2012/7/13

『ファウスト』  映画

ドイツ古典主義の大御所ゲーテが30年かけて完成させた作品。
古典主義ってのは18世紀末〜19世紀初頭にドイツで起こった、
それまでの理性万能の合理主義を反省して人間の感情・情緒・自然美を重視する文学運動。
世界に冠たるドイツ医学を否定するなんてもったいない。第一難しすぎて分からない…。
なので原作を真面目に読んだ娘に訊いてみた。
『ファウスト』ってどんな話?女のために悪魔と取引するんだよね?

・第一部、第二部からなる戯曲。この映画では第一部のみを扱っているようだ。
・一貫したテーマは「向上心」について。
・キリスト教・ギリシア神話・シェークスピアの知識があると理解しやすい。


それだけ分かれば十分だ。映画館にGO!
しかしながらそんな付け焼刃が通用する相手ではなかった。
映像見て原作読んだ代わりにしようなどとさもしい目論見は崩れ去った。
本編が始まる前に「原作を自由なイメージで表現してみたからね」と
監督のメッセージが入るんである(ついでに日本の税関への恨み節も)。

ファウスト教授(ヨハネス・ツァイラー)は人間の体の中に魂が存在しないことを知り、
「悪魔」と噂される高利貸しのミュラー(アントン・アダシンスキー)にその在りかを尋ねに行く。
「人生のすべてを教える」と彼に連れ出された街中で、
一目ぼれしたマルガレーテ(イゾルダ・ディシャウク)の兄を殺してしまい…。


原作では悪魔は本物の悪魔・メフィスト。それがここでは生身の人間になっている。
なんだかヴェニスの商人みたいな設定やなーと思いつつ。
もう一つ原作との決定的な違いは、悪魔と契約したファウストが絶世の男前になってくれない。
なんでやねん!おっさん2人の掛け合い漫才、怒鳴り合いを見ても楽しくないぞ。
ドイツ語って相手を論破するのに適した言語ではあるが。
(おそらく)韻を踏みつつ、相手の揚げ足取りをしたやりとりが続いているので、
日本語字幕を読んでも会話の意味が繋がってないのよ〜。
ドイツ語で韻を踏まれても聞き取られへん…(涙。

聞くのは止めて見ることに徹する。
マルガレーテは幻のように美しい。光の中に融けてしまいそうだ。
ごちゃごちゃした無粋な村の人々。緑深い神秘的な森。
無常を象徴するような河の流れ。迫力のある間欠泉。

刹那への誘惑を拒否し、悪魔との契約さえも反故にし、ファウストは前進する。
対する悪魔は過払い金返還請求を受けて倒産する消費者金融のようだ。
神話の国ギリシアも破綻寸前だしね。
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