開の申し出をいただいたときは驚いたんです。その時点でキミの年齢は知ってましたから。自分がちびてさんの年齢の頃に、果たして見ず知らずのオッサンにそういう提案をする度量があったかな、と思うと、ちょっとしたカルチャーショックで。
ち: 当時は今以上に礼儀も何も無かったですから、とりあえず言えばいいんじゃないかという軽い気持ちでした。
侍: いやいや、しっかりした文章のメールでしたよ。
ち: それに、カウンターの伸びが鈍化してきていたので、いっきに伸ばすチャンスとも思いました。
侍: どうです。お役に立てましたか?
ち: 効果はありましたね、それなりに。アクセス解析を見ると結構ghostさんの過去動画のページから来る人も多いです。
侍: 我々のコラボレーションが、多少なりともVRMの宣伝に役立っているとすれば、私としても嬉しい限りです。

● VRM界隈における大人と子供のコミュニケーション

侍: 私がちびてさんの年齢の頃、現在当たり前になっているような、趣味を同じくする幅広い世代が垣根なしに交流するネット社会はまだ一般的ではありませんでした。つまり、私たちの世代は、ちびてさんの世代から見て「大人がどう見えるか」を自分では経験しないまま、こうしてキミたちと付き合っていることになります。ちょっと、そこらへんに興味があるんですが。
ち: かなり年上な友達に見える、なんて言ったら怒られるでしょうね。
侍: もちろん怒ったりしませんよ、私は嬉しいです。もちろん腹立たしく感じる人だっているかも知れませんが、ソイツはお馬鹿さんなので放置しましょう。
ち: 意外に気にしませんよ。ただ、敬語ばかりを掲示板等でやたら使っていらっしゃる大人の方々は子供から見れば、物凄く近づき難いです。
侍: 建前っぽくって?
ち: いや、そんなに難しいことではなくって。とにかく、あんまり堅苦しい感じの方だと正直付き合いにくいですね。
侍: なるほど。大人側としては無意識に礼儀正しくしようとしてるだけなんでしょうけど。
ち: とは言っても、子供があんまりにもタメ口だと、それはそれで、近づき難いですが。言葉遣いは程々にって事ですかね。
侍: 敬語のみならず、言葉そのものも世代で変わりますしね。
ち: 前回登場されていたfox氏を支持する若い子が多いのもそこらへんではないかと。コミュニケーションに積極的な所とかがうれしいです。まぁ、支持する理由は人それぞれだと思いますが。

● RailSimとの比較でVRMを考える

侍: 少し話を転じます。ちびてさんはVRMのみならず、フリーウェア「RailSim」についても造詣が深いようですが。
ち: まぁ、そこそこに。
侍: 私はRailSimにはあまり詳しくないですし、また、VRMユーザーの中にも名前は聞いたことがあっても詳しくは知らない人が多いと思います。両方手がけているちびてさんから、特に両者の比較を伺ってみたいのですが。
ち: RailSimに比べてVRMの良い点は、スケールの正確さや、テクスチャの質などです。
侍: そこは鉄道会社からライセンスを取得してまでやっているメーカーの強みでしょうね。
ち: 足りない点は、レイアウターでは部品の高さがつかめない事や、TOMIX以外のメーカーの部品が無い事など。TOMIX以外のメーカーはちょっと難しいかなぁ。
侍: TOMIXに限らず鉄道模型メーカー製の既製品をモデルにした部品がないのはRailSimも同じでは?
ち: RailSimは、ユーザーが自由に車輛や部品を追加できますから。
侍: そこはVRMの最大の弱点ですね。
ち: あと、RailSimの良い点はレールが自由に引ける事かな。
侍: VRMは模型レベルで実装可能になる点にこだわっていますからね。
ち: 足りない点は、「前に戻る」「コピー」「貼り付け」などの機能が無い事でしょうか。
侍: RailSimにそういった機能が実装されていないのは意外ですね。まぁ、そこもフリーウェアの強みで今後、いろいろ強化されていくのだろうと思いますが。そして何と言ってもRailSimはフリー、すなわち無料であるのに対し、有り体に言えばVRMは高いです。この観点からVRMは圧倒的に不利ですが、RailSimでの経験を通じてVRMに「こういう機能があれば」といったご意見はないですか。
ち: RailSimにそういう機能があるから、というわけではないですけど。簡易ビュワーとして、フライスルーカメラだけの軽いプログラムとかがあれば便利かな、と。
侍: 簡易ビュワーですか?
ち: 地形を作っているあいだは、列車が走る必要ないですよね。だったらあんなに重いビュワーを起動する必要もないかな、と思ったり。
侍: なるほど。レイアウターとビュワーの行き来を既に当然のものとして受け入れてしまっていたので考えてもみませんでしたが。それは一理あるかも知れませんね。

● 中学生にVRMの拡販は可能か?

侍: せっかくの現役中学生ですので、ちょっとおかしな質問をします。
ち: 構いませんよ。
侍: ちびてさんと同級生との会話をイメージしてください。たとえば「オレ、サッカー好きなんだ」というのは極自然に交わされる会話ですね。一方で「オレ、エロゲー好きなんだ」というのは少なくとも不特定多数の同級生とは話さないように思います。さて「オレ、VRM/RailSim好きなんだ」というのは、先に挙げたサッカー/エロゲーのどちらに近いエリアの話題でしょうか、強いて言えば、ですが。
ち: エロゲーの方に近いかな。VRMやRailSimの名前を出しても、知らない人ばかりですから。いちいち説明するのも面倒ですし。
侍: 以前、おいちゃんさんと中高年の方へのVRMの拡販についてお話ししたことがあったんですが、逆にちびてさんへの世代への拡販を考えると、どういったことが必要と思います?
ち: 簡単に手に入れることが出来ないのが現状ですから、もう少し都市部以外の家電店にも流通するといいんじゃないかな。世の中、そう簡単にはいきませんけどね。
侍: DirectShopで買えるのに?
ち: そりゃ、大人はそうでしょうけど。子供は気軽に通販はできないですよ。それに家電量販店で買えないって、エロゲー以下じゃないですか。
侍: なるほど。中学生の誰もがちびてさんのように広くネットに向けてアンテナを張っているわけでもないでしょうからね。いや、いろいろと面白いお話を伺えたと思います。では、そろそろお約束のヤツを。まずは、ちびてさんの誉め殺したいVRMユーザーをご紹介ください。
ち: fox氏ですね。仮想ビュワーには正直驚きました。
侍: やはりそうきますか。いよいよfoxさんには休む暇なしに頑張っていただく必要がありそうです。では最後に、ちびてさんにとってVRMとは何でしょう?
ち: PCや鉄道模型の知識を広げてくれた、一種の教科書。まだ未熟ですけどね。
侍: 未熟さは無限の可能性の裏返しですよ。今後の活躍を期待しています。ありがとうございました。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/7/25

#10 スーパーバイザー新世代−fox殿(後編)  VRMユーザー紳士録
【前編はこちら

● 激論!! fox vs ghost

fox氏(以下f): 私からも1ついいですか?
VRM侍(以下侍): もちろんです、どうぞ。
f: ムービー撮影に使用したレイアウトを公開して欲しいです。詳しい撮影方法はテクニックで紹介されていますが、同じレイアウトを他の人ならどんな風に撮影して編集するか、興味はありませんか?
侍: はぁ・・・正直、考えたこともないですが。
f: 最近、私はそこに興味があって自分のレイアウトから他のユーザーにスクリーンショットを撮影して見せてもらえたら、と考えています。レイアウト作りが苦手でも、とてつもないスクリーンショットやムービーの表現力を秘めている方っていそうな気がするので。そもそも、ghostさんはどうしてレイアウトを配布しないんです?
侍: 他ならぬスーパーバイザー殿のご下問ですので、正直にお答えしましょう。私は「与える者」と「与えられる者」という人間関係が理屈抜きに嫌いです。私が安易に何かを与えてしまうことは、与えられた人が私と同等のスキルを習得することを阻害するでしょう。与えられた者は私に敬意を抱くかも知れませんが、そんなものにはまったく興味がありません。
f: 「答え(レイアウト)を与える事」と「目標(ムービー)を示す事」は、似て非なるものであり、閲覧者には自ら学び成長していく事の大切さに気付いて精進して欲しいという事ですね。……ですよね?(^^;;
侍: 今月の頭に、私はふざけて自分自身にインタビューをしました。その中に「如我等無異」という奇怪な言葉を挿入しています。これは実は仏典に登場する言葉で、漢文読み下しをすると「我(われ)の如(ごと)く等(ひと)しくして異(こと)なることを無(な)からしめん」になります。これが私の信条です。
f: 何事においても、先をゆく者は自身の足跡を辿る者が現れる事を忘れてはならないし、かといって手を貸す事はその者の為に決してならない。何よりも大切なのは、自らの足跡を克明に伝える事であると感じました。とても感銘したと同時に、やはり私はghostさんの対極に位置している事を再認識しました。
侍: 対極・・・ですか?
f: ここからは私の個人的な見解です。とある先人の足跡を目標に選んだ者がいて、いざ辿り始めようとした時に、自身がスタートラインにさえ立てていない事に直面する事もあるのではと考えています。つまり、レイアウト作成の基礎知識を吸収する前に、大きな目標を見付けてしまい、自身の創作意欲と作成能力が吊り合わず、ジレンマに陥り、果てには最も大切な自分の表現力まで否定してしまうという事です。自身の表現力を否定してしまったら、そこから先には進む事が出来ません。創作意欲だけが肥大化していき、本来必要な作成能力の鍛錬は疎かになってしまい、自分の不甲斐なさをVRMのせいにして、手放してしまう。初心者の方は、数多くのネットVRMユーザーで作られた輪の中心に立っていて、四方八方から色々な魅力や大小様々な目標を提示されてる状態だと思います。しかし、VRMは幅広い自由性がある一方、これといった初心者の歩む道筋は見え難く、目標−これは魅力と言ってもいいでしょうが−だけが大きくクローズアップされているので、この手の経験をしている人は多いと思うのです。
侍: お考えはよくわかります。ある意味において、それは私が「狂人」でなければならない理由であり、VRM侍が誉め殺しにこだわる理由でもあります。
f: 初心者の方が作成能力の習得をするには、とてつもない努力と根気が必要であり、PCの初心者ともなれば、さらに大変なのは言うまでもありません。この垣根は個人の表現力を封じ込んでしまい、私達の想像もしないようなレイアウトの出現を妨げているような気がしてならないのです。そこで、まずは自身の表現力をスクリーンショットやムービーという形で試してもらえる舞台、つまりレイアウトを用意する事も重要ではないかと考えてみたのです。確かに、その時点で慢心してしまい、自ら学ぶ事を放棄する方もいるとは思いますが、そこから自身の作成能力を鍛錬して、より大きな目標に向かい始めてくれる方も現れると思うのです。きっと、豊かな表現力を秘めている方なら後者を選択してくれるはずと信じています。「ここはこうしたい」と、自分好みの風景にレイアウトの一部を編集する事が、自然と作成能力の鍛錬になっていくと思いますし、そこから「こうしたいです、どうやると良いですか?」という前向きな質問が生まれ、私達も建設的なアドバイスを初めて出来るようになるのではと思うのです。
侍: なるほど。お考えはよくわかりました。私自身、自分の方法論の限界は感じています。特にVRM4の目玉となっているスクリプトについては、まずは現物を示すことが必要かと思われましたので、由羽さんの提言を土台とした論考には、私としては珍しくサンプルレイアウトを添えてみました。
f: いかがです、ムービー撮影に使用したレイアウトの公開もされてみては?
侍: せっかくのお勧めですが。究極的には私にとって、VRM界が成長するか否かはあまり問題ではありません。誤解を招く表現になると思いますが、VRM界隈が滅びることで私が伝えたいと願うことが縁ある方々に伝わるのであれば、私は喜んでネットVRM界の壊滅に乗り出すでしょう。もちろん、そんなことはしませんが。少なくとも私は、foxさんのおっしゃる「初心者の垣根を取り除くこと」よりも、私の酔狂がキッカケとなってたとえ一人でもいいので「自ら垣根を突破する力を身に付けていただくこと」の方に関心があります。無論、私は現時点においていかなるネットVRMユーザーにも私と同じスタンスを強要するつもりはありません。私は狂ってますから。
f: もちろん、私の考えも私の個人的な考えであり、VRMユーザーの輪にある一端です。様々な考え方で構成されていなければ、この輪を形作る事は出来ないわけで、1つの考え方に集約してしまうと輪は点となり、提示出来るものは限られてしまう。色々な考え方が存在してこそ、VRMユーザーの輪は大きくなってゆくと思います。
侍: おっしゃる通りです。であれば、我々が「対極」に位置することは、むしろ喜ぶべきことでしょう。

● そんなfoxさんが誉め殺したいVRMユーザーは?

侍: やや抽象的で、一部の読者にはわかりにくい議論に終始した感はありますが、foxさんとこのようなお話が出来たことを、とても嬉しく思います。さて、ではそろそろお約束の質問をさせていただきましょう。まずは、「誉め殺したいVRMユーザーNo.1」のfoxさんが、そのfoxさんが誉め殺したいVRMユーザーをご紹介ください。
f: VRM侍さんもご存知の「Junichi Home Page」の長嶋さんです。
侍: あぁ、納得です。復活して欲しいなぁ・・・。
f: 自然の表現が秀逸なスクリーンショットや音響入りの長編ムービーには圧巻です。その1コマの為だけに作り込まれた鉄道風景はもの凄いリアリティーで何度見ても飽きません。加工はトリミングだけという点からもこだわりが感じられて、芸術的なレイアウトセンスやスクリーンショットセンスを見習わせてもらっています。
侍: 私も、特にあの絶妙な遠景の山肌の表現には絶句しました。VRM4第2号では地形ツールが改良されるようですし、今後の拙作でもあの境地を目指していきたいと思っています。では、最後に。foxさんにとってVRMとは何でしょう?
f: 夢を叶えてくれたソフトです。
侍: 夢?
f: 子供の頃は部屋が狭かったので、Nゲージを遊ぶ時は箱から部品を取り出して組み立て、遊び終わったら分解して箱に仕舞うという感じでした。本に載っている情景豊かな固定式レイアウトなんて夢のまた夢という状態でしたから、憧れつつも諦めていました。でも、約20年の月日が経って、買い換えたパソコンにたまたま添付されていたパンフレットで「仮想空間に巨大レイアウト」というキャッチコピーを見た時は、まさに私が子供の頃に思い描いていたものでしたからホントに嬉しかったです。
侍: お互い、アプローチこそ異なれども、そういった夢をより多くの方と分かち合えるよう精進して参りたいものです。ありがとうございました。

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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2005/7/24

#10 スーパーバイザー新世代−fox殿(前編)  VRMユーザー紳士録
早くも10人目をお迎えするVRMユーザー紳士録。今回はみなさまお待ち兼ねのこの方です。

VRM侍(以下侍): よろしくお願いします。
fox氏(以下f): こちらこそ。

● 絶大な支持を受けるスーパーバイザー

侍: まずは簡単に自己紹介などを。
f: 27歳の茨城県民です、VRM歴は1年半くらいになります。顕微鏡を扱う仕事をしています。
侍: ・・・顕微鏡?
f: 顕微鏡でディーゼルエンジン(自動車)の部品を検査しています。
侍: そういうお仕事があるんですか。詳細はわかりませんが、神経が磨り減りそうなご職業ですね。
f: でも、ほとんどは居眠りに徹しています(笑)。
侍: 駄目じゃん(笑)。まぁ、冗談はさておき。foxさんと言いますと、ご自身のWebのBBSの盛り上がりといい、またこれまでのVRMユーザー紳士録の取材を通しても、特に若年層のVRMユーザーから絶大な支持を得ておいでですが。
f: 嬉しいです。ホントにありがとうございます。
侍: foxさんに続け、と思っているVRMユーザーに何かメッセージがあれば是非。
f: 何事も若い方たちが先人の意志を受け継いで、さらに発展させて行くものだと思いますから、これからも様々な個性溢れるコンテンツを生み出していってもらいたいと考えています。「誰もしていない事を見つける」のではなく「自分がしてみたい事を見つける」のが大切だと思います。
侍: 深みのあるお言葉です。私も、特に若いネットVRMユーザーの皆さんに、foxさんや私を踏みつけて乗り越えて行くぐらいの元気さを期待しています。さて、同時にfoxさんは本年からあらたに就任されたスーパーバイザーでもあるわけですが、まずは応募の動機や着任の経緯をお聞かせいただけますか。
f: 昨年の暮れに募集告知を目にしてダメ元で応募しました。バイザーとしての目標は、なんといっても「VRMの敷居を低くする」事です。
侍: あ、ちょっといいですか、話の腰を折りますが。
f: ?
侍: 先日、永鉄さんをお招きしたときから疑問に思っていたんですが。彼もfoxさんもスーパーバイザーを「バイザー」と当然のようにお書きになるんですが、これって変な略語じゃないですか、スーパーバイザーはスーパー+バイザーではないので。
f: 確かに「バイザー」では「帽子のひさし」ですね(^^;)ヾ 誰が使い出したかはわかりませんが、やっぱり妙な風潮の「何でも略す」所から来たんでしょうね。恥ずかしながら、私は普通に使っていました…。今後は自分の事を「帽子のひさし」と言わないように気をつけます。
侍: いや、気をつけていただくようなことではないんですが。余計なことを申しました。続けてください。
f: では改めて。レイアウト作成は経験を積んで慣れていけば自由自在に行なえるようになりますが、一度どこかで躓くとその経験を積む事自体が苦になってしまうと思います。なので、会議室などに寄せられる質問には全力で解答するように努めています。躓きやすい小石を可能な限り取り除いて、初心者の方がレイアウト作りを楽しみながら行なえる環境を第一としてWebサイトの運営もしています。私は他のバイザーさんと違って、実はPCに関する事はさっぱりわかりません。そのかわり、会議室に寄せられるVRMについての質問には、できるだけわかりやすく答える事に専念しています。人的な考えですが、その時は「過去ログやマニュアルを見てください」という解答は絶対にしないように努めています。
侍: その姿勢は、ビギナーにとっては有難いものです。
f: 他には、レイアウトコンテストの審査や最新のスクリーンショットを皆さんにお伝えするなど、アイマジックの方達がソフト開発に専念できるように出来る限りのサポートをしています。…あとは、次のバイザーさんに尋問してください(笑)。
侍: おっと、先手を打たれて誘導尋問を封じられてしまいました(涙)。

● 新しいスタイルへの挑戦

侍: これは以前にも個人的にお伺いしたことですが。foxさんと言えば、言わずとしれた加工スクリーンショットの雄であられます。一方で加工スクリーンショットは見る人をしてVRMの仕様を誤解させる危険性も孕んでいます。それでも敢えて加工スクリーンショットにこだわられる理由を改めてお聞かせいただけますか。
f: 確かに未VRMユーザーの方には誤解を招きそうですが、それだけVRMに対する興味も持ってもらえると思うんです。それに私は「走っている電車」が好きなので、たとえ静止画であっても、そこから疾走感を感じてもらえるようにしたいというこだわりがあります。
侍: foxさんのスクリーンショットには、確かに本来静止画にはないはずの動的な迫力がありますね。
f: また、レイアウトデータの公開というのは所有パッケージの制約に囚われてしまいますが、スクリーンショットなら何も気にせずに自分の好きな鉄道風景を披露する事ができます。その点では、レイアウトデータの公開よりもコミュニケーションツールとして最適であり、作品により幅広い表現方法を皆さんにも使ってもらいたいと考えています。
侍: その点は、私も同様の考えから動画作りを手がけてきたのでとても共感できます。
f: 本来、VRMの醍醐味は「自分の手で好きな電車を走らせる」事だと思うので、VRM自身のスクリーンショット撮影機能に現在以上の付加要素を求めるつもりはありません。まぁ、小さな不満としては、任意のフォルダに画像を出力できたら良いですね(笑)。
侍: その点も激しく同意します(苦笑)。さて。foxさんは他にも「仮想ビュワー」や「Scale Survey」といった新しいスタイルにも意欲的に挑戦しておられますね。
f: 「仮想ビュワー」は未ユーザーの方に、VRMを擬似体験してもらえるコンテンツとして作りました。自分好みの鉄道風景を平面図に作り、そこから生まれた立体空間を好きな電車で駆け抜ける楽しさを表現したかったので、レイアウトマップ→スクリーンショットという流れにしました。
侍: 拙稿でも取り上げさせていただきましたが、目指しておられる点は十二分に果たされていると思います。
f: [Scale Survey]はユーザー(初心者)の方に向けたコンテンツで、VRM4で可能になった部品の積み重ねをVRM3でも簡単に出来ないかと考えて作っています。例えば、プラットホームに人形を立たせる場合、上級者の方は「13mm」とすぐ思い浮かべられますよね。
侍: 悲しいくらいに(笑)。
f: でも、初心者の方は試行錯誤して、その数値を割り出さなければなりません。快適なレイアウト作りのためには、その小さな?もすぐに解決できるものが必要だと思うので、ユーザーの間ではあたりまえの事でも一覧にしておくのは重要だと思います。
侍: いや、初心者でなくとも、私もしばしば参照させて頂いてますよ。さすがにガソリンスタンドの高さまでは暗記してませんから。
f: まぁ、ガソリンスタンドの屋上に何を乗せるかは謎ですが(笑)。

● VRM4へは移行しないの?

侍: ちょっと踏み込んだことをお伺いします。他のスーパーバイザー諸氏が更新頻度の差はあれVRM4に移行されているのに対し、foxさんは敢えてVRM3に留まっておられます。これはI.MAGiC社の販売戦略とは合致しないのではないか、と推察するのですが。「早くVRM4へ行け」とか言われたりしないんですか。
f: そうですね。幸い、まだI.MAGiCさんからクレームなどはありませんが、それをすっ飛ばして「君、解任!」って事になるかもしれませんね(滝汗)。
侍: foxさんを解任するようではI.MAGiCもおしまいでしょう(笑)。
f: 私としてはVRM4の動作環境に満たないPCを持っている方を大切にしたいので、あえてVRM3に留まっています。また、VRM4から始めた方でもVRM3には興味があると思うので、参考にしてもらえたらと考えています。
侍: VRM4に対応可能なPC、特にビデオカードは、安価になってきたとは言え、PCユーザー全体から見ればまだ高嶺の花かも知れません。そういう意味ではfoxさんのお考えには一理あると思います。
f: 現在、VRMシリーズはバージョン2〜4までの3つの入り口が用意されていて、どこから入門するかはそれぞれ予算や所有しているPCによって変わります。たぶん、将来パソコンの買い替えが出来るまではVRM3で楽しもうとする方がいると思います。スーパーバイザーという立場上は、最新バージョンも積極的に取り扱うべきなのかもしれませんが、2つのバージョンを平行して取り扱えるほど器用ではないので、1歩1歩着実に前進する事が最善と考えています。
侍: むしろ、まだまだ100%使い切られているとは言えないVRM3の支援継続は、ユーザーの立場からは歓迎されますね。
f: [Scale Survey]が一通り完成したらVRM4版[Parts Table]などの作成に取り掛かりますので、I.MAGiCさんには長〜い目で見てもらえたらと・・・。
侍: そういうワケですので、I.MAGiCさん、ヨロシク。

後編へ続く】

注)本稿はQ&A式のメールのやり取りを元に、対談風の記事にまとめたものです。かならずしもご協力いただいたネットVRMユーザーの発言そのままを反映しているわけではありません。文責はすべてghostにあります。
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